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5度目の異世界は…  作者: ゆう
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家ゲットです

あれから数日がたった。

俺はこの数日図書館には行かずマリア達と買い物や物作りをして過ごした。

マリアが織物機を欲しがったがジョージのギルドにあった様な魔物の糸を織れる様な物が売ってなく、しょうがないから俺が作る事にした。

売ってある織物機の中で1番マリアが使い良さそうな物を買い、それをバラして1つ1つの部品を《ミスリル》と《神製鋼》を使て作る。

《神製鋼》だけで作ると重くなり過ぎてマリアが使いにくいだろうと思ったからだ。

完成した織物機を試しにマリアが使ってみた所、予想以上に使い易かったらしく、その夜のサービスが凄かった…まぁ、次の日魔物を狩りに行って素材を集めたのは予定調和、仕方のない事だった。



今日は、遂に下贈される家が決まった様で宿に文官っぽい服装をした人物が来て一枚の紙と鍵を渡された。


その紙には、家の場所と、下贈された証明として、王のサインと印鑑が押されていた。


俺たちは紙に書かれていた場所に向かう。


「どんな家だろうな〜」


「出来れば大きい家が良いですね♪」


「せやな〜お店も開ける所やったら尚ええな〜♪」


俺たちは期待に胸を膨らませつつ街を歩く。

グラは、ここ最近森の方に出掛けて魔物の素材採取に出ている。


暫く歩いていると目的の物件に着いた。

下贈された物件は石造りの二階建てで豪華と言うよりも質実剛健な印象を受けた。

場所も平民街の人が多い場所に建っていて俺たちには使いやすい場所だった。


俺たちは渡されていた鍵で玄関の鍵を開けて中に入る。

家の中は家具などは一切なく、がらんとしていた。

掃除だけはされているらしく、埃が積もっているなんて事はない。


「家具が何もありませんね…」


「まぁ、ええんちゃう?ウチらで好きにしてええって事で」


マリアとカレンが部屋を見回りながら喋っていた。

部屋は一階に居間と食堂それにパーティ会場の様な広間があり、驚いたのは浴室がある事だった。

浴室と言っても広い部屋の真ん中に石造りの風呂釜が置いてあるだけの物だが。


マリアとカレンが部屋を決めたみたいで【無限収納】から買った家具を出して部屋を作っていた。


俺も二階の真ん中にある1番広い部屋に行き特注して作った10人乗っても大丈夫!な見た目のベットを置いた、この部屋にはそれ以外何も置かない様にした。

実際、部屋の大きさ的に何も置けないんだが…。


俺がベットを置いて部屋の外に出るとマリアとカレンも部屋作りは終わった様で俺の所に集まって来た。


「よし!とりあえず、食堂に行ってみるか?」


「「は〜い」」


俺たちは階段を降りて食堂に向かった。

食堂は広めに作られていて大人数で食事ができる様になっていた。

調理場も数人で調理ができる様に広めで焼き釜があり、パンなどを大量に焼ける様に大きめだった。

中も大事に使われていた様で使い込まれているが、傷んでいる所は無い。

俺は【無限収納】からカセットコンロの様な形の《魔導コンロ》を取り出し設置した。


「ユウ、それ何なん?」


「これか?そう言えばカレンには見せた事無かったっけこれはな、《魔導コンロ》って言う魔導具だよ、ここに手を触れると…ほら」


ボッ!と言う音が鳴りコンロの真ん中から火が出る。


「おぉ〜!凄いやん!これならわざわざ火を起こさんでもええんや!」


「これからは、コレで美味い飯を作ってくれよ」


俺はカレンの頭を撫でながら笑顔で言う。


それから暫く家の中を3人で色々改造していると、玄関のドアをノックする音が聞こえた。


「ん?誰だ?」


「誰でしょう?」


「誰でも良いやん、ウチが出てくる〜」


カレンがトットットと走って玄関に向かった。

俺とマリアはカレンの後に続いて行く。


「は〜い、どちらさま?」


カレンがドアを開けながら尋ねる。


「お久しぶりです!教官殿!」


「お〜、ケビンどうした?」


来客はケビンだった。

カレンがドアを開けるとケビンが気を付けの姿勢で立っていた。


「まぁ、入れ」


俺が家の中に入る様に促すと。


「はっ!失礼します!」


ケビンを居間に案内して席に着かせる。

マリアがスッとお茶を出す、ケビンは一礼してから一口お茶をすする。


「で?今日はどうしたんだ?遊びに来たわけじゃないんだろう?」


「はっ!本日は教官殿を王宮にお連れする様に言付かって来ました!」


「そうか…わかった行こう!マリアとカレンは残って家の事頼むな〜」


俺はマリアとカレンに家の事を任せてケビンと王宮に向かった。


王宮に着くと、謁見の間では無く会議室に通された会議室には真ん中に大きめの長机があり、椅子が並んでいる、俺はケビンに促され席に着く。


俺が席に着き少し待つと、ガタイの良い男が部屋に入ってきた。


「やあ、君がユウ・シンドー君かな?」


「あ…あぁそうだが?」


俺は身構える、その声に聞き覚えがあるからだ。


「私はセリーヌ・トライ・パスト、パスト王国の第3王女だ宜しく」


「あぁ…よろしく」


俺を呼んだのは彼女の様だ、正直今すぐ逃げたいが、ケビンに情け無い格好は教官として見せられない。


俺は覚悟を決めて佇まいをなおすと、背中に冷や汗を流しながら王女に向き直る。

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