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作者: コノア

私は思っていることをあまり表に出さない人間だった。笑ったり泣いたりはする。そういう、溢れるものは抑えられない。けれど、悲しいや嬉しい、楽しみなんかを表すことはなかった。

私は自分を理解してほしい一面、人に知られることを恐れた。家族であっても、友達であっても、弱味を握られることを恐れた。友達のことを信じてはいたし、好きだったが、本当に思っていることを伝えたことはない。いつ、裏切られるか分からないから。母に一度、本当に思っていることを伝えたことがある。それは後日、説教の材料として使われた。私は家族を信用しなくなった。人を、他人を信用しなくなった。「本当」は弱味で、人に知られると自分に不利でしかないという考えは、その時証明され確定した。その説教の頃から、私は病んでいった。医者に診断された訳ではないが、あれは病んでいると言えるだろう。ただただ悲しくて、毎晩一人でこっそり泣いた。知られないように。辛かった。それが正しいとわかっていながら、できないしやらない私が嫌いで仕方がなかった。

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