プロローグ
やっと書けた…!
「もう疲れた…。」
俺は街の路地裏で座り込む。
身体はもう殆ど動かない。
どうやら身体の限界が近いようだ。
まぁ今まで散々無理をさせて来たからよく持った方だろう。
その原因は"異世界"まぁ所謂、異世界召喚ってヤツだ。
その異世界に4度も召喚されて今帰って来た所だ。
「のど乾いた…。」
異世界で手に入れたスキル無限収納から3度目の召喚から帰って来た時に買い溜めしていた缶ビールを一本出した。
「うわ!」
俺は手に力が入らず缶ビールを取り落とした。
「マジでツイてね〜」
笑えるよなぁ……世界を4度救う為に戦って戦って戦い抜いた、その結果が缶ビール一本マトモに持てない身体になるなんてな。
「世の中世知辛いよな〜」
俺は空を見上げながら呟いた。
「取り敢えず缶の蓋開けよう。手が使えないんじゃ仕方ない!《魔操術》」
《魔操術》は魔力で物や身体なんかを無理矢理動かす技術でスキルでは無い。
俺は《魔操術》で缶のプルタブを開ける。
プシュ…!ゴクッゴクッゴクッ!
「プハー!生き返る〜(^∇^)っても身体は動かないけどな!」
「は〜虚しい」
自然とため息が漏れる。
「もうどうでもいいや!明日考えよう!」
魔操術で身体を無理矢理動かして起きようとした瞬間足下に見慣れた光景があった。
「マジかよ…」
真っ白な光りを放つ魔法陣が足下でさらに輝きを放ってその光に包まれた。
☆☆☆
「また此処か」
「初めましてかのぅ?」
「あゝあんたは初めましてだな」
光りが収まると俺はもうお馴染みの真っ白な空間にいた。
「流石に場慣れしとるのぅ」
「流石に5度目だからなぁ」
俺は5度目だか毎回違う人物がいるから誰が居ても余り驚かない。
寧ろ今回は分かりやすいのが来たな〜ぐらいの感覚だ。
「儂は神である!」
「だろうな、如何にもって感じだし」
「まぁ今更だから驚くとは思ってないがのぅ。じゃが儂は主神じゃぞ!もう少し大きいリアクションとっても良くないかのぅ」
「無理だろ流石に、毎回相手が違っても5回目だぞ?」
「まぁしょうがないのぅ、今回はお詫びも兼ねておるからのぅ」
「お詫び?」
「実はのぅ、お主が何度も召喚されたのは一部の神の戯れで娯楽として召喚されておったんじゃ」
「おいおい幾ら何でもそりゃぁあんまりだろ!」
流石にこれはキレて良いだろう!俺の人生をなんだと思っているんだ!
「憤るのはもっともじゃ!済まなかった!」
目の前の白髪老人が頭を下げる。
「お主の世界のゲームの感覚でお主を転移させておったんじゃ」
「もうチョット早く気付いて欲しかったな…」
「お主が4度目の世界から帰るときに奴等を見つけてのぅやっと捕まえたんじゃ!」
「奴等捕まえたのか!」
俺は前のめりになる
「あゝ奴等は全ての力を奪いゴブリンに転生させたぞ」
「ははは、マジかよ、くっはは〜、あんなに偉そうに命令してた奴等がゴブリンって……ぷっ…ははは、ハラ痛て〜」
「少しは気が晴れたかのぅ」
「あはは、は〜確かにな…でもそれだけのために俺を呼んだんじゃないんだろう?」
「実は少し困った事になってのぅ」
「困った事?」
「お主の魂の力が大きくなりすぎておるんじゃ」
「?何か不味いのか?」
「このままあの世界に居るとあの世界に悪影響があるんじゃ」
「ふ〜ん、つまり俺はもう戻れないって事?」
「そう言う事じゃ」
「ふざけるな!!」
俺は【魔操術】を使って立ち上がった。
「まぁ待つのじゃ!代わりに別の世界で好きに生活させるから!魂に合った新しい身体も用意するから、だから待つのじゃ!」
「新しい身体?」
「そうじゃ、人の身体では耐えられ無いほどお主の魂の力が大きくなっておる」
「じゃあ【魔操術】無しだと身体が動かないのはそれが原因か?」
「後は酷使し過ぎたせいかのぅ…」
「はぁ、しょうがない選択肢が無さそうだし行ってやるよ5度目の異世界!」
「そうか!では!」
老人が右手を出すとそこに銀色の鎖が握られていた。
「こ奴らを使ってお主の身体を作るとするか」
鎖の先には奴等が居た。
全員虚ろな目で俺を見ていたまるで魂が入っていないように見える。
「こ奴らの身体と力をお主と混ぜ合わせて新たなお主の魂に合った身体を作る、準備はいいかのぅ?」
「あゝ始めてくれ」
俺の身体が光の粒子となってバラバラになっていく、視線を向けると奴等だった物も光になっていた。
「では、良い旅を」
「あぁそれじゃあな」
俺は光になって意識を失った。
少し加筆しました。
話の流れは変わりませんが作者が気になったので…。