世紀末…っぽい何かです
俺たちが歩いていると帝国の軍団らしき集団が見えてきた、ザッと見た感じ2000は下らない数の集団だ。
「お〜壮観やね〜」
カレンが呑気な口調でその軍団を眺めていた。
「まぁ、数だけはな〜」
俺も釣られて呑気な口調で答える。
「しかし…独特な格好ですね…」
「まぁ…確かに…」
マリアが呟いた言葉に俺も思わず同意する。
目の前の軍団は黒色の革ジャン革パンに肩には棘の付いた肩パットそれに頭はトサカの様なモヒカン頭で正に何処の世紀末から来たんだ?って格好をしている。
俺たちの目の前でその軍団が止まり1人の男が出てきた。
「なんだ〜てめぇら?何処の者だ?」
頭のトサカを揺らしながらメンチきって喋る男に俺は笑顔で答える。
「俺たち?俺たちは…冒険者さ」
「冒険者〜?んで?その冒険者が俺たち帝王軍の前に立って何のつもりだぁ〜?」
何が可笑しいのかニヤニヤしながらトサカの男は俺に尋ねてくる。
「帝王軍?騎士団じゃ無く?」
目の前の男だけじゃなくその後ろの男達もゲラゲラ笑う。
「騎士団なんて古い古い、今は帝王軍こそ最強の軍だぜぇ〜」
「ふ〜ん、最強ね…何が違うんだ?」
俺が尋ねると目の前のトサカの男は嬉しそうに背中から火縄銃の様なものを取り出した。
「こいつだよ、帝王軍だけが持つ事を許された銃ってもんよ!こいつはスゲ〜んだぜ!こんなふうにな!」
トサカの男は銃口を俺に向けて引き金を引く、ドンッと言う音が鳴り銃弾が発射された。
俺は右手に持っている剣で咄嗟にテニスのレシーブの様に発射された弾を打ち返した。
すると、打ち返した弾はそのままトサカ男の眉間を貫通して遥か彼方に飛んで行った。
「は?」
トサカ男の背後にいる他のトサカ男達は惚けた顔で俺と目の前のトサカ男を見ている。
「こいつはもう…死んでいる?」
俺が目の前のトサカ男をトンッと軽く足で押すとバタンとそのまま仰向けに倒れた。
「まぁ…自業自得って事で」
俺が笑顔でそう言うと他のトサカ男達が惚けた状態から戻ってきた様で全員が俺に銃を向けて発砲した。
俺は向かって来る弾丸を見切り一発一発を確実に撃った相手の脳天に打ち返す。
「これも…ヘッドショットって言うのかな?」
発砲音がなくなると立っているのは俺だけになり周りの死体を見ながらそう呟いた。
「さてと…それじゃあ殺りますか」
俺は肩に右手の剣を乗せて歩き出す、今倒したトサカ達も10人程でまだまだ敵はいる。
「奴隷だ!奴隷達を前に出せ!」
俺に仲間を殺されてトサカ男達は慌ててそう叫ぶと首輪を付けたボロボロのポンチョの様な服を着た男女がまるで肉の壁の様に並べられた。
「なるほど…盾か…」
俺がそう呟くとマリアが心配そうな顔で見てくるので俺は笑顔でマリアの頭を撫でながら。
「そう心配するな、奴隷達は傷を付けずにあのトサカ共だけ殺せばいい」
安心させる様に囁いた。
俺は嫁さん達の方に振り返って尋ねる。
「今回はあの奴隷達は生かしたまま帝王軍とやらだけ殺そうと思う…できるか?」
「「「はい!」」」
「じゃっ行くか!」
俺とマリアとカレンは空中を蹴りながら空を駆ける、ネルは闇魔法で俺の影の中に入っている。
俺たちが空から強襲するとトサカ達は鳩が豆鉄砲食らった様な顔をして呆然として動けない様だ。
「オラオラオラァ!止まってると死ぬぜ!」
動きが止まったトサカ達を両手の剣で次々斬り捨てる。
「ふふふふ♪」
マリアは妖艶な笑顔で確実に首を刈っていくマリアが通った後には首がない死体が道の様に並んでいる。
「ほらほら〜避けへんと死ぬで〜♪」
カレンは独楽の様にくるくると回りながら斧の刃では無く腹で叩いている。
しかも、叩いた相手は叩かれた部分がまるで爆発した様に弾けとぶ…まさにスプラッターな光景だ。
カレンが通った後は血と肉片が海の様に溜まっていた。
「3人相手に何してやがる!さっさと潰しやがれ!!」
指揮官らしきトサカが叫ぶ。
「「「ヒャッハー!!」」」
周りのトサカが一斉に襲ってくる。
「はっ!手間が省けた、さっさと来い!」
それから、俺たちは斬って斬って斬りまくった、魔法を使えば簡単に倒せるんだがついつい剣だけで戦ってしまい1時間程で帝王軍は全て斬り捨てて立っているのは俺たちと奴隷達だけになった。




