10.全国民への十万円支給。急ぐから申請した人に渡します。なんで申請がいるの?
10万円支給、手続きを終えた方って何人くらいいるんでしょう?(2020年05月06日現在で)
本日(2020年05月06日)の厚生労働省の新型コロナウィルス特設ページを見ると、入院を必要とする人数(-205名)に対して、退院した人数(+331名)と入院治療を要する方が大きく減り、退院された方が大きく伸びました。退院された皆様おめでとうございます。
※以下の表は厚生労働省の新型コロナウィルス特設ページのものです。
明日から、一部地域では店舗などに出していた営業自粛要請の解除が行われるということもあり、期待と不安が入り混じった皆さんの声があちこちで報道されていました。ここ一か月の自粛活動で、国民の中でも感染を防ぐための行動変容がある程度、身についてきたように思います。
それに、全家庭に2枚ずつ布マスクを配布することが決まり、実際、私のところにも届きましたが、そのおかげか、街中でもちらほら、本業と関係ない店ではありますが、使い捨てマスクの箱が山積みになって売られているのを見かけるようになり、政府の意図(マスク不足解消)に向けた動きも出てきてよい感じです。あるところにはあるんですねぇ。ほんと。
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さて、今回の話題は、全国民への10万円支給です。合計12兆円という膨大な予算を費やした策ですが、導入までには紆余曲折がありました。営業自粛要請をすれば、当然、企業の経営は危機に陥ります。手元の資金が三か月分あれば優良企業の扱いであり、日本の企業の99.7%は中小企業(そのうち、小企業は25%)、企業の内部留保が500兆円を超えたとも報道がありました。
内部留保が多過ぎとも避難されてましたが、今回のコロナに伴う営業自粛では、内部留保があればこそ、活動を大幅に抑えてもなんとか企業を維持できたと言えます。
内部留保の大半は0.3%の大企業が貯めこんでいるという話はありますけど。
日本の過剰と言われたCT機材といい、ドイツの集中治療室(ICU)といい、日本の内部留保といい、何が良いほうに転がるかはわかりませんよね。なんでも「平時に対する最適化」を行うことが良いのかどうか。今後は考えていく必要があるでしょう。
っと、話が少し横道に逸れましたね。
10万円支給はあくまでも企業支援ではなく、国民への支援、コロナ渦に耐え忍ぶ国民の生存を助けるため、という位置付けでした。企業支援のほうは都道府県などで各種の支援金、補助金、融資などがありますが、スピード感が鈍く経営層の皆様は大変苦労されており、頭の下がる思いです。
この支給、はじめは生活が厳しくなる層に対して、30万円を支給するという話でしたが、公明党や野党、マスコミなどの強い働きかけもあり、対象を絞らず全国民に対して10万円支給という方針に変わりました。このあたりの野党、マスコミの手のひら返しの酷さは11話で書きます。
上記30万円支給案は、生活が厳しくなる、という定義に該当するかどうかを判定する基準や手間がかなり面倒で、速度最優先にそぐわない内容でした。そういう意味で、公明党の強い働きかけはあったにせよ、自民党内で慎重論が多かった中、安倍総理が10万円支援を決定したのは英断だったと思います。
それで、10万円支給ですが、決まってすぐ、麻生閣下が「申請した人にすぐ支給する」という趣旨の発言をしたところ、時事通信、共同通信がお得意の1行切り取り報道を行い、Yahoo!ニュースなどでは、「全員というのになぜ申請したら、なんだ」とか、「全員じゃなかったのか」とか、「申請したら渡す、とはなんと上から目線か」などという脊髄反射コメントの乱舞となりました。
彼らの切り取り報道の手口は、長年、研鑽しているせいか、切れ味抜群ですね。
麻生閣下も舌下事件をよく起こしますが、正直にわかりやすく話しているだけで、切り取られる前の全文を読んだり、ほかのきちんと説明している報道をみれば、なんらおかしなことは話してなかったことがわかります。
というか、実際に支給も始まっており、10万円支給が決まった直後のマスコミの叩きまくりの報道とかも忘れている方も多いかもしれませんね。
支給のポイントは次の通りです。
1.国民全員に10万円支給を決定する。
2.何より速度を優先するため、マイナンバーと口座情報を紐づけて申請すればすぐ支給する。
3.マイナンバーカードがあれば「2」の手続きはネットでできる。
4.口座持ってないよ、という人は別途対応。
マイナンバーカード、ほとんど使い道がないと思い、作成してなかったんですが、今回ばかりは申請しておけばよかったと思われた方も多かったことでしょう。なにせネットで手続きすれば感染リスクを避けられますから。
それで、なんで政府は口座情報ください、と言うのか。
ここが重要なポイントです。政府は国民全員にマイナンバーを発行しましたが、異様に制限が加えられており、口座情報などとは紐づいていないんですよね。マスコミや野党の大合唱の結果、複数口座をすべて政府が把握するのは嫌だ、駄目だ、ということで、政府は知らないんです。
ですから、マイナンバーに直結する口座情報があれば、そこにお金を振り込んで終了なんですが、その程度のことすらできないのが実情です。
