第81話 第8回会議Ⅵ
あのリオが助けた女達だ。
なんとテンプレ?通り、1人は貴族令嬢だった。
リオ家にその貴族令嬢の家族が来た。
「娘が移動中に山賊に襲われたところ、40歳前後の1人の男性から助けられた。まるで蛮族のような出で立ちで山賊よりも恐ろしかった。でも助けてくれたと娘は言っていた。
恐らくその方が、あなた方が探しているリオという人ではないか?何日も森に潜んでいて、そのような見た目になったのではないか?」
と報告しにきてくれた。
ロン、ミラ、ブラントは笑った。
ディアナとキエナは泣いた。
ルキウスとファルは抱き合って喜び。
レックスとラキティスも手を握りあって微笑んだ。
希望の灯が再び点った。
第7回、新リオ家会議を開いて、どうすれば戻ってくるのか話し合った。
その結果、懸賞金をかけた。
しかし、あまり上手く機能しなかった。というより、金に目が眩んだ冒険者程度では、全然捕まえられなかった。
何度目か金額を上げて、そろそろ別の方策を取ろうか?という時にやっと戻ってきた。
こうして全ての話を聞き終えた。
「やはり連絡が取れなくなったのはダメだったな。」
「フォッフォッ。そうじゃのぅ。おぬしは1ヶ月程、無駄に野宿しておったからのぅ。」
「しかし、俺としては王都の状況も分からなかったからな。近づいてきた冒険者が、敵か味方か判断がつかなかった。色んなことが出来るとはいえ、ただのC級だ。腐ったB級ですら手も足も出なかった。全部逃げるしか無いだろ?」
「ヒッヒッ。おぬしがもう少し強くなれば良いんだがねぇ。」
「無茶言うなよ、婆さん。この歳でもう伸びしろも何も無いだろ。むしろ衰えていってる最中だぞ。」
「ふぅ。僕にとっては十分強いですけどね。やってる事も意味が分からないですし。」
「ふむ。方法が無い訳ではないが……。それは別の事だ。こうして無事なのだから、万事解決よな。」
「あー。そうね。
これで全てになるわね。まだ何かあったかしら?」
「そうだな。
まずレックスの店と言ったが、もう財宝は売り捌けたのか?そしてもう店を開いたのか?」
「そうっす!聞いてくださいよ旦那。
ギルド職員を辞めたから暇になったラキティスがサクサク捌いちゃったっす。
お店はまだっす。この近くの家を買って今は改装してるところっすね。」
お、おぅ。
ラキティスに敬称がついてない。
あのヘタレックスが呼び捨てだ。
「お前達。仲良くなるのが俺の予想より早いな。
ブラント。結局お前がケツを叩いたのか?」
ブラントに聞いてみるが、ブラントは残念そうに首を横に振った。
「それがっすね……。」
「私ですので。
リオさん。貴方達の浅はかな考えは最初からお見通しですので。」
レックスがどもっている間に張本人がぶっ込んできた。
「大体、あの日のお風呂での話は丸聞こえでしたので。あの時、メイドさんをどうにかする為にリオさんはディア姉様と普通に会話していましたよね?その後もバレバレでしたので。」
ぐむむ。
ラキティス攻略大作戦は最初から破綻していたのか。




