レッツクリエイト!2〜防具編〜
「マリア、デザインはできた?」
俺がそう、尋ねるとマリアが笑顔で。
「はい!これです!」
と言ってデザインを描いたコピー用紙を渡してきた。
「こ…これ?」
「ダメですか?」
「いや、ダメじゃないけど、コレはびっくりだ…メイド服とは…」
(コレは俺の記憶を見た時に覚えたんだろうな〜しかもロングスカートの本格的な奴とは…わかってらっしゃる)
「コレなら中に皮を使えばかなりの防御力を見込めます!」
「確かに…なら、色はどうする?」
「カレンの物は赤に、私の物は青にお願いします」
「あぁ、分ったよ。でもとりあえずもう遅いから夕食にしよう」
「そうですね、では準備しますからカレンを読んできてください、あなた」
「了解了解〜」
俺がカレンを呼びに移動すると、まだカレンは汗を流してトレーニングしている。
「カレン〜、夕食だぞ〜」
ビュッ!ブンッ!ピタ!
「ホンマ!もうお腹ペコペコやわ〜」
カレンはタオルで汗を拭き、2人で移動する。
「夕食の前に風呂に入るか?」
「え?ええのん?でも街中であの結界って使ってええん?」
「いや、作業場に大きな桶があるからその中に湯を張るよ」
(《隔離結界》は便利だけど街中で使うと不自然なんだよな〜、住所不定になるし)
「それでも、ムッチャ嬉しいわ〜♪」
「じゃあ準備するから、ちょっと待ってな」
「は〜い」
それから俺は鍛冶に使っていた桶を水洗いしてお湯を張る。
この世界では風呂に入る習慣はない為ここには風呂は付いてない、トイレはぼっとん便所があるが。
そして一応、誰が入ってきてもいいように認識阻害の結界を張っておく。
「風呂の用意出来たぞ〜!早く入りな〜」
「は〜い」「はい」
返事をしながらマリアとカレンが俺の背中に抱き付いて来た。
「?どうした?」
「「一緒に入りましょう♪」」
と、嬉しいお誘いがあった、俺は当然一緒に入り、3人でイチャイチャした。
その後、風呂から上がった俺たちは、夕食を済ませ、ベットを【無限収納】から取り出しその日は疲れていたからか3人共すぐに眠りについた。
次の日、朝から朝食を済ませた俺たち防具作りを行う。
「まずは、カレンの防具からだな!」
カレンの防具は、赤色と言うリクエストなので使う素材は、武器と同じオーガの皮を鞣して重ねるその時間に魔神水を塗りながら重ねて5枚の皮を重ね一番上にブラットオーガの皮が来るようにする。
そのまま数分置いていると、全ての皮がくっ付いた様で、その皮を持ってマリアが使っている服飾用の作業場に行く。
作業場には、皮を鞣す時に使う頑丈そうな台がありそこに、持って来た皮を裏返しに乗せて、上から熱したコテを押し付ける。
コテの見た目は家庭用のアイロンで皮に押し付けると、…ジュウ…ジュウという音がしてゴムが焼ける様な匂いがしながら全体にコテをかけていく。
コテをかけ終わると皮の厚みが10㎝程あったのが1㎝程まで圧縮され、しなやかで強度の高い皮になる。
その皮を使いカレンのチャイナドレスを作っていく。
通常の糸や針では強度が足りずダメなので余った皮を細く裂いて糸の代わりに使い、針は前に作った《神製鋼の針》を使い縫っていく。
《神製鋼の針》は投擲用の武器として作ったから普通の針より太いが、糸に使っているものも太いので丁度いい。
それから1時間程チクチク縫ってカレンのチャイナドレスが完成した。
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紅鬼姫
鬼の皮を何枚も重ねて作った事により耐衝撃、防刃性能は鬼の一撃をも防ぐ程高い。
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「うん!上出来!昼前には終わったな!」
カレンに出来たチャイナドレスを渡して着て貰い微調整をする。
「どう?違和感ある?」
「特にないよ〜軽くて柔らかくて動き易いしシッポ穴も付いててバッチリや!」
「そうか、なら後はこの革ジャン羽織って」
「これどうしたん?」
「前に狩ったワイバーンの皮で作ったから防御力もそこそこあるし軽いよ」
