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中年冒険者、家を買う。  作者: 小雅 たかみ
3棟目 ~エルフの国境街~
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第76話 ゾンビ

サバイバル生活を始めて7~10日ぐらい経ったと思う。


朝からゾンビと戯れ、日暮れに水辺に寄って身を清め、夜に木の上で寝る。


ひたすらに繰り返していると俺までゾンビになった気分になる。前回のサバイバル生活よりも早い時期に日付の感覚がおかしくなった。


ゾンビ共が大量に陣取った為に、他の魔物や動物達もどこかへ避難したようで見当たらなかった。そのせいで気分転換も出来ない。ただただゾンビ共と戯れるだけだった。


無性にフラフラとうろつきたくなる。まるでゾンビのように……。

その度に、怪我して感染していないか?とか、心拍もちゃんとあるよな?とビビって無駄に確認したりしていた。


日付感覚がおかしくなったついでに、美的感覚も狂いだした。


自分でもビックリするぜ?

いつの間にか、女性ゾンビが魅力的に見えるんだ。


腐ってるのにだぜ?

内蔵が飛び出てようが、頭が半分無くなってようが、唯一無二の素晴らしい個性だな!とか思っちまうんだ。

そりゃそうだろ?

そうなっているから死んだのだから。

生きている人でそんな事は起こり得ない。

それが無性に可愛らしく見えるんだ。


目が腐ってる?

あぁ。そうかもしれない。


おかしいだろ?

狂ってるよな?

俺自身も訳が分からないけど、興奮するんだ!


流石に末期症状だなとギリギリのところで思い留まったさ。


今まで女と絡み、男とも絡み、無機物と絡んだかもしれない。

男として、どうかと思うかもしれないが、その辺は人それぞれだろう。


ただ腐った死体と絡むのは、人として、どうかと思う。いや、思わずにはいられなかった。


まぁ実は自発的じゃないんだけどな。


無意識に女性ゾンビで遊んでいたら、


「マスター。倒さないのですか?」


と、ディトに言われて初めて正気に戻った。これはヤバいとな。


その頃から、あまりゾンビに狙われなくなっていた。まさかと思うが同類と認識されていたのか?

無抵抗で消滅していくゾンビ共。何かを失いかけた代わりに殲滅が楽になった。


ゾンビ共が減り、探すのが大変になってきたので、ゾンビに汚染された場所を浄化したりもしていた。


すると、チラホラ他の魔物や動物達が戻ってきてるのか、見かけるようになった。


俺がゾンビを殲滅している所を目撃すると、何故か魔物達も共闘しだした。


おかしな話だが、彼らはゾンビによって住処を追われておかしくなった魔物であり、俺もゾンビによって精神がおかしくなった者。


おかしくなった者同士、仲良くなっていた。


魔物の中には強そうなオーガも居た。

こんなのが居るのにゾンビ共には勝てなかったのか?と思った。

あ、悪魔3体はキツいかな?でも頑張ればイけるだろ。と、そのオーガを見ながら思っていた。


オーガもやたらとコチラをチラチラ見てくる。俺がずっと見てたから?いや、違った。


「マスター。あのオーガ。記憶が正確ではありませんが、恐らく以前ワタシを持っていたオーガです。」


「ああ。だから俺を見ているのか。しかし、ここはあの森じゃないぞ?」


「では、救援に来たのではないでしょうか?」


「なるほど。それは有り得そうだな。

ここの魔物達も逃げてから他の森に支援を頼んだのか。そしてディトを奪われたオーガが来たのか。

どうする?お前を返そうか?」


「マスター!絶対に嫌です!」


そりゃそうか。

また呪われるかもしれんからな。

皆様もゾンビゲームのやり過ぎには注意してください。

いつの間にか思考がこうなります。

私は一時期やり過ぎて、真の意味での腐女子、大好きになりかけました。

ですが、現在の意味の腐女子からはドン引きされました。

世の中おかしい。狂ってやがる。

いや、あの時は私が狂っていたのか。

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