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忌み子、のんびりパワフル世界救済(1000年ぶり2回目)  作者: 憩葱助
第一章:アルボスティアの少年少女
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1-1 森の掃除1

始まりました。第一章序盤は説明成分が多く進行がゆっくりです。

のんびり読んでいただければ幸いです。


◆前回のあらすじ


転生したけどやっぱ目は見えんし耳は聞こえんなぁ……

 小屋を出た私たちは早速中距離探知魔法を展開し、出発地点から最寄の街の方角に目星をつけていた。

 感知できた魔力の質からしておそらく小規模な人族(ニンゲン)の里だろう。人族は識字も対話も比較的達者なので、とりあえずそこで現代の情報を収集しておきたい。

 ついでに、人族は料理上手が多いのでうまくいけば美味しい食事にありつけるかもしれない。

 

 さぁ拠点予定地が見えたのだから飛行魔法でさっさと森を抜けてしまおう。

 ベルが私の台(蘇生・転生魔法の核となるもの)を安置していた小屋モドキはちょうど山から扇状に広がる森の角近くの奥まった場所にあったようだが、木々を越えて空を飛んでしまえば直線距離で容易に森を抜けられる。そう思っていたのだが……

 

 「ちょっとこれは多くない? “散熱線弾(バラ・バーンレイ)”!」

 

 「ホントですよ ったくコイツら……ふっ! ……本当にゴキブリみたい……オラァ!!」

 

 ベルの声には分かりやすく怒気が混じっている。

 私が宙からひっきりなしに散弾状に形状変換した光熱線の攻撃魔法を放ちまくる傍ら、ベルは比較的近くに(うごめ)く“奴ら”を、光を(まと)った剣でズバズバと切り捨てていた。


 ベルは奴らの数の多さを指して“ゴキブリ”と例えたのだろうが、数だけではない。まさしくゴキブリを思わす嫌悪感を煽る黒い体色が視界の端々で蠢く。

 加えてこの星に存在するあらゆる生き物の“なり損ない”のような、どこか欠如していたりどこか不自然に変形していたりと、奴らはとにかく不気味な造形をしている。

 奴らは私たちで言うこの世界における“魔物”だ。


 探知魔法にひっかかったのは人里だけではなかった。


 この星には数多の生き物が存在する。

 そして全ての生き物はその存在を魔素によって構築されている。


 ごく一部の上位種族とこの星の監視者たる八人の竜王たちを除いて、ほぼ全ての種族は魔素で構築された肉体に固有魔素である魂が宿り、その魂を核として魔力を肉体に巡らすことで生命活動を維持している。

 しかし魔物はそんなこの星の生命の理から外れたイレギュラーな存在だ。

 

 この世界に魔物が初めて確認されたのは前世の私が生まれるより少し前に遡る。

 

 “人妖交雑”と呼ばれる世界の一大事が起こった(のち)、魔法を手にした人族が他種族の侵略を開始し、上辺の平和な時代から争いの世に変遷(へんせん)したときのことだ。

 人族が手にかけた多くの他種族だけでなく、人族も他種族との抗争の中で多くの命を落とした。

 そんな戦乱の世に生きた多くの人々は常に奪われる恐怖に怯え、怒り、生きながらにして地獄のような日々を送っていたという。

 そんな人々の強く暗い思念は黒色の魔力の膨大な奔流(ほんりゅう)となって空を覆っていった。

 そしてちょうどそれと同時期に闇より黒く不気味な体躯をした異形が世界各地で大量に発生していた。

 奴らはその他の多くの生き物とは違いその体は魔素で構築されたものではなく、黒い魔力が集合して一個体として具現化した風船のような作りをしている。

 そんなナリなので、私やベルにしてみれば今こうして軽々と駆逐(くちく)しているように、奴らは風船と同様に“(もろ)い”。


 しかし多くの種族にとってそうではなかった。


 特に(たち)が悪いのはその魔力の邪悪さだ。

 魔物単体の魔力は多くの種族にとって脅威となるレベルの量ではないが、その魔力が(はら)むドス黒く濃密な負のエネルギーは、怯え、怒り、悲しむ人々の心の隙間を突くように、触れた者の命を容易に奪っていくのだ。

 強い魔力を持ち魔力感知・識別に長けた種は当時の世界の状況から、それらの異形は人々の黒い感情が具現化して生まれたものであるとして、他の生き物と区別し邪悪の眷属たる“魔物”という忌み名を与えた。


 そんな魔物がその他の生き物と決定的に違うのは、奴らが魂を持たない存在であるということだ。

 

 つまり人々は当初、魔物に決定的な死を与える(すべ)を持っていなかったのだ。


―――――


[魔法]


バラ・バーンレイ(散熱線弾)


属性:光-熱・蒸・溶


光の属性魔法『レイ』をより小型かつ殺傷能力に特化する形で改良したエコ魔法

『バーンレイ』をさらに散弾状に改良したもの。

少ない魔力で高い殺傷能力を誇る。対“魔物”掃討戦でより効果を発揮する。


標準攻撃力:500~2000

消費MP:2~10 / 弾

発動難度:S

属性補正:25% / 100%

指向属性:収束、貫通、散弾


―――――


[魔法指向性添加]


特定の魔法に指向性を加えることで、魔法の発動形状を変えることができる。


光属性『レイ』…光の単一収束指向性魔法。端的に言うと光線。


光属性『バーンレイ』…光熱線。レイをより凝縮することで、貫通指向を持つ熱線とする。


光属性『バラ・バーンレイ』…散熱線弾。バーンレイに散弾指向『バラ』を添加することで、光熱線を散弾状に放つ。

 

・参考

通常の攻撃魔導師のバラは平均5、6弾

アイリのバラは30弾

次回分は明日更新予定です。

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