レッツ クリエイト!
次の日俺たちは、昨日の闘技場の奥の部屋に来ていた。
昨日は何色も生地を買って帰った。
マリアにねだられるままに買った結果金貨5枚程になった。
だが、後悔は無い!その日の夜のサービスが凄かった…ゲフンゲフン、だけでは無いがやはり嫁には綺麗な服を着て貰わないと、俺の目の保養的に。
その後鍛冶屋にも寄ってこの世界の鍛治のレベルがどの程度かを見て回った。
こっちの鍛治は基本火を使わないみたいだ、っと言うのも基本的に金属を使わないで魔物の骨や牙や角などの素材を使い魔水と言う魔力の入った水に浸けて素材が魔水を吸収して柔らかくなってから削って剣等の武器に加工するみたいだ。
鍛冶屋の人間に金属は使わないのか?と聞いてみたら「金属は錆びるから使い勝手が悪い!」らしい、これなら金属は山で取り放題だな、っと思ったら金属の中でも加工が楽で綺麗で錆びない金や銀や銅は価値があるらしい。
また、ミスリルやオリハルコンは偽銀や偽金と言われて硬すぎて加工できないので金属の中でも最も価値が低いらしい。
鉱山に行けばタダで貰えるそうだ。
鉱山はジョージの街の北側の山にあるらしいので今度マリアと行ってみようと思う。
「さてと、まずは何から作ろうか?」
俺がマリアに尋ねるとマリアは元気よく…。
「服を作りましょう!」
っと提案してきた。
まぁ確かにマリアの勘を取り戻す為には丁度いいだろう。
「じゃあマリアは服を作って勘を取り戻してくれ」
「はい♪」
「じゃあ俺は、昨日見た鍛冶屋のやり方で武器を作ってみるか」
「は〜い♪」
マリアが作業台の方に嬉しそうに歩いて行く。
それを見送りながら、俺も鍛治の設備の方に歩いて行く。
昨日、なんで炉が無いのか疑問に思っていたが鍛冶屋に行って理解したので、魔水を作って鍛治をすることにした。
魔水は、水に魔力を流し込む事で出来るらしい。入った魔力の量に応じて水の色が黒ずんでいくらしい。
俺は作業場にある直径5メートルくらいの大きい桶に水を入れていく。
昨日来た時は焼き入れ用かと思っていたが俺の勘違いだった。
桶に水を張り終わり水の中に手を入れて魔力を流し込んだ。
魔力を流し込んでいくと、徐々に水が黒ずんできて最終的にコールタールの様な真っ黒でトロトロの水になった。
昨日鍛治屋で見た魔水は水に墨汁を少し垂らしたくらいの色だったからチョット心配になったので、タブレットを取り出し撮ってみた。
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魔神水
魔力と神気が水に混ざり合った水。
これで鍛治をすると全て最高品質になる。
魔剣を作製する為の必須材料。
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…あれ?
なんか違う物になったな。
ってか魔剣って…どうしよう、心踊る。
「でも他の素材が分からんな…。まぁ取り敢えず何か入れてみるか」
「ん〜まぁワイバーンの骨でいいか」
【無限収納】からワイバーンの骨を適当に取り出し桶の中に入れる。
桶の中に骨を入れて放置して見ていると、何となく魔石を入たくなったのでついでに放り込んだ。
多分俺の《生産神》としての勘だと思う。
そのまま桶を放置してマリアの作業台に行ってみる。
「順調か?」
「はい♪今回は取り敢えず一着作ってます♪楽しみにしててきださいね♪」
「あぁ楽しみにしてる」
その後、俺は自分の作業場に戻った。
それから、桶の中を覗いて見ると水が無くなり骨が柔らかくなっていることを確認して取り出す。
石の台の上に骨を乗せ鍛冶屋では削っていたが俺はハンマーで叩いて作る事にする。
鍛冶と言えばやはり叩いて作ると言うイメージがあるからだ。
カーンカーンと音が鳴り剣の形になっていく。
今回は片刃の双剣だ、マリアの場合体重が軽いから片手剣だと重心がブレやすいしマリアは両利きなので双剣の方がいい。
マリアに訊いたところ、こちらの世界では服飾師は子供の頃に訓練をして両利きにするらしい。
そんな訳でマリアのメイン武器は双剣に決まったんだか、俺の持っている神剣だと剣を持った事も無い人間には扱いきれ無いので、今打っている。
打つ度に中の水分が飛び出し水浸しになりながらも打つ手を休ませず一心不乱に打つ。
それから1時間程に打って、ついに完成した。
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双魔剣 風切り
魔力を込めると風を纏う。
風の魔力により対象を切り裂く刃を飛ばす事ができる。
威力は使用者の魔力に依存する。
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…出来ちゃったよ。
《生産神》っぱね〜、最初に持たせるのが魔剣ってどうなんだろう。まぁ、完全にオーバースペックだけどしょうがないよね。
「よし!取り敢えず出来たけど、マリアの方がまだみたいだし、余った素材でなんか作るか」
まだ半分以上余っている素材で今度は昨日壊したジルのポールアックスでも作るか。
それからまた1時間程ハンマーを振るいポールアックスを完成させた。
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亜竜のポールアックス
亜竜の素材でできたポールアックス。
魔力を込めると風の力で切れ味が増す。
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…あれ?
さっきのを見たからかなんかショボいな。
まぁこれなら幾らかで売っても良いだろう。
マリアの方も終わったみたいだ。
新しく作った服はワンピースの様だ、青い生地が使われていてマリアの金髪と良く合う。
「如何ですか?」
マリアは俺の目の前でクルッと回転する。
「似合ってるよ」
と俺が答えると、嬉しそうに。
「ありがとうございます♪」
「これがマリアの武器だよ、取り敢えずだけどね」
「ありがとうございます、今から剣の修行ですか?」
「あぁ、昼飯食べたら訓練をしよう!」
「はい、用意しますね」
それから昼食後、訓練を始めた。
勿論マリアは着替えて皮パンとTシャツになっている。
「まずは、基礎訓練だ俺と一緒に闘技場を一周してみよう」
「はい!」
「では、始め!」
俺はチョット本気で走ってみたがマリアは全く同じペースで付いてきた。
多分半神になったからその影響で身体能力も跳ね上がっているんだろう息ひとつ乱してない。
「身体能力の方は問題無いみたいだな…なら、剣術の訓練をしよう」
「その剣を抜いてかかって来い!」
それから何時間も剣を打ち合い夕方まで訓練をした。
それから宿に帰り夕食を食べ汚れた身体をお湯で拭き、夜の訓練も流石にマリアも疲れていた様なので1回戦で終了した。