第76話 第8回会議
3人でお風呂に入り、久々に色々とスッキリした。
冒険者の男女は懸賞金を貰ったらそそくさと帰っていた。これからそのお金で色々使い道を決めたり1番楽しい時間を迎えているのだろう。
昼過ぎに王都へ着いたので、俺だけ昼食を食べながら、他の住人は何処にも行かずに食堂に集まっていた。
「ファルとルキウスは孤児院はいいのか?」
「はい。2人の出産がもうすぐなので、私はこちらに控えさせてもらってます。それにリオさんが居なかったのもありましたし……。」
「そうか。ありがとう。それで、ルキウスはいいのか?」
豚から戻ったルキウスに聞く。
「ふぅ。僕だって色々聞きたいじゃないですか?仲間外れにはなりたくないですよ。」
「今まで引き篭っていたやつのセリフじゃないな。」
「だって、リオさんですよ?ふぅ。絶対おかしなことやってますよね?」
「ルキウス。もう一度豚になっておくか?」
「ふぅ。ごめんなさい。」
「まぁ、いいや。それでラキティスはギルドへ行かなくて良いのか?」
「リオさん。私はギルド職員を辞めましたので。」
「冗談だろ?」
「いえ、本当ですので。」
「そうか。その辺も色々あったんだろうな。
ということで第5回、新リオ家会議でもやるか!」
「フォッフォッ。リオよ。すまんのぅ。
実は今回じゃと、第8回目になるのぅ。」
「ヒッヒッ。お前さんが居ない時に3回程したのでねぇ。」
「そうなのか?じゃあ第8回、新リオ家会議の開催だな。
どちらから話す?俺からの方が良いか?
俺は聞きたいことが山ほどあるのだが、皆も同じだろ?全員の質問に答えると時間がかかり過ぎるから、まずは俺からの方が良さそうだな。」
王都を出てからの事を最初から話した。
王都のイザコザはラキティスも居たので皆知っているはずだ。
B級冒険者パーティにボコボコにやられ川に落ち、逃げ隠れて意識を失ったことを話した時はブラント以外、驚いていた。
「クククッ。だから言ったであろう?リオは大丈夫だと。」
「そういう事なのですか。
前の国のギルドで、何処に配属させても大丈夫だと聞いたことはありましたので。眉唾物だと思っていましたが本当のことだったのですね。」
「リオの旦那。そんなに魔法が使えたっすか?
俺との護衛依頼では全然使ってなかったじゃないっすか。
しかも水、土に回復なんて3属性も持ってるっすか!?」
「うん?ああ。ブラント以外には話してなかったな。
大体使えるぞ?ただ魔力量が普通なので、バカスカ打てんし、爺さんみたいな極めないと使えない魔法は無理だ。」
「フォッフォッ。面白い特性じゃのぅ。」
「リオ。じゃあ私の樹魔法や精霊魔法も使えるの?」
「樹魔法は簡単なのはすでに使えるな。精霊の方も教えてくれれば多分一般的なのは使えるはずだ。だが、今言った通り、魔力量は普通の量から何をやっても変わらなかった。だから覚えても使い道が無かったりするんだ。」
「ヒッヒッ。なるほどねぇ。異常な程、普通がここでも出てくるということだねぇ。」
「クククッ。そうだ。だからこそ、コヤツは面白いのだよ!」
面白いと言われても嬉しくはないな。




