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43/reboot  作者: 煌洲 桜子
番外編
82/86

道のり

 「豊平先生、よかったら合コンしません?」


 豊平はイトマキのその言葉に、例の強請のガチホモ合コンを思い出して、顔色を真っ青にして両手で自分を抱きながらブルブル震えていた。


 「大丈夫ですよー!今度はちゃーんと、女の子が来ます。」


 そう言われて豊平はほっとしたが、すぐに返事をしかねていた。豊平は厳しい姉の下で育ち、そのせいか生身の女性より、VRI(ヴァーチャルリアリティアイドルに夢中だった。そんな中、新聞社の取材で来た稲村米子に恋心を抱いたが玉砕し、再び生身の女性と向き合うのが怖くなっていた。稲村米子のおかげでVRIからは卒業したが、まだ豊平の胸のうちは複雑だった。PUCS病棟も閉鎖し、1年も立つというのに、豊平は数合わせの合コンすら断り続けた。

 豊平はイトマキに一旦返事を待ってもらい、岩見に相談しに屋上へ向かった。

 岩見はいつも通り煙草を吹かしてボーっとしていた。


 「あ、あの、岩見先生、今お時間頂けますか?」

 「やだよ、やらねーよ。」


 いつもの皮肉で岩見は返しながら、煙草の火を消した。豊平は、もじもじしながら岩見にどう言おうか迷っていた。


 「岩見先生、あの・・・イトマキ先生から合コンに誘われたんですけど・・・行ったほうがいいでしょうか?」

 「例のガチホモ合コン?」

 「違いますぅ!普通の女の人が来るって言ってました!」

 「普通の女ねぇ・・・。イトマキの知り合いの女ってったら現役自衛隊員で、筋肉ムキムキの男みたいな女しか浮かばねーな・・・。でもあれだ、お前はVRI卒業したし、ちっとはこれからの事考えてリハビリと思って行ってみたらいいんじゃねーの?」


 妻帯者の岩見に言われ、豊平も今後の自分の人生を考えた。このまま結婚しないでおじいちゃんになって寂しい老後を送るのか、それともこれから身を固める準備をするべきか・・・。それでも頭には今でも米子の顔がちらついていた。


 「まぁお前の好きにすりゃいいよ。ああ、独身男は合コンのお誘いがあっていいねぇ。けど俺は誘われても行かねぇけどな。」


 岩見はそう言って鼻を鳴らして、暗に奥さんを愛していることを満足そうに言って去って行った。豊平は今はこの鼻につく岩見の奥さん自慢が羨ましく感じた。


―リハビリか・・・。


 豊平はイトマキにメールを送った。

 数日後、居酒屋の間仕切りで仕切られたこじんまりした場所で、緊張する豊平と、いつものようにニコニコするイトマキが向い合って座っていた。


 「豊平先生、リラックスリラックス!」


 そうイトマキは言うが、豊平はますます硬直するばかりだった。イトマキはそんな豊平を見ながらため息をつきつつ、穏やかにしていた。


 「まだ友達こないんで、ちょっと昔の話でもしましょうか?」


 そう言って、イトマキは稲村米子の話を始めた。豊平は稲村米子の名前を出されて思わず眉間にシワを寄せた。


 「実は豊平先生にどうしても稲村さんのことで話しておきたいことがあったんです。」

 「なんで・・・今更そんなこと・・・。」


 イトマキは豊平が稲村米子に振られて落ち込んでいるのを知っているはずなのに、わざわざ合コンの前に人の傷をえぐるような昔話をしようとするイトマキを豊平は睨みつけた。


 「豊平先生が怒るのも無理はないと思います・・・。稲村さんはあの時確か、『先生に私は不釣り合いです。』っておっしゃってたんですよね。」


 豊平はふくれっ面のまま無言で頷く。


 「あれは、豊平先生が稲村さんに吊り合わないって意味じゃないんです?」

 「え?どういうことですか?」

 「稲村さんご自身が、豊平先生に吊り合わない・・・。つまり、稲村さんは豊平先生に憧れと劣等感を抱いていたんです。」

 「ちょっとなんですかそれ?僕の緊張ほぐすために何変なこと言ってるんですか?第一僕があんな美人な稲村さんに釣り合うわけないの分かってたし、逆ってことはないでしょう。どう考えたってありえませんよぉ。それに僕の事・・・振ったのは事実だし・・・。」