そして、政府側から正しく国民全員に何か配るというのは、年金情報の配布で大混乱が生じたように、とても時間も手間がかかり、短期間で行うことはできません。
今回の10万円支給は、仕事が止まると手元の資金がなくなり生きていけない、そんな人を助けるためなのですから、何より重要なのはスピードです。
ちなみに、銀行とかで本人確認をして10万円の現金支給なんてのは論外です。
全銀行間で、マイナンバーをキーとして誰にいつ支給したか管理する仕組み、情報共有するシステムがなくてはなりませんが、そんなものはありません。短期間でも作れません。
何より、銀行に人が殺到しては、三密状態を作り出すことになって本末転倒です。
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それと、緊急でお金を必要とする人は、国民全体に比べればかなり少数であることは間違いありません。毎月、自転車操業をしているようなご家庭が、例えば全体の10%あったとしても、残り90%はすぐでなくてもいい。そうなれば、手続きの手間は最終的に全員だとしても、まずは10%で済みますからね。これも速度Upのためには重要です。
簡単な処理も沢山集まれば大変になる、いかに全体数を減らすのか、医療崩壊を防ごうとする現状の流れと同様、ピークの山をなだらかに期間を長く変えることが大切です。
というわけで、ちゃんと説明している報道も一部に合った通り、今回、政府は支給のために、ほぼ最適解と言える施策を行ったといえるでしょう。そもそも全員に配る必要があったのかとか、10万円じゃ足りない、延期したのだから次の矢も出さないと、など意見はいろいろ出ていますが、速度最優先な以上、仕組みはシンプルですぐ手続きする人数(件数)は少ないのがベストです。
まぁ、12兆円を一か月で蒸発させる策ですから、いずれ個人国債とかの形で、国民にお金を貸して貰わなくてはなりません。イタリアとかでも言われているように、コロナ債という形をとるかもしれませんね。
無料で金が貰えるのではなく、今すぐ必要だからと、未来から借りてきた金です。
……そんな大切なお金なのに、パチンコの養分となって1日で蒸発していったのは、もの悲しいものがありましたね。まぁ、そんな阿呆な使い方というか貢ぎ方をする国民は極々一部でしょうけど。
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総括すると、マイナンバーという仕組みは、独裁政権に繋がる、管理社会に繋がる、国民の生活が丸裸にされるなどと、見せたくないこと山盛りな野党やマスコミの皆さんの扇動もあり、制限だらけで使い勝手が悪く、政府が国民にすぐお金を渡す、その程度のことにすら使えません。
そんな制限かけまくり、政府の手を縛り付けておきながら、支給が遅いとか、申請すれば金を渡すとは上から目線だ、などと文句をいうのは、酷く滑稽ですらあります。
そんな制限だらけの中、政府は何より速度優先で国民の生活を支えようとした、そのことは評価しましょう。平時に準備しておかなくては、緊急時に動ける筈もなし、それが現実です。
<補足情報>
各家庭でネット環境(機材含む)の違いがあり、オンライン教育で差が出てしまう、だから導入しない。
なんか、変ですよね。下に合わせるのではなく、本来は上に合わせるよう、環境のない家庭に対しては、ネットワーク契約や勉強用のタブレットやパソコンを提供する支援をするのが王道でしょう。
お金を渡すと、別のことに使ってしまう馬鹿親が出てくると思うので、あくまでも現物支給、サービス提供で。一部のNPOは支援しているようですが、国としての動きが見えないのは残念です。
ちなみに学生は2019年時点で290万人。全員に3年ネットワーク契約、パソコン支給(合計約40万円と仮定)しても、1兆円ちょいあればできてしまう策です。実際には、用意できない家庭に限定すれば、その1割もあれば行けると思うんですがどうでしょう? 同一家庭なら回線契約は1つで済みますし。
そう考えると、全員10万円、合計12兆円というのがどれだけ膨大な額かわかりますね。
今回の世界的流行騒ぎ中で、ぜひ書いておきたいと思った話題の一つが、今回の「全国民への10万円支給」でした。本当なら、納税額と収入を管理できていれば、生活がピンチになる層だけにピンポイントに支給して、たぶん、12兆円などという膨大な額はその数%もあれば十分だったと思います。
<ショック……>
執筆に使っているパソコンがWindows Update実行後起動しなくなってしまいました。更新プログラムの削除もできず、セーフモード以外では起動しないという惨状です。
幸い、外部SSDにバックアップは取れたので、データが失われるということはありませんが、執筆できる環境の再構築に少し苦戦しそうです。正常に動いている時点での復旧ポイントを作成とかしておけばよかったんですが、後の祭り。
初期状態に戻すと、Windows7に戻ってしまい、しかもWindows10に更新する媒体もないし、無料Update期間でもないから、多分、初期状態復元からの復旧は無理。
残念です。2010年のパソコンなので長持ちしたほうとは思いますが、前日までさくさく動いていただけに起動しない=壊れた、となかなか納得しがたい気分です。