反省と傾向と対策
初めての戦闘でミスが発見できたのはよろこばしいことだと強引に納得する。
実際被害はゴブリンだけだ。しばらくすれば勝手に増えて元の数に戻るだろう。
これが高い魔力を払い召喚したモンスターだったりしたら、
泣くに泣けないところだったのだから。
たばこがほしいがこの状況では仕方がない。
ゆっくりと玉座(接着剤の嫌な臭いがする)にすわり反省点を考えてみる。
まずわかりやすいようにモンスターの種類ごとに部屋を分けたのは失敗だろう。
ゴブリンはごく至近距離しか攻撃できないのだ。
序盤は不死身のスケルトンは冒険者が出現し始めて聖職者が出てきたら
一撃で消滅だ。遠距離攻撃のあるインプはそれ以外のステータスは
スライムと変わらないレベルだったはずだ。
モンスターの待機部屋は混合で使用しよう。
今のところ別種族でも喧嘩などはしないようだし。
敵がまだ弱いうちに軍隊のように編成を考えるべきだろう。
足の速いコボルトが索敵、ゴブリンが前衛スケルトンがインプを守りつつ
木の槍でチクチクと攻撃しインプがその外から初級火炎魔法で砲撃だ。
ゲームでは味方モンスターは部屋に配置しその部屋を守らせるか、
手薄な場所に自分で移動する遊軍しか選べなかった。
だが実際に俺が命令をすればモンスターたちは
かなり柔軟にその命令を守ってくれるようだ。
敵モンスターの把握も必要だろう。ゲームではドット絵同士が
体当たりしあっているだけだったが現実はモンスターごとに
固有の攻撃方法があるのは当然だ。弱点もだ。
大コウモリは羽が傷つき飛べなくなった瞬間ただの雑魚になった。
これからモンスターが強くなっていっても弱点は必ずあるだろう。
それらをきちんとリスト化していけば敵モンスターが
ランクアップしていっても大丈夫なはずだ。
インプをもう1匹召喚し
コボルト2ゴブリン2スケルトン3インプ1の部隊を3つ作ってみる。
コボルトのあまりは入口での門番というか警報役だ。
攻撃はしかけないように命令する。
少し大きい元ゴブリン部屋に2部隊
元スケルトン部屋に1部隊を配置する。
≪力持ちの≫スケルトンはそのままボス部屋で待機だ。
初期モンスターリストのモンスターはスライム以外すべて召喚してみた状態だ。
次のリストに乗っているモンスターが解禁されるまでは、
この状態で工夫してみるしかないだろう。
というかなにをしたら次のリストが解禁されるかわからない。
ゲームプレイ中だといつの間にか解禁されているのが常だったから。
しばらくは定期的に次のリストのモンスターの召喚を試してみるしかないだろう。
次のリストには罠修理技能もちのモンスターがいる。
それを呼ぶまでは罠は設置しないで行きたいものだ。
時間の感覚がないのでよくわからないがその後
五回ほど敵の襲撃をうけあっさり撃退に成功した。
敵モンスターはみな死ぬとそのまま光になって跡形もなく消えてしまう。
魔力に変換されているのだと思うが死体がそのまま残るよりはるかにましなので
気にしないことにした。アイテムなども落とさないようだがこれは
序盤モンスターだからなのかよくわからない。
敵側に武器などを持ったモンスターがまだ出てこないのだ。
不思議なことにダンジョン内を見回りしていると何事もないのに
玉座(背もたれがギシギシ鳴る)にすわった時だけ敵が侵入してくる。
そのくせその後腰が痛くなるほどじっと座っていても敵は侵入してこない。
ゲームのダンジョン制作ターンと敵の侵入ターンを繰り返しているようで
なんだか気味が悪いがエロースのためにターンが進んでいるのだと
無理やり納得している。
そうそうモンスターたちにも多少の個性があるようで敵がいないときは
スケルトン達は命令しないかぎり直立不動だが
そのほかのモンスターは素振りをしたり居眠りしたり走り回ったりといろいろだ。
コボルト達なんかは頭をなでてーとばかりに俺の後ろを
にこにこしながら歩いてついてくる。
えさはやはり魔力のようで特に要求してきたりはしない。
正直暇をつぶすのが一番つらい。一定の時間がたたないと敵は
侵入してこないし話せる味方はいないのだ。
スケルトンに木の槍を借りて素振りをしたり
コボルト達を全員アヘ顔さらすまでなでてみたりしてみたがすぐに飽きた。
しかたがないので
もっぱら美人冒険者を捕らえた後の尋問のイメージトレーニングや
モンスター娘召喚後の連携についてのイメージトレーニングばかりしている。
なさけないがそれぐらいしか何もないこのダンジョンではすることがないのだ。