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忌み子、のんびりパワフル世界救済(1000年ぶり2回目)  作者: 憩葱助
第一章:アルボスティアの少年少女
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1-9 人族のルール4

◆前回のあらすじ


何で蘇生魔法が使える?って言われても使えるもんは使えるしなぁ……

 「あんたら、聖教会の司祭じゃないよな」

 

 一連のやり取りを傍から見ていた戦士風の少年が声を上げる。

 

 「装飾が違うし、何よりゴブリンに蘇生魔法を使うなんてご法度(はっと)のはずだ ……だが聖職者でもない奴が蘇生魔法なんて扱えるのがそもそもおかしい 本当に何者なんだ?」

 

 そもそも聖職者とは特に習得の難しい光の属性魔法に特化し修練する人族の魔導師を区別するための呼び名であって、それ以外の種族は聖職者という概念を持たない。ただの光の魔法が使える魔導師だ。私もベルも聖職者として光の魔法を習得したわけではないので、人族の定めた聖職者の修練過程や決まりごとなど当然知る(よし)もない。

 

 「今の人族の聖職者って、聖職とか言う割に人族以外の種族には何も施さないものなの?」 

 

 そう問い返すと、

 

 「だから、そもそも何で“マモノ”を助ける必要があるんだよ 人族に仇なす種族だぞ お前らも人族だったら分かるだろ」

 

 それがさも当然と思っているような口ぶりでカイルは言ってのけた。

 

 さっきの様子を見た感じだと人族がゴブリンに一方的に仇なしてたように見えたのだが。

 

 今この世界の空は混沌に覆われていない。

 ベルもこの一〇〇〇年の間に世界で大規模な戦争はなかったと言った。

 そんな中で私たちが見た魔物の大軍にこの人族一行の言動……そうでなければいいと切に願っていた嫌な予感が的中しているのかもしれない。

 

 「つまり人族にとって人族以外の種族は敵であって“マモノ”であって、討つべき存在である、と ……そういうことかな?」

 

 人族一行は一瞬逡巡(しゅんじゅん)したような素振りを見せるが、ただ一人ハッキリと頷いたカイルに倣うように続いて頷いていく。

 

 「はぁ……」

 

 思わず盛大なため息をつく。

 

 「……まぁ、人族は今どこに行ってもこんな感じですよ」

 

 ベルも渋い顔でため息をつく。

 なるほど目覚め頭のベルの口ぶりに苦労が(にじ)み出ていたが、こういうことか。

 どこに行ってもこんな感じ……何だか考えると頭が痛くなってくる。

 

 「……じゃあさ、私とベルも人族じゃないんだけど、君たちは私たちを討つかい?」

 

 言うと例によってカイルは剣を構えるが、戦士がそれを(いさ)める。

 

 「……私たちじゃ敵わない 何よりあなたたちが人間じゃないようには見えない 人間じゃないって言うなら、その証拠を見せて」

 

 それまで後ろに控えていた魔導師風の少女―――確か“ウルハ”とか言ったかな?が米粒大の魔石がはめ込まれたタグ状のプレートを出す。

 

 「“ウィンドウ”という魔道具の一種です 何でも、かざした対象の力量を数値化して視ることができるとか」

 

 何の魔道具かと問おうと思ったところでベルが割り入って説明する。

 力量を数値化……感知魔法を付与した魔道具だろうか?わざわざ力量を数値で見なければいけない理由がよくわからないが。

 

 「それ、私たちには使わない方がいいですよ 壊れますから」

 

 続くベルの忠告にウルハは顔をしかめた。

 

 「壊れる? そんなの聞いたことないですよ……やましいことがないならそんな言い訳しないで見せてください」

 

 ウルハはベルに向けてタグを(かざ)すが

 

 パキン


 小気味のいい音を立ててはめ込まれていた魔石が割れた。

 

 「はぁ!?」

 

 ベルの忠告通りの展開になる。

 はめ込まれていた魔石は極小に削りだされたもののようだ。恐らくあのタグは量産品で、大方ベルが対象ではあの小さな魔石が感知し転写できる魔力のキャパシティを超えていてああなるのだろう。

 

 「そのタグ、ちょっと貸りていい?」

 

 訊ねると、何が起こったか分からないという顔をしたウルハは恐る恐るタグを寄越す。


 タグに魔力を通わし付与された魔法の構築を解析する。

 予想通り感知と空間転写……数値化の仕組みは魔石が吸着する魔力の密度から概算する。であればベルの魔力量に耐えうる媒介があればいい。

 

 「ベル、ちょっとミスリルソード(ルミナス)貸りていい?」

 

 「どうぞ」

 

 ベルは刀身が丸々希少魔鉱石で打たれた剣を鞘から抜きこちらに寄越す。

 人族一行は先ほどの一瞬ではその透き通るような刀身を気に留める余裕もなかったのだろう。その明らかに半端な金属とは風の違う剣の煌きに目を見張っている。特に私たちに一番敵意を向けていたカイルも剣士として惹かれるものがあるのか、ルミナスを興味深げに凝視している。

 

 「こういう感じかな?」

 

 ルミナスの切先をベルの方に向け読み取った魔方陣を転写展開すると、刀身の上に文字の羅列が表示される。


―――――

 

◆ベル・メイデン

上級精霊 性別:♀ ランク:SS

Lv.67 / 89

HP 54000 / 54000 / 123000

MP 66000 / 66000 / 144000

職業:剣闘士、聖職者、聖剣士

属性:光、竜王の加護-氷


スキル

魔力感知 B+ / A

魔力操作 B+ / A

魔力識別 B+ / A

物理耐性 A

魔法耐性 S

武纏(U) A / S、

竜王の加護 C / A

竜殻 C / A

剣技 S

体術 A

隠密 A

基礎魔法 A+ / S

属性魔法 A+ / S

凍結魔法(U) B / A

調薬 S

料理 S


ステータス

・調和不良


―――――

 





―――――


参考


◆現代の一般的な冒険者

人族 性別:♂♀ ランク:G~D(トップクラスでCとかB)

Lv. ~15(現代の人族の多くは30くらいで頭打ち)

HP ~1500(現代の人間の多くは3000くらいで頭打ち)

MP ~2000(現代の人間の多くは4000くらいで頭打ち)

職業:大体単一ジョブ

属性:一つ習得できればいい方(「使える」と「体系を習得する」は別)

次回分は週明け月曜日更新予定です。

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