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プロローグ

まず最初に思ったのは、家族や友人達に何て言ったらいいだろうってことだった。

「9年付き合った彼氏と別れた」

「また違う人を探してみようと思って」

「全く後悔はないの」

そのどれもが今の私の心からの言葉だったが、客観的に聞くと負け惜しみしているような、哀愁の漂う言葉だと思った。


まるで自分が、こんな恋愛ドラマの主人公の様な状況に置かれるなんて考えてもいなかった。

幹也とは、大学3年になる春休みから付き合って、もう9年になる。こんなにも長く付き合ったのは、幹也と結婚したかったからだし、こんなにも長く付き合ったのに結婚しなかったのは、幹也が私と結婚したくなかったからだ。

そのシンプルな矛盾に、私はもうずっと前に気付いていたけれど、それでも20代後半の私は、その答えに気付いていないように振る舞って、そして悲しくなって別れた。

新しい職場にも慣れて、新居にも慣れて、もう大丈夫だと思った5月のゴールデンウイーク最終日。

よく晴れた日だった。

「私、婚活するね」


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