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中年冒険者、家を買う。  作者: 小雅 たかみ
2棟目 ~北の国から~
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第29話 屋敷殺人事件Ⅶ

一件落着かと思ったら、副委員長が喚き散らしてきた。

やれ「復讐だ。」やれ「これは正義の執行だ。」と言っていた。


同窓会メンバーは心当たりがあるのか黙って聞いていたが、知らんがな。

復讐とか正義とか、よくそんなむず痒い言葉をポンポンと使えるもんだ。

若いってのは血気盛んで良いねぇ。


「フッ。青春だな。」


と、つい鼻で笑ってポロッと言葉に出ていた。

丁度後ろに居たせいか、副委員長の耳に入ってしまった。

それから副委員長の矛先は俺へ変わる。


「お前さえ居なければ。」とか、「お前が出しゃばらなければ。」とか言っていた。「いつかお前も殺してやる。」とまでヒートアップしたので、顔面を思いっきり殴る。ボッコボコにしようと身を乗り出したら委員長の女Aに止められた。


「ダメよ!彼の親は貴族なの!」


おぅ。危ない。

そういう事は早めに言ってくれないと分からないだろ?

既に1発殴っちゃったよ。

また貴族に目をつけられるとか面倒事背負いこみ過ぎだな。こんなことばかりしてるから……


「また国外追放になるのか。」


と思っていたことが、最後の方は口にしてしまっていた。

その言葉に皆がギョッとして変な空気になった。ザワザワとした雰囲気の中、扉を開ける者が居た。


「リオさん。朝食の支度が出来てま……。ふぅ。お邪魔でしたか。失礼しました。」


流石はクズ野郎だ。

空気を読み取って速攻逃げていきやがった。

ただルキウスが俺の名前を言っていたので、新人冒険者や行商人など数名ピンときていた。



国外追放……、リオ……!

そんな……。もしかして……?

じゃあ、あの人が?

嘘!?【皆の椅子】?


「おい!俺の2つ名を呼んだのは誰だ?

チッ。まだマシな方の2つ名か。そうか、お前達もそれなりの身分ということか。今回だけは殴らない。だがまた呼んでみろ。問答無用でぶっ飛ばすぞ?」


凄むと、起こした時の渋々納得していたのとは全然違い、全員が物凄い勢いで頷いていた。


その後は非常に楽だった。


地味女が急に大人くしなったり、副委員長が1撃で気絶したのもあり、新人冒険者達が拘束や見張りを代わってくれた。

自分達が眠っていた薬はミラ特性と言ったら喜んでいたりもしていた。その薬で頭がおかしくなったのかもしれない。


朝食の時にやたらとアピールしてくる奴を適当にあしらい、管理人夫婦には色々やらかしてしまったので、素直に謝るも「いえいえ、とても貴重な経験でした。帰って家族に自慢します。」と意味不明なことを言っていた。



こうして連続密室殺人事件は幕を閉じた。

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