 そう言って豊平は頭を垂れる。しかし、イトマキは諦めず豊平に語る。


 「あれは・・・、稲村さんが、豊平先生を命の危険に晒したくなかったから、わざと悪い人を演じたんです。」


 イトマキは、USBメモリの中の内容で稲村が命を狙われていて、これから豊平に被害が及んでは困ると思い、わざと悪い女を演じたとかい摘んで話した。


 「でも・・・現に、豊平先生も、稲村さんもあれから何も事件や事故に巻き込まれてないし、もう大丈夫かな?って思って今日の合コンをセッティングしたんです。」

 「そ、それじゃあ・・・。」


 豊平が何か言いかけた時、間仕切りから頬を紅く染める稲村が現れた。豊平は稲村米子が現れ、言葉も出せずに口をパクパクと動かしていた。

 今の稲村米子は以前のように体型を色っぽく見せる服装ではなく、厚手のカットソーに細身のパンツという色気のない出で立ちだった。染めてパーマをかけていた髪も黒髪になり、今はパーマも掛けずに後ろで髪を束ねるだけだった。そしてメイクも以前の派手なものからナチュラルなものになっていた。

 稲村は恥ずかしそうにしながらイトマキの横に座る。


 「ご、ご無沙汰してます・・・。稲村です。」


 そう言って稲村米子は頭を下げて挨拶した。豊平はまだ呆然としている。


 「それじゃ、私はこれで。」


 稲村米子と豊平は、そう言って去っていくイトマキの背中を互いにすがるように追いながら見つめた。そして、しばらくの間、沈黙が続く。


 「と、豊平先生、今まですいませんでした。」


 米子が沈黙を破って深々と謝った。


 「いえいえ、そんな全然気にしてませんよ。」


 そう豊平は言いながらも、米子と顔を合わせようとしなかった。


 「・・・そうですよね。あんな酷い言い方したら怒られるものしょうがないですよね。」


 米子は肩を落として落ち込んだ。


 「母から聞きました。私がPUCSの時に、いつも豊平先生が私の好きな花を一輪飾ってくれてたこと・・・。すごく、嬉しかったです。」


 米子は俯きながら、顔を赤らめていた。豊平もその時の事を思い出し、思わず赤面する。豊平はピンクのバラをいつも米子のベッド横の花瓶に一輪添えていた。どうやら米子の母は、花を一輪差した犯人を見破っていたようだった。


 「私・・・、ああいう、控えめな可愛い色のバラが好きなんです。私が何気なく話したことを覚えていてくれて、そして、あの時は毎日バラを贈ってくださってありがとうございます。」


 そう言って顔を上げた稲村米子の瞳は涙であふれていた。


 「そ、そんなこと気にしないでくださいよ。」


 慌てて豊平はハンカチを取り出して米子に渡した。米子はハンカチを受け取り、豊平に礼を言った。


 「本当はイトマキ先生からじゃなく、私から全て話すべきだと思っていたんですが、イトマキ先生からワンクッション置いたほうがいいと言われて、イトマキ先生のお言葉に甘えてしまいました・・・。」


