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5度目の異世界は…  作者: ゆう
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マリアとデート

次の日、今日はマリアとのデートだ。

今更ながら初のデートだと言う事に順番を間違えてんな〜と思う事もあるが、これまでバタバタしていたのでしょうがないと気持ちを切り替えてデートに臨む。


初デートと言う事で、初めてはやっぱり、待ち合わせをするのが様式美と言うかテンプレだと思い、宿を別々に出て待ち合わせ場所に向かう。


宿は、流石にギルドのあの部屋ずっと寝泊まりするのもあんまりなので、前回泊まっていた宿の部屋が空いていたので同じ部屋に3人で泊まっている。


待ち合わせ場所は前に騎士達が集まっていた中央の広場で広場のど真ん中に初代セントジョージ辺境伯の石像が飾ってある、その正面だ。


先に俺が宿を出て待ち合わせ場所でマリアを待つ。

やはり、待ち合わせは男が先に来て待つのが常識だろう。

昨今の日本では違うかもしれないが35歳、昭和からトレンディな平成初期を生きてきた人間からするとやはり、譲れないものがある。


しばらく待っていると、マリアが歩いて来た。


「お待たせしましたか?」


「いや、今来た所だよ」


これも最早、定型文!だがそれがいい!

歩いて来たマリアの格好は一番最初に作ったワンピースに手を加えたものだった。

青いシンプルなワンピースだった物が所々に白い生地が使われてボディーラインが出やすいデザインに変わっている。

ボディーラインが出る事により、マリアの金髪とメリハリボディーが強調され、普段見慣れている俺でも目を奪われる。


「そのワンピース、この街に来て初めて作ったやつだよね?作り変えたの?」


「はい、似合いませんか?」


マリアが上目遣いに聞いてくる。


「凄く似合ってるよ、似合いすぎて見惚れてしまったよ」

(あ、あざとい!だが…可愛いは正義!なので無問題!)


「……///、ありがとうございます///」


「……どういたしまして///」


思わず、お互い顔を赤くするが、俺は自分の行動がまるで初恋の人とのデートみたいだな…と胸をときめかせる。


「じゃあ、行こうか?」


と言いながら、俺は左手を差し出す。


「……はい///」


マリアは、返事をしながら俺の手を取った。


それから、マリアを連れて街の西門前に移動する。

西門前には午前中だけだが行商人達が市を開いている。

市に出ている商品は多種多様で雑貨や小物から家畜まで様々な物が並んでいる。


「へ〜初めて来たけど賑わってるな〜」


「そうですね〜多分この街で一番賑わってるんじゃ無いですか?」


俺とマリアはこの市に来たのは初めてで、って言うのも普段、買い物するのも午後なので単純に時間が合わなかっただけなのだが。


「へ〜色々あるな〜」


「色々ありますね〜、あっ…あのお店見ても良いですか?」


2人で市の中をブラブラしているとマリアが気になる店を見つけた様だ。


「あぁ、いいよ」


特に問題も無いのでマリアが見つけた店に寄る。

どうやら、アクセサリーのお店の様だ。


「見せてもらっていいですか?」


マリアが訊ねると。


「どうぞ、見るだけじゃなくて買ってくれると嬉しいけどね、お嬢さん」


店の多分店主だろうマリアより若干背の高い女性の商人が応待する。


「へ〜色んなデザインの物があるんだな」


並べてあったのは銀製のシルバーアクセサリーだった。

俺が物珍しそうに見ていると、商人は俺に気付いたらしく、話しかけて来た。


「兄さん、えらい色男だね〜このお嬢さんは兄さんのコレかい?」


そう言いなが商人は小指を立てて見せた。

それを見た俺は、こっちの世界でもこう言う場合小指を立てるのか…と妙な所で感慨に耽ってしまった。


「あぁ、妻だ」


俺は笑顔で答える。


「……っ///、なるほど、確かにこれなら簡単に落ちるわ///」


商人は頬を染めながら小声で何か言っていたが、周りの喧騒が酷く俺には何も聞こえなかった。


マリアは暫くシルバーアクセサリーを手に取って色々見ていたが、2つ程手に取っているが決まら無い様で迷っていた。


「どうしたの?」


「いえ、コレなんですが…」


マリアが迷っていたのは一つはネックレス、もう一つはブレスレットだった。


「じゃあ、2つ共買えばいいじゃないか」


「え…良いんですか?」


「良いよそれぐらい」


マリアが選んでいたネックレスは、シンプルなシルバーの鎖が3本重なった造りで、1本ずつに別けられる様になっていて、ブレスレットは銀を厚めにしてシンプルに造られている。

