テンプレの予感です
「っと!ちょっとまって話す前に安全のために、【隔離結界】」
周りの景色が森の中から、草原に一変した。
【隔離結界】の内部環境は時間も景色も術者の思い通りに変えられて、今回はマリアの緊張を解す為に人が一番リラックスし易い環境を選んだ。
「な、何ですか!急に景色が変わりましたけど!」
マリアが慌てた様子で周りの景色を見回す。
「これは、俺の魔法さ。ここなら俺達以外何もいないからゆっくりと話せるよ」
俺はマリアが怖がらない様に優しく説明した。
「シンドー様は魔法が使えるのですね」
「こんなのもあるよ。《魔法の家》!」
俺は【無限収納】から《魔法の家》を取り出した。
《魔法の家》は見た目はログハウスだが中身は魔導具が惜しげも無く使われていて自動の風呂やシステムキッチンなどがあり日本にいた時と変わらない便利な生活ができる広さも見た目は小さいが中身は10人くらいが生活出来るだけの広さになっている。
「さあ、入って」
俺はドアを開けてマリアを中に入るよう誘う。
「お邪魔します。すごい広くて綺麗、中と外が別の家みたい…」
「あぁ、そこのソファーに座ってね、じゃあゆっくりでいいから今までの経緯を話してくれないかい?」
「ご、ごめんなさい。それでは…」
マリアの話を要約するとこうだった。
・自分は奴隷で詳しくは分からないがオークの集落を殲滅する為にこの森に来たこと。
・オークの集落を殲滅するために騎士が約50人、奴隷が60人ほどの戦力でむかったこと。
・オークの数が多過ぎて撤退したこと。
・奴隷は囮として撤退中の殿をさせられたこと。
・撤退中にワイバーンが襲って来て騎士達に見捨てられたこと。
これが今までのマリア達の経緯らしい。
流石は奴隷、どの世界でも真っ先に切り捨てられるな。
「辛いことを話してくれて、ありがとう」
「いえ、私の命の恩人ですから。あらためて助けていただきありがとうございます」
マリアは深々と頭を下げる。
「とりあえず服もボロボロのだし身体も血だらけだからお風呂に入りなよ」
「い、いえ。奴隷の身分でそんな贅沢な…」
「女をそんな血だらけでいさせる趣味は俺にはない。風呂の入り方は教えるから入りなさい!」
「わ、わかりました」
渋々頷いているようだが目には喜びの感情が見える。
「風呂はこっちだ、ついてきて」
マリアは一度お辞儀をしてからついて来た。
「まずは…シャワーがコレね、赤いバーを上にあげるとお湯が出るよ。青いバーは水ね」
「はい」
「次は…白いボトルこれはシャンプーで青いボトルがトリートメントで黄色いボトルがボディーソープだよ、この頭を押し下げると中身が出るから」
試しにポンプを押して中身を出して見せる。
「あの、しゃんぷーって何ですか?」
「あぁ、こっちには無いのかな?シャンプーは髪用の石鹸だよ」
「分かりました、ではトリートメントとは?」
「髪を洗った後につける髪をサラサラにして綺麗に見せるものだよ。後ボディーソープは身体を洗う為の石鹸だよ」
「わ、分かりました」
「湯船は解るね?」
「は、はい」
「風呂場の隣が脱衣所だから上がったらここにあるタオルで拭いて、こっちにあるバスローブを着て来てね」
「じゃあ、ごゆっくり」
俺は風呂場から出た。