リンの決意(上)
今回はご指摘頂きましたリンに関する話を入れてみました。
私は山田 凛17歳の高校2年生です、昨日ユウお兄ちゃんと結婚して名前がリン・シンドーになりました♪
いきなり過ぎるって?そんな事無いんです!だって…この想いはあの頃から変わっていないんだから。
私が初めてユウお兄ちゃんと会ったのは4年前…私が中学1年生の時…私が居た孤児院が国の援助が打ち切られ経営難でこのままだと孤児院が潰れるって近所の人に聞いた私は孤児院に居た子供達を連れて募金集めに出掛けました。
私達は一生懸命頑張りました…時には嫌な事を言われたりしたけど、それでも諦めず頑張ったけど募金は全然集まらなくて…その時の私は焦っていたんだと思います。
私がその頃孤児院で1番年上だったから、孤児院のみんなと別れて1人で募金集めをしていた時、間違っていつも院長先生から絶対行ってはいけないと言われていた裏通りに迷い込んでしまいました。
私がその事に気付いたのは大分奥に入った頃でした。
「…どうしよう…帰らなきゃ院長先生に怒られちゃう!」
でも、初めて来た場所です…当然帰り道なんてわかりません、私が帰り道が分からず焦りながら歩き回っていると。
「お嬢ちゃん、迷子かな?」
でっぷりと良く太ったおじさんが話しかけて来ました。
「はぁはぁ…おじさんが家まで送ってあげるよ…はぁはぁ」
そのおじさんは気持ち悪い笑みを浮かべながら私の腕を掴もうとしました、私は咄嗟に手を引いて逃げようとしました…でもそんな私の抵抗は意味もなく簡単に捕まってしまいました。
「いや!誰か…助けて…」
私は必死に暴れようとしました…でも力で私みたいな子供が大人の男性に勝てる訳も無く抱えられてもうダメ…って思って諦めかけた時。
「おい!お前…何してんだ?」
私の背後から別の男性の声がしました、諦めかけていた私は最後のチャンスと思って必死に叫びました。
「助けて!お願い助けて!攫われる!」
私が叫ぶと私を抱えていたおじさんは青い顔をして私を地面に降ろしました。
「人聞きの悪い事言うなよ!」
おじさんはそう叫びながら走って逃げて行きました。
「まったく…それで?君は何でこんな所に?」
その男性は倒れている私を持ち上げて立たせてくれて私の服に付いたゴミを手で払いながら私に話しかけて来ました。
私は今までの事をその男性に話しました…その男性は別にスゴくカッコイイって訳じゃないんだけど近くに居ると何だかスゴく安心するから、つい孤児院の事についても話してしまった…するとその男性は。
「よし、なら早く帰らなきゃな…行くぞ」
その男性は神道 優っていう名前で貿易関係のお仕事をしているらしいです。
私はその男性をユウお兄ちゃんと呼ぶ事にしました。
最初、ユウおじさんって呼んだら膝から崩れ落ちてorzの体勢になってしまい可哀想だったからユウお兄ちゃんに変えました。
それから…手を繋いで2人で歩きながら孤児院まで送って貰いました。
孤児院に着くとユウお兄ちゃんは院長先生と話があるって言って孤児院の院長室に行って院長先生と何か話し込んでいましたが、暫くすると2人はニコニコしながら出てきて私達を集めて院長先生が説明しました。
「今回この方が私達の孤児院に寄付していただいたのでもう経営は大丈夫になりました…皆さんお礼を言いましょう」
「「「ありがとうございました!」」」
子供達と一緒に私もお礼を言いました。
それからは、本当に幸せな生活でした…今迄お金の関係で使えなかったエアコンやシャワーなんかも気兼ね無く使えてご飯もお腹いっぱい美味しいものを食べられる。
しかも、たまにユウお兄ちゃんが来てくれる日はいろいろな物を買ってきてプレゼントしてくれます。
そんな幸せな日々が2年程が経って私は高校生になった、中学の卒業式にユウお兄ちゃんが来てくれてスゴく嬉しくて…でもその後ユウお兄ちゃんは1度も孤児院にも来てくれなくて寂しくなった…。
それからさらに2年程経ってユウお兄ちゃんが来ない日々に慣れ始めた頃それは起こった。
私が学校の教室に入り席に着いた途端急に足元が光り出して私は光に包まれた。
光が無くなると私は絨毯の上に横たわっていた私が体を起こすと目の前でクラスの男子の1人が鎧を着た男性に掴みかかって斬り捨てられた所だった。
私は余りの光景に唖然としていると背後から首に皮の首輪の様な物を巻かれて抱え上げられた。
私が混乱していると私を抱えた男性は牢屋みたいな場所に私を運んで放り投げた。
それから、多分1週間くらいその場所で過ごした。
その間何が何だか分から無かったので食事を持って来る男性に話しかけた、すると何が気に入らないのかその男性は私をいきなり殴った。
私が驚いているとその男性は。
「汚らわしい奴隷風情が!俺に話しかけて来るんじゃない!」
と言って部屋を出て行った…私の食事を持ったまま…その日は空腹を我慢して過ごしその後も事ある毎に殴られ蹴られた。
そうして1週間後もう抵抗する気力も無くなった私は男性の言われるがまま樽を背負わされて何日も歩かされた。
そして、たどり着いた場所でまさかの再会を果たしました。
背中の樽の導火線に火が点けられた時樽の中身が何なのか理解しました…理解して私がこれで楽になれる…ともう完全に諦めた時上空からバレーボールぐらいの水の球が降り注ぎました。
降り注いだ水のおかげで爆死する事は無くなりましたが水の球が当たった衝撃で私は気絶してしまいました。
私が気絶から目覚めると私は誰かに抱き抱えられていました。
「誰?」




