表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
中年冒険者、家を買う。  作者: 小雅 たかみ
2棟目 ~北の国から~
140/349

第33話 クズ再び

翌朝、ラキティスを連れてギルドへ行く。

昨日ここへ着いたばかりで、ギルドへ挨拶すらしていなかった。場所も知らなかったようだ。

良く俺の家にたどり着いたなと思って聞いたら、そこら辺の人に聞いたらすぐ教えてくれたそうだ。むしろ、『何故行くのか?』『あんな所に行っても良いことは1つも無い。』とまで言われたそうだ。ウチの評判がおかしい。


そんな事を話して歩いていたら、ご近所の旦那が話しかけてきた。


「おはよう。リオさん。

これまたべっぴんさんを連れてどうしたんだ?

まさかこの人も嫁なのか?」


「おう。おはようさん。

いや、コイツは嫁じゃない。ギルド職員だ。」


「ギルド職員のラキティスと言うので。これから宜しくお願いします。」


丁寧に挨拶をするラキティス。その仕草に鼻を伸ばすご近所の旦那。嫁じゃないのが嬉しかったのか、近づいてきた。尻でも触ろうとしたかもしれないが、止めておいた。


「やめとけ。嫁じゃないが、ウチの住人だぞ?」


俺の発言にラキティスは察して、あの魔道具ステッキを取り出す。ご近所の旦那はそれを見た瞬間に遠ざかった。


「リオさん!そういうことは早く言ってくれなきゃ困るよ!」


「お、おぅ。すまんな。そっちも気をつけろよ?」


「ではまた何処かで。」


ご近所と別れてまた2人でギルドへ向かう。


「ラキティス。お前よく単身でここまで来れたな。」


「いえ、護衛を雇っていたので1人では無かったですので。それに私もギルド職員ですので。コレを使わなくても、大丈夫なので。」


「そうか。気をつけてな。

既に他の住人達が色々やらかしているのでな。節度を持って行動しろよ?」


「リオさんだけには言われたくないので。」



そんなこんなでギルド前に着くと、何故かルキウスが居た。


「ふぅ。やっと……来た。リオさん!見つけましたよ。」


「おー。ルキウスか。事件以来だな。元気そう……でもないな。」


ほんのちょっとだけルキウスはやつれていた。

若干めんどくさい空気を感じ取ってかラキティスは


「では。私は挨拶や仕事もありますので。」


と言ってギルドへ入っていった。


そそくさと逃げていったラキティスを妬ましく睨むが、職員の仕事なんて出来ない。今日はラキティスのギルドへ案内しに来ただけなので、何か依頼を受ける気も無かった。ただ邪魔になるだけかと思い至り、渋々ルキウスに向かい合う。


「で?ルキウス、どうした?」


「ふぅ。聞いてくださいよ。

家から追い出されてしまいました。」



お前もか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