どうやら、マリアはシンプルなデザインが好きな様だ。


「この2つお願いします」


マリアが商人に持っているアクセサリーを渡す。


「あいよ!しかし、いいね〜お嬢さん、いい男捕まえたね!2つで銀貨50枚だよ!」


「……はい///」


マリアが赤くなっている横で俺がお代を払う。

俺は銀貨が50枚も手持ちに無かったので金貨を1枚差し出す。


「はい、お釣りの銀貨50枚ね!ありがとうございました〜!」


俺とマリアはその後、色んな店をまわって他にも色々な小物などを買ったが、1番カネを使ったのはやはり、生地だったのは仕方の無い事だろう。


午前中は、市を見て回り、昼食は近くの食堂で摂る。

食堂にしたのは、オシャレなカフェがこの街には無かったからだ。

その食堂にしたのは、雰囲気は上品とまではいかないが客も冒険者などの荒くれ者では無く、家族連れのほのぼのとした雰囲気で、落ち着いて食べられそうだからだ。


「いらっしゃいませ!2名様ですか?」


「あぁ、空いてるかい?」


「奥の御席へどうぞ」


店員に促されて俺たちは指定された席に移動する。

席に着いてメニューを2人で眺めていると、先程の店員が近付いてきた。


「ご注文はお決まりですか?」


俺たちは初めて来た店なので、頼むメニューは決まっている。


「「オススメで、お願いします」」


2人でハモってしまったが店員さんも特に気にしてい無いので、スルーした。


「畏まりました、少々お待ちください」


店員さんが下がり料理を待つ間マリアが先程、市で買ったシルバーのネックレスを取り出した。


「はい!」


3本の内の1本を俺に渡してきた。


「ん?どうした?」


そう、俺が訊ねると、マリアはネックレスに俺がマリアに最初に渡した金の指輪を取り出し、ネックレスに指輪を通して、自分の首に付けた。


「なるほど、分かった」


俺も同じ様にしてネックレスを付ける。


「あと一つはカレンの分か?」


「そうです、やっぱり3人一緒が良いですし」


マリアが微笑みながらネックレスを見ている。

俺はホッコリなりながら、そんなマリアを見ていた。


それから、暫くして料理が運ばれて来たので2人で昼食を摂った。

料理は、炒め物とサラダとスープ後はパンというメニューで流石オススメと言うだけありなかなか美味しかった。


昼食後、食堂を出た俺たちは、ギルドに向かった。


実は市で生地を買っている時に商人から、気になる情報を聞いたため、マリアがギルドのあの部屋に行きたいと言ったからだ。


その情報と言うのが、ある地方での話なんだが、なんでもその地方では、魔物から糸を取っているらしい。


そのやり方は、特に難しい事もなく、高純度の魔水に魔物の肉を入れて魔法の火で長時間煮込むと言うものだった。


高純度の魔水がそこでしか作れ無いらしく、他の地方ではその糸は作れ無いらしい。

しかし、俺なら魔神水を作れるのでその問題は解決する。


それから夕方迄の時間は糸を作る事に没頭した。


結果だけ言うと、糸を作る事には成功した。

昔、風呂として使っていたドラム缶があったのでその中に使って無かったワイバーンの肉を入れて魔神水を流し込み、魔法で煮込む。


暫く煮込んでいると、肉が溶け出し繊維が出てきた、更に煮込むと完全に肉が溶け出し繊維だけになった。


その後、暫く様子を見ていると溶け出した肉や魔神水を吸い込み繭の様な糸の塊になった。

これに喜んだマリアが糸を取り出して確かめるためにナイフを押し当て見るが全く傷一つつか無い。

俺も確認する為に目に神気を集めて見てみた。


ーーーーーーーーーー

竜糸


耐刃、耐火、耐衝、耐腐性に優れた糸、この糸で造られた物はかなりの防御性能を誇る。

ーーーーーーーーーー


いきなり作れた事に気を良くした俺は、調子に乗って何時間も作ってしまった。


作業を終えて宿に帰る途中で、午前中はデートっぽくなっていたと思うけど、午後は完全にいつも通りの製作活動だった、不安に思った俺はマリアにこんなデートで良かったのか聞いてみた。するとマリアは。


「良いんです!寧ろあなたが旦那様で本当に良かったと思っているんですよ」


「そうか?」


「そうですよ。だって、こんなにカッコよくて私と趣味が合って同じ様に同じ物を見れる…こんな人いません!」


「そ…そうか///、ありがとう///」


マリアに真剣な顔で言われてつい、照れてしまった。


「じゃあ、これからもよろしくねマリア」


「はい、こちらこそ」


マリアが微笑みながら言う。


「さぁ、帰ろうか!」


俺は踵を返し宿に向かおうとする。


「待って!あなた、忘れ物よ!」


「ん?何?」


俺が振り返ると、マリアが抱きついて唇にキスをして来た。


「……っん…っん…っん」


2人でゆっくり確かめ合う様なキスをして俺たちは宿に戻った。


その夜、マリアが積極的だったのは言うまでもない……。


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