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中年冒険者、家を買う。  作者: 小雅 たかみ
1棟目 ~始まりの元宿屋~
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第13話 娼婦から嫁へ

ディアナが家に来てから1ヶ月は本当に大変だった。


最初の2週間は、時々暴れては気絶したりするので皆で看病もした。

俺にとっては、愛する人なのであまり気にしてないが他の住人には関係ない。

それでもロンもミラもキエナも、誰も辛いとも言わず看病してくれてた。

特にキエナは見た目が近いからか一緒にお風呂へ入れたり、下の世話もなんの抵抗も無く介抱していた。


もしディアナだったらキエナに恋しちゃうんじゃないかとライバル心を燃やしそうになった程に。


その2週間が過ぎればディアナの心と体は段々と戻っていった。

1ヶ月もすればある程度の会話も出来、杖を必要としたが多少の距離ならば歩けるようにもなった程だ。


本当なら完全復活してからが良かったのだが、会話が出来るようになってしまえば、ディアナが『何故、私はココに居るのか?』と疑問に持つことは当然であり、事情を話さねばならない事も必然でありまして……。


結局、なし崩し的でかなり不格好になってしまったが、ディアナへプロポーズした。

最低な流れであった為、ビンタを貰い、そしてキスも貰い、受けてくれた。



そんな、『これから!』という感じのリオ家に突如あの番頭が駆け込んできた。


「旦那ー。あの客がまた来たっすー。」


あの客とはディアナに酷いことをした客だろう。

しかし、何故、家に報告に来たのか?

何故、家の場所を知っているのか?色んな疑問が湧き上がった。


「フォッフォッ。やっと来おったかぃ。待ちくたびれておったわ。」


「ヒッヒッヒッ。アタシもいくからねぇ。」


どうやら買い取り後の話しというのは、こういうことだったようだ。


流石にジジイが今でも性欲旺盛なのは、何か違うなぁと思ってたんだよな。

と、誰に言い訳するでもなく、気づいていましたよ?という体で疑問をごまかした。


そして、まさに悪役なセリフを吐いたロンとミラは、いつもより100倍悪い顔になっており、誰もが、今さっき駆け込んだ番頭すらもが、漏れなく全員ドン引きした。


『このジジイとババアの相手をするか?ワイバーン5体を倒すか?選べ。』

と言われれば間違いなく後者を即答で選び、かつ勝利する可能性が高いと思った。


しかし、番頭に人を背負って走る力は無さそうだ。

2人を背負のは難しいと伝えたのだか、なんとロンは魔法で浮遊できるそうだ。なんでもありだな。が、移動はそんなに早くは無いそうで。


結果的に先を走る番頭の後ろで、中年がババアを背負い走り、中年の肩に掴まって浮いているジジイが後からフワフワと続く、なんともシュールな光景となった。


着いたお店では、出あえー出あえー的な大捕物は無く、女の子も無事に間に合い、よく分からない爵位の貴族息子がジジイとババアにボッコボコにされるだけだった。


「こうしゃく」って声に出して言うとどっちか分からないよね。その癖、公と侯で身分全然違うし。あ、もしかして発音が違うのかな?と、ボッコボコの生現場を観戦しつつ、どうでも良いことを考えていた。


その後、冒険者ギルドでのやり取りで、どっかの貴族が家族丸ごと取り潰しとなったそうだと噂になってた。

詳しく聞いては絶対にいけないと思い、頑なにスルーすることにした。


そうしてリオ家にまた平和が訪れ、ディアナも順調に回復し、家に来てから2ヶ月で食堂のベッドを卒業した。


ということは、いつものアレ。俺の部屋移動も発生した。


ただし仮での移動であり、近い将来は何処かの2部屋をぶち抜き夫婦の部屋になる為、目から汗を流すことは無かった。

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