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9.緊急事態宣言、その対象地域を限定→全国とした意味は?

本日(2020年05月05日)の厚生労働省の新型コロナウィルス特設ページを見ると、入院を必要とする人数(+111名)に対して、退院した人数(+91名)と本日は入院治療を要する人のほうが多くなりました。一進一退、意識を緩められないというのはこのことからもわかるところでしょう。

 ※以下の表は厚生労働省の新型コロナウィルス特設ページのものです。


挿絵(By みてみん)


緊急事態宣言に対して、「想定外の長期化」などと銘打って煽ってる記事も見かけましたが、そもそも人との接触を8割削減が達成できれば1か月ほどで感染者を大きく減らせる、と「8割おじさん」こと西浦博教授も話しており、強制力がない日本の緊急事態宣言でそこまで行くのは、誰もが難しいだろう、と予想していた訳で、更に週毎に達成状況も提示しており、削減はできているものの、目標に届かないことはわかってました。

マスコミの記事のタイトル付けから悪意があちこちから感じられて、嫌な感じです。


でも、休業要請の中、店を開いているパチンコ店が、当然のように国民に配られた10万円を養分として貪欲に飲み込んでいく様子や、宣伝せずとも客が集まるなら資金回収に走るのは目に見えてるだろうに、殺到しているパチンコ中毒の客達が話す視野の狭い、自分しか見えてない発言などで、ヘイトを稼ぎまくっている状況と、このような国難の事態でも、煽り記事しか書かないマスコミが同じように見られることを理解できないんでしょうか。


外出自粛要請の時にマスコミの報道を知らない国民が大量に出たように、今ではSNSなどで簡単に様々な角度から意見が出て、記事の雑さがバレるというのに、自分達を取り巻く状況が見えてない……そんな気がします。





さて、今回の話題は、緊急事態宣言、その対象地域を限定→全国とした意味についです。


そもそも、EU各国で新型コロナウィルスの感染爆発が起きて、都市封鎖ロックダウンが行われて、日本も二週間後には感染爆発だ、都市封鎖ロックダウンをしろ、とマスコミがばんばん報道してました。

日本でもじりじりと感染者が増えており、クラスター対策だけでは抑えきれない傾向が見えてきていました。

 ※クラスター対策自体は中国でも行っているように、どのような状況でも

  感染を少しでも減らすために継続して行う必要のある施策です。

  感染クラスターを放置すれば、倍々算で感染者増ですから。


そのような中で、東京都の小池知事が、都の医療体制(集中治療室(ICU)のような高度なもの)が限界に近付いている、都市封鎖ロックダウンも必要と考えて欲しい、と都民に外出自粛要請を出しました。


実際、一時は集中治療室(ICU)がパンクした訳で、外出自粛要請をあのタイミングで行ったのはギリギリで、国の動きを待たず、率先して動いたのは英断だったと言えるでしょう。


外出自粛要請であって、日本では都市封鎖ロックダウンはそもそもできない、という話は流石にマスコミも報道を行い、国民が自主的に動かないと駄目、強制力はない、という理解も広まりました。


緊急事態宣言の中、河川敷で50人も人を集めてバーベキューを開催した輩が、「自粛要請ってどういうことっすか?」などと吹聴して、感染クラスターになろうとも気にしないなど、好き勝手言うのを放置しておくしかなかった、という苦々しい出来事は皆さんの記憶に新しいところでしょう。


そのような中で、感染者数も増えて、政府も遂に緊急事態宣言を出すことにしました。ただし、外出自粛を行う地域は限定して、です。


当時は、それでは甘い、全国で止めるべきだ、政府は命より経済を優先している等と、マスコミは大喜びで書きたててました。



……ですが、実際、地域限定で行ったことはベストな選択でした。

なぜでしょう?


1.経済を止める被害が大きい

 →新型コロナウィルスに感染すると低いとはいえ亡くなる可能性もあります。ですが、経済を止めればしばらくすれば確実に破綻して会社が潰れて自殺者が出ます。しかも潰れて死んだ状況は、経済を再開しても戻りません。政府は緊急事態宣言で止めることの経済被害(死者増)と、新型コロナウィルスの感染増による医療資源の枯渇について、バランスを見極めるという難しい舵取りを行う必要がありました。

 そして、経済を止めることの被害の大きさを、国民はステイホーム期間(GWの別名)になる頃にやっと現実感を持って理解してきました。


2.緊急事態宣言を超える策がない

 →国が出せるカードで最上位が緊急事態宣言です。強制力がないのに、それで駄目でも、次のカードがありません。なので地域限定でまず実施し、その際の行動制限の効果と、従わない輩がどの程度出るか、など実際の効果を図り、更にそれを国民に知らしめる意味がありました。