「うん!ええやん!ありがとうな♪」
「どういたしまして」
皮のチャイナドレスに革ジャン、そして斧、小さなカレンには、アンバランスだが本人が良いと言ってるし良いんだろう。
余った皮でマリアが指抜けのグローブとブーツを作っていたらしくそれを身に付けたカレンは走って闘技場に行ってしまった。
本人曰く性能テストらしい。
斧を背中に掛ける為のショルダー掛けは時間がある時に作ろう。
「さあ、次はマリアのメイド服だ!」
俺は気合いを入れてマリアの防具作りに取り掛かる、マリアのリクエストの青色の生地は防具として使えるのは、牙王の毛皮くらいだ、しかし牙王の毛皮だけでは防御力が低くなる。
そこで皮の裏地に《神銀》で作った鎖帷子を使い防御力を上げる事を思い付き鉱山で拾ってきた《ミスリル鉱石》と《神の精製炉》を【無限収納】から取り出し《神銀》を作った。
ここまでは順調だったが鎖帷子は鎖を作らなければならない訳で小さな輪っかを一個一個作っていくのは、かなり根気がいる。
しかも、服の裏地にする為には一個の輪っかが1㎜〜2㎜の大きさにしなければならない。
昼過ぎてもその作業は終わらず夜まで掛かってなんとか終わらせた。
「終わった〜疲れた…」
「お疲れ様…///」
どうやらマリアは隣でずっと見ていたらしい、集中しすぎて気付かなかった。
「私の為に遅くまでありがとうございます…///」
「可愛い嫁さんの為だ!幾らでも頑張るさ!」
俺が笑顔でそう言うと、マリアはお盆を取り出し隣に小さめのテーブルを出してその上に置き。
「……///、お夜食置いときますね!」
マリアが動揺して赤くなる、お盆に乗っている夜食はおにぎりのようだ。
「あぁ、ありがとう」
俺はマリアが持って来たおにぎりを齧る。
「うん!うまい!」
中には具も無く塩のみのおにぎりだがそれが逆に握る人の思いが伝わって来るようだ。
「マリアもカレンも先に寝てて良いよ、まだ掛かりそうだから」
「そんなに急がなくても…」
「せっかくだから明日には装備を揃えて3人で特訓したいしね」
「分かりました、でも、くれぐれも無理はしないでくださいね」
マリアは心配そうな顔をしてベットに入った。
「さて、それじゃっもう一踏ん張り頑張りますか!」
それからは、順調に作業を進めて、牙王の毛皮の毛を取り除く、すると綺麗な藍色の皮になる。
取り除いた毛を用意していた魔神水に浸け込みかわのほうは鞣して採寸して切り取る。
そして鎖帷子を皮の裏地に合わせてその上に先程、魔神水に浸け込んだ牙王の毛を乗せてコテを使って毛を溶かしシルクの様な手触りの裏地になることで《神銀》の鎖帷子を挟めて接着する。
裏地が接着したのを確認して全体にを《神銀》の鎖を繋いでいきメイド服が出来上がった、繋ぎ目に《神銀》の鎖を使っているから表面の皮が斬られても《神銀》の鎖でほとんどの攻撃は防げる。
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神製のメイド服
生地に《神銀》が使われていてその防御性能は竜の牙でも傷が付かない。
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「やっちまったか?ま、まあ大丈夫だろう!嫁さんが傷付かない様にするのは旦那の仕事だし、大丈夫大丈夫!」
「…まぁ、マリアが着てみてからだな……ふぁっ〜寝よ寝よ、起きてから考えよう」
その日はそのまま寝て考えるのを止めた。
そして、次の日の朝
「私……竜を狩るんですか?」
と聞かれたのは仕方がないことだと思う。
「仕方なかったんだ!作ってる時はいいのが出来ると思って集中しすぎてやり過ぎたんだよ」
「まぁ、性能が良すぎて文句を言うなんて贅沢やと思うで、ユウのウチらに対する愛の証やん!」
カレンがフォローしてくれて助かったがその後。
「まぁでも、物だけじゃ無く今から2日分頑張ってもらおっか?なぁマリア?」
「そ〜ね〜、ちゃんと行為でも示して下さいね?」
「イ…イエス!マム!」
その後昼近くまで俺たちは愛を確かめ合った。