 涙を拭きながら恥ずかしげに笑う自然体の米子を見て、豊平は思わず胸がドキドキしながら、なぜか心が温かくなっていくのを感じた。


 「本当に、あの時の豊平先生の告白、嬉しかったんです・・・。」


 そう言うや否や、米子は号泣しはじめた。豊平はどう慰めていいものかあたふたしている。


 「ごめんなさい・・・。私も・・・、本当に豊平先生のことが、好きなんです・・・。」


 嗚咽混じりに米子はハンカチで目を覆いながら豊平に告白した。豊平はまったくこの展開に着いていけず、呆然と稲村米子を見ていた。


 「あ、あの、えっと、その・・・なんていうか・・・ぼ、僕とお友達から始めてもらえませんか?」


 ようやく豊平の口から出た言葉は、見当違いな言葉だった。それでも米子は嬉しそうに頷いた。

 その二人の後ろの間仕切りで、イトマキと岩見が聞き耳を立てていた。


 「なんだよあのバカ、両想いなのに『友達から』って!」

 「まぁまぁいいじゃないですか。」


 岩見とイトマキが小声で話しているのにも気が付かず、豊平と米子は恥ずかしさ余ってお互い目を合わせられなかった。

 それから豊平と米子の二人はデートを重ねるようになった。奥手な豊平にしびれを切らして米子が手を繋いだり、時には米子が酔っ払って勢い余って過去の辛い思いを話した時は、豊平は優しく米子の話を聞いて一緒に泣いた。そして豊平はその米子の話を聞いてからと言うもの、さらに米子を愛し、労るようになった。米子の心を気遣い、豊平は手を繋ぐ以外の事はしなかった。

 しかし米子はこんな純粋な恋愛をした経験がなく、手を出してこない豊平に対してどう接したらいいのか困ってイトマキの診療所に訪れて相談した。


 「あ、あの、男性がリードしなかったら、やっぱり私から押し倒すべきですか?!それともやっぱり私がいろんな男と付き合ってたことがあったり、赤ちゃん堕ろしたりしたからでしょうか・・・。」


 イトマキは米子の最初のパンチのある発言に目を丸くして赤面したが、それから落ち着いて、豊平の性格も考えながら米子にアドバイスをした。


 「急いては事を仕損じる、ですよ。ゆっくり二人で愛情を温めていくのも、一つの愛の形だと思います。」


 そう言ったイトマキは、自分のことでもないのに赤面していた。米子はその言葉に釈然としないまでも、豊平と手を繋いで、同じ時間、同じ景色を共有できることだけでも実は心が満たされて嬉しかった。


 米子にとって、豊平の印象はとても強かった。初めに『稲村米子いなむらよねこ』という名前を聞いても笑わずにいてくれたり、情報の代わりに体を求めてきたりするようなこともせず、かと言って鼻の下を伸ばしもしなかった。

 純粋に米子に接し、仕事に関する事になると少年のように夢中になって目を輝かせて話す豊平に、米子は次第に惹かれていった。しかし、惹かれる自分がいる一方、自分の過去の事を思うと豊平のことがまぶしすぎて自分に劣等感を抱いていた。それをPUCSの時にメリッサに見破られ、更にはUSBメモリを渡すまでに信頼していた豊平に被害が及んではまずいと目が覚めてようやく分かった時には、断腸の思いで豊平に嫌われようと悪役を演じた。病院で豊平から告白されたあの日、米子は急いで女子トイレに駆け込んで大声で泣いていた。これで、自分の初恋は終わったのだと米子は悟った。

 しかし、PUCSも収束した頃、お節介なイトマキと岩見の計らいによって、米子は再び豊平に会い、付き合うことができた。

 米子はそれだけでも満足だと思い、イトマキの診療所から出た頃、豊平から一通のメールが入っていた。


 『どうしても今夜、大切な話がしたいから、お時間をください。』


 そう書かれたメールを見て、米子の頭の中は真っ白になった。


―もしかして・・・お別れのメール?


