マリア、キレる
私はマリア・シンドー最高の旦那様ユウ・シンドーの妻で服飾師をしています。
今日はカレンと一緒に買い物に来ています。
カレンも同じユウ・シンドーの妻で料理が私より上手です。
本人も料理が好きでシンドー家の料理を担当しています。
私ですか?私は服飾関係担当ですが何か?
「あ、この野菜珍しいな〜買いやな!」
カレンが次々と野菜を買っていきます。
「コレとコレと…オッちゃん、全部で幾らや?」
「銀貨一枚だ」
野菜だけで銀貨一枚は高過ぎると思うんですけど…。
「オッちゃん、高いで〜まけて〜な」
「しょうがないな…じゃあコレ、オマケしとくからそれで勘弁な」
店主が野菜を1つカレンに渡した。
「お!おおきに〜♪言うてみるもんやな〜また寄らせてもらうで〜♪」
「ありがとうございました」
野菜屋から少し離れた所で私はカレンに注意する。
「カレン、買いすぎじゃない?野菜だけで銀貨一枚は使い過ぎよ」
「ええやん、買い物は一期一会や見つけたら買わな!」
カレンは胸を張って自信満々に私に言う。
「それに、マリアやって珍しい布がある言うたら迷わず買うやろ?それと同じや!」
「まぁ、確かに…」
いつも見つけたらすぐ買っちゃうから反論できない…。
その後も2人で買い物を楽しんでいたらカレンが急に。
「ん?何か来るで、数も多い」
「何かって何が?」
「…来た!アレや!」
カレンが空を見上げ指差すとその方向から大量のワイバーンが飛んできた。
「あれは、竜騎士やな…」
「竜騎士!という事は帝国が攻めて来たの!」
竜騎士は帝国のみが持っている帝国最強の騎士で空中からの一方的な攻撃は無慈悲の一言、竜騎士がここに来たという事は多分侵略戦争の始まりだ。
竜騎士は王都の上空に止まり何かを次々と落としていった。
落ちていく物を見るとそれは樽に火が点いた紐が付いていた。
樽が地面に落ちた瞬間、爆発が起こった、一回一回はそこまで大きな爆発じゃなかったけど数が多い。
私達はそれを避けながら家に向かう。
家にはここ数日の間に作った服を陰干ししてるから心配だ。
家に辿り着いた私達は唖然とした、家のあった場所にあったのは瓦礫の山だったから…。
「う…うそ…」
「マリア、ここに家あったよね?違う場所じゃないよね…」
カレンがそんな事を言うけど間違いようが無い、だって瓦礫の中に辛うじて原型をとどめている織物機は私達の旦那様が作ってくれた織物機なんだもの。
「……許さない…絶対に!」
「マ…マリア?」
「滅殺します!」
私達の愛の巣を壊しただけでなく私が作った服や旦那様が作ってくれた織物機まで壊すなんて生かしておく必要無いですよね?
私は【無限収納】から使い慣れた双剣を取り出し上空に跳び上がり魔力で足場を作り空中に立つ。
「この羽虫共が!1匹たりとも生かしてはおきません!滅殺DETH!」
私は空中を走り最初の1匹をすれ違いざまに斬り伏せます。
「まずは1匹」
「あっちゃ〜マリア完全にキレてるわ、まぁウチもムカつくから止めへんし混ざるけどね〜」
私が周りの羽虫(竜騎士)を斬り伏せているとカレンも空中を走りながら斧でぶった斬っていく。
暫くすると周りの羽虫(竜騎士)は全て退治したがまだまだ王都の上空に湧いていた。
「マリア、二手に分かれへん?数が多くて面倒や」
「そうですね…ただし逃さないでよカレン」
「任せとき!マリアこそ1匹も逃したらあかんで〜」
「当然よ!では…いきます!」
私達は次々と一方的に羽虫(竜騎士)を斬り伏せ時には風の刃で遠くの羽虫を斬り捨て1時間もすると王都の上空にいるのは私とカレンの2人だけになった。
「う〜ん、スッキリしたわ〜♪せやけどこれからどないしよう、マリア?」
「取り敢えず私達の旦那様に連絡しましょうか」
「せやね♪」
私達は地上に降り立ち通信で旦那様に連絡しました。
『あなた、今王都が襲撃を受けました』
『ウチらは無事やで』
『うん』
『襲撃して来たのは竜騎士、多分帝国の軍勢です』
『しかもなんか火のついた樽をいっぱい降らせてきてその樽が爆発したんや』
『うん』
『家も壊されて瓦礫しか残ってません…ごめんなさい』
『ごめんなさい』
『わかった、お前達が無事ならいい』
念話が切れたので私達はこれからの事については旦那様が帰って来てから考える事にして取り敢えず瓦礫に埋もれた家財道具のサルベージを行った。




