ダンジョン拡張
ゲームの知識以外に参考になりそうなものが一切ないので
自分がいる小部屋がどこにあるのかもまったくわからない。
とりあえずコボルト達には正面の壁をまっすぐ掘り進むよう命令してみる。
指示を出したとたんに凄い勢いでツルハシをふるい始めたコボルト達だが
壁には傷一つつかない。コボルトの特殊能力のダンジョン拡張時の魔力消費軽減
というスキルとツルハシを持って出てきたので時間をかければ
コボルト達だけでダンジョンの拡張ができないか
少し期待したのだが考えが甘かったようだ。
あらためて玉座(笑)にすわり胸の中のダンジョンコアに正面の壁に
標準サイズの通路を作るよう命令する。
そのとたん壁がゆっくりとへこみ始める。
壁と通路の幅が同じということはこの部屋は最小単位の1×1マス分ということだろう。
ゲームなら初期部屋は2×3マスだったはずでやはりゲームとまったく一緒ということはないのだろう。
通路を少し伸ばし小部屋を一つ作る。本来ならボスクラスのモンスターを配置する所
なのだが取りあえずはやることのないゴブリンを置くことにしよう。
「あーここから先に行かせないように守れ、たのむぞ」
今しがたまでしょぼくれた顔をしていたゴブリンは満面の笑みで返事をしてきた。
棍棒をふり回してやる気も十分なようだ。
あとはひたすらまっすぐ通路を伸ばす、伸ばす、伸ばす。
方向を間違えて外ではなく山の奥のほうに進んでしまったのかと
不安になってきた頃に急に正面の壁がガラガラと崩れ始める。
そこから日の光がさしてきたことでまずは一安心だ。
入口のないダンジョンに入ってくる冒険者などいないのだから。
コボルト達には崩れた壁をかたずけるよう命令し、
俺は何よりも重要な実験をしようと思う。
ゲームではダンジョン内を自由に歩き回れるダンジョンマスターだが
入口から外に出ることはぜったいにできないのだ。
まあ単純に外のデータが無いだけなのだが。
日の光にまずは手をかざしてみる。死人みたいになっている俺の体だが日の光で
燃え出したり灰になったりはしないようだ、まずは一安心。
次に外に向かってゆっくり足を延ばしてみる。
するとちょうど壁の先のところから足が動かないのだ。
全力ダッシュからの大ジャンプは同じ場所で突然真下に落ちた。
予想していた通りやはり俺はこのダンジョンから逃げ出すことができないのだ。
そう考えると急に不安になって来てわけもなく叫びたくなってくる。
とふとコボルトをみると崩れて転がった壁のかけらをおいかけて、
外に勢いよく走っていくではないか。
そとに出れるのかと聞いてみてもつぶらな瞳でこっちを見るだけだ。
喋れないコボルトにこの質問は意味がなかった
ここまで試しに書いてみたのでしょぼい出来ですが投稿してみました。
次話はでき次第投稿していきたいです。