 結局自分から手さえ繋ごうとしなかった豊平に愛想をつかされたのだろうかと、米子は悶々としながらその時間を迎えた。

 待ち合わせ場所でどんよりとしている米子を見つけると、豊平は急に自分から米子の手を掴んだ。


 「え?どうしたんですか?」

 「あ、あの、急に岩見先生からレストランの予約譲ってもらっちゃって、一緒に行きましょう!」


 そう言って、豊平は初めてぎこちないながらも米子をエスコートした。

 やがて、有名ホテルのレストランへ到着し、二人は夜景をのぞみながら料理を味わい談笑した。


 「あんな真剣なメールが来たので、正直びっくりしました。」


 ほっとして米子は笑いながら豊平に言った。しかし豊平の顔はなぜか真剣だった。


 「あの、今日、何の日かご存知ですか?」


 豊平の言葉に、米子はふと考える。よく考えてみれば、お互い友達付き合いをしてちょうど1年が経っていた。


 「友だちとして、1年付き合ってくださってありがとうございます・・・。こ、これからは、こ、こんな僕でよければ、け、結婚を前提に付き合っていただけませんか?」


 そう言って豊平は自分のカバンから一輪の花を取り出す。それは米子が好きなピンクのバラだった。今までうんざりするほどいろいろな男たちから贈られた真っ赤なバラの花束より、豊平のこの一輪の愛らしいバラが米子には素晴らしく輝く宝石のように見えた。その一輪のバラも、豊平も顔も、どんどん涙で滲んでいった。


 「こちらこそ・・・私でよければ・・・。」


 そう言って涙を堪えながら豊平のバラを受け取った。米子が一輪のバラを大切そうに抱えながら涙を流した。しかし、まだ豊平は緊張している。


 「それからもう一つ・・・いいですか?もしデリカシーがないとか、嫌だと稲村さんが仰るなら、先ほどの事を白紙にしてくださっても構いません。」


 真剣な目つきで米子に尋ねる豊平に、米子は不思議そうな顔をして頷いた。


 「あの・・・これから、よかったら、僕も一緒に稲村さんのお子さんのお墓参りに連れて行ってもらえませんか?」

 「え・・・?どうして・・・?」


 正直、豊平との子でもないのに、なぜ赤の他人の男の子供の供養を豊平がしたがるのかわからなかった。


 「その・・・、稲村さんのお子さんに、僕のこと、認めて貰えたらなって・・・。もしかしたら、将来、僕らの子供になってたかもしれないし・・・。」


 だんだんと語尾が弱まるに連れ、豊平の頭も下がっていく。その言葉を聞いて、米子は嬉しくなって涙を流しながら笑う。


 「豊平先生、さっき結婚を前提に、って言ってたのに、もうプロポーズになってますよ!」


 そう米子に言われてようやく豊平も自分が思わずプロポーズしてることに気がついた。


 「いや、その、これはですね!」


 豊平は大汗をかいてハンカチで顔を拭う。その姿を見て米子は泣きながら吹き出した。


 「琉星さん、もう一回、ちゃんとしたプロポーズ考えてきてくださいね。」

 「え、あ、はいっ!すいませんでした」


 豊平は名前で呼ばれて驚いていた。その姿を見て米子はまた楽しくて笑ってしまった。


 それから1年後、二人は無事、結婚して式をあげた。

 背の高くて美人な米子と、背が低くて肥満体型の豊平という、なんとも容姿が不釣り合いなカップルが誕生した。

 教会から出てきた二人をライスシャワーで皆が祝福する。嬉しさで眩しそうに目を細める二人を見ながら、イトマキと岩見は小声で話していた。


 「豊平、結局今日まで米子ちゃんに手、出さなかったらしい・・・。どんだけ純情なんだか。」


 岩見は豊平と米子の純情さに呆れてため息をついていた。横のイトマキはおめかしをしてニコニコと嬉しそうに眺めている。


 「あ、そういえば岩見先生の奥さんも来る予定じゃ・・・。」


 そうイトマキが言うと、岩見は急に暗い顔をした。


 「いや、実は、嫁さんがちょっと切迫流産しかかって入院中なんだよ・・・。」

 「それってご懐妊でっ」

 「しっ!安定したら報告するからそれまで黙ってろ、分かったな。」

 「は、はい。」


 岩見の気迫に押されて、二つもおめでたいことがあるのに一つは秘密にしておかないといけないことに、イトマキはちょっと不満だった。


 「ところで、もう性別はわかってるんですが?」

 「ああ・・・。男の子と女の子の二卵性双生児・・・。」


 思わずイトマキは喜びで声を上げそうになったが無理やり自分の手で口を塞ぐ。


 「望のおもちゃとか服を片付けたらこれだよ・・・。しかも一気に男の子と女の子・・・。これからまた当直のバイト入れるか、給料のいいところに転職するかなぁ・・・。でも当直したら子供たちと遊ぶ時間ないし、かと言って金がないと息子とキャンプ行けないし、娘とテーマパーク行けないし・・・。ああ、まずは禁煙外来でニコチンパッチもらって煙草やめねーと!」