 実際、営業自粛が行われていない他県にパチンコをしに行く連中の自動車が列を為したり、営業がまだ行われている飲食店に移動をする輩が大量に出て、地域限定では効果が薄いどころか、他県への感染流出を後押ししかねないという現実を国民が知ることになりました。


3.地域ごとに温度差があった

 →営業自粛地域から困った連中がぞろぞろと他県に流出していく様をみて、ある程度の首長は「全国で一斉に営業自粛をしないと意味がない」という発言をして従いましたが、感染者が少ない一部の地域の首長は「全国一律で行う意味がわからない」などと言ってました。

 地域限定で実施して実状を周知してからですらこれです。更に感染者数が少なかった時期に、いきなり全国一律での自粛を実施すればどうなっていたでしょう? きっと地域ごとにバラバラに動くことになり、今よりもずっと感染者を抑える効果は落ちていたことでしょう。





このように、残念ながら、一部の人は全国一律の恐ろしさを知ってましたが、何よりも命が大事、政府はいくらでもお金を刷って将来に借金が山積みになろうとも、感染爆発防止を第一とせよ、などと大声でヒステリックに叫ぶ方々が多く、日本は法治国家であり、憲法では国民の私権を制限するような状況がなく、海外のように言うことを聞かない相手には、国が強制力を発揮することができない、それすら理解が広まるのに時間が必要でした。


マスコミも周知徹底を促すどころか、より過激な策を「感染予防にはまず大きく措置をして、それから絞るものだ」などと訳知り顔で言ってましたが、それは国民が国の両手が縛られていることも理解していることが前提です。


日本では何か行う場合、まず小さく行って周知徹底し、それから広げるというアプローチをとらないと、効果が出ない(強制力がないので)というのが現実なのです。そういう意味で、政府は色々と文句も言われており問題もありますが、概ね、上手く舵取りをしていると言えるでしょう。


<補足情報1>

ちなみに、このようにある意味、じれったい策を選択できるのも、日本の感染スピードが遅く、重症化する人の比率の低さがはっきりと出ており、EU諸国のように死者続出の非常事態と比べると、程遠い状態にあるからです。もし、これがエボラウィルスなどのように文字通り爆発的なペースで感染が広がり、そしてほとんどの人が助からず死んでいくような惨状に陥れば、場合によって該当地域を自衛隊で封鎖してでも、なんとか止めるしかなくなりますからね。

日本が他国と明らかに状況が違うことは、現時点でも説明できる理由が判明してませんが、現状は幸運だったと言えるでしょう。


<補足情報2>

WHOは権力はないものの、権威はありましたが、事務総長のテドロスのせいで、その権威も地に落ちましたね。もうちょっとマシな組織だと思っていただけに大変残念です。ユネスコもそうですが、ほんと昔に比べて権威がなくなりましたよね……。

テドロスがまだ首にならないあたり、自浄作用がない組織であることも露呈しました。状況が落ち着けば組織改革なども着手されることでしょう。

そのWHOが、当初、人→人感染は確認されてない、中国との交流を止めるのは下策だ、などと今から考えれば、噴飯ものの発言ばかりしており、そのせいで、新型コロナウィルスの世界的流行パンデミックを止められなかったのだ、という主張も出ています。

ですが、各国が都市封鎖ロックダウンしても感染者数増加の歯止めがなかなかかからない状況であり、無症状の人でも感染させるという特徴もあったことから、感染速度を1~2カ月程度遅らせる効果はあったとしても、結局は水面下で広がっていくのは防げなかった気がします。

注意している筈の空母艦隊(アメリカ、フランス)でも感染爆発が起きているのですから。今、感染者がいないと明言できるのは国際宇宙ステーションと、各国の潜水艦だけです。

そして、中国での感染爆発を対岸の火事と見ていたように、感染爆発まで時間があったとしても、それで矢継ぎ早に対策を打ち出して防げたか、というとそれは結果論というものでしょう。ここまでヤバいウィルスだとは誰も予想しておらず、船内で感染爆発が起きてから日本に寄港したダイヤモンドプリンセス号への対応を、コロナ培養器のようだ、などと揶揄してた程ですから。

……まぁ、それでもテドロスの顔が出るたびにイラつくくらいで、早く首にして、犯罪者として処罰して欲しい、とは思います。

米ゴールドジムが破産申請したそうです。「ダンベル何キロ持てる?」に出てくるシルバーマンジムの元ネタ、スポーツジムの最大手の筈ですが、三密でもあり、実際に感染クラスターともなったことから、営業が厳しくなったようです。驚きですね。残念ながら、スポーツジムと新型コロナウィルスの相性は最悪です。本来は健康増進にもなる良い施設なんですけどね……。

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さて、最後に宣伝です。
私も一つ連載小説を投稿してまして、
彼女を助けようと異世界に来たのに、彼女がいないってどーいうこと!?』になります。
よろしければご覧になってみてください。。

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