 岩見は悩んでいるが、イトマキには嬉しそうなボヤキにしか見えなかった。

 やがて皆式場から披露宴会場に向かう最中、イトマキはあることを思い出す。


 「そういえば、これも内緒なんですけど、豊平先生たち、子供が生まれたら、『マイル』って名前を付けるそうですよ。」

 「もしかして、米子の『米』に、琉星の『琉』で『米琉マイル』とか言うんじゃないだろうな?」

 「え?!どうしてわかったんですか?!」

 「分かるも何も、嫁さんの名前が先に来てるってことは、もう完全に豊平は尻に敷かれてるも同然だな。」


 岩見は豊平たちの将来の子供の名前を聞いてため息をついた。しかし、イトマキは反論する。


 「ちがいますよー!お互い、長い道のりを歩んで愛を育んできたから、いつか生まれて来る子にそういう思いを込めて、『道のり』って言う意味の『マイル』にしたそうですよ。」

 「なるほどねぇ。」


 岩見はニヤニヤしながらよく考えたものだと感心した。

 やがて披露宴は始まり、豊平の知人で今は新進気鋭の有名パティシエYuudai Shimamatsu作のウエディングケーキが会場に飾られていた。

 豊平と米子の披露宴もさることながら、世界的に有名なパティシエ渾身のウエディングケーキも来客者の話題になっていた。


 「島松のオッサン、地味な嫌がらせしやがるな。」


 そう言いながら黙々と岩見はコース料理を食べながら言っていたが、いつの間にかイトマキは席を離れ、ブーケトスの中に混じっていた。


 そして半年後、イトマキが京帝病院にアルバイトに来ていると、ロビーの入り口から米子が慌てて走ってきた。


 「あれ?稲村さん・・・じゃなくて豊平さん、どうしたんですか?」

 「あ、うちのダー・・・じゃなかった、旦那がお弁当忘れたから届けにきたんです。」


 そう言って嬉しそうにイトマキに米子が話していると、二階から豊平が慌てて降りてきた。米子と結婚して以来、米子の栄養バランスのとれた食事で豊平のお腹周りも顔もだいぶすっきりしてきた。

 豊平が米子の側に来るやいなや、イトマキの存在を忘れて二人だけの世界に没頭していた。


 「ごめんねー、ありがとう米子ちゃん。」

 「ううん、気にしないで〜。」


 イトマキは二人の熱々な時間を邪魔しないようにこっそりその場を離れ、離れたところから二人を見ていると、ひとけのない所へ行ってそれからすぐにお互い顔をテカテカさせながら戻り、豊平は手を振って職場へ戻って言った。

 遠くで様子を伺っていたイトマキを見つけた米子は、イトマキの所へ駆けて行き、なぜか心配そうにしていた。


 「イトマキ先生、うちのダーリ・・・じゃなかった旦那、最近痩せて他の人にちょっかい出されてないか心配なんですぅ。太ってる時も可愛かったけど、痩せたらかっこ良くなってきちゃうし、それに夜もすごいから他の女の人に取られちゃったら、私、生きていけないかも・・・。」


 米子は艶やかな目で顔を紅く染めながら、しっとりと熱いため息をつく。豊平の秘めたポテンシャルを聞かされてイトマキも顔を赤らめつつ、心の中で苦笑いしながらつぶやく。


―お、お腹いっぱいです。

感動台無しでごめんなさい。

でも無事、豊平君も報われて、米子さんとハッピーエンド。

さらには岩見先生の奥さんが男の子と女の子を同時にご懐妊。


ちなみにピンクのバラの花言葉は「純愛」だそうです。


ところでYuudai Shimamastuって誰だ?

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