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43/reboot  作者: 煌洲 桜子
43/restart
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after that

 藤枝総理急死で政局は混迷を極めた。強大な求心力を持っていた藤枝総理の死によって、多くの藤枝派は憑き物が落ちたように散り散りバラバラになり、官房長官が一時的に総理を務め、その後、総理大臣指名選挙が行われた。

 総理大臣指名選挙を見事勝ち取ったのは、故・藤枝総理と真逆の路線の国際協調主義で穏健派の安平浩志62歳だった。

 そこそこ人望が厚く、藤枝総理と比べて、華も目立った活躍はないものの、一代からの叩き上げ議員の地道な政治活動が実を結んだといえよう。

 そして、藤枝総理亡き後の9条改正案及び自衛隊についての国民投票の結果は、過半数の反対という結果で終わった。

 安平総理は領土問題に対しても、一国独占ではなく、隣国同士の協調路線で経済水域内のレアメタルなどの資源の共同開発という案を出し、全世界を驚かせた。そして隣国の首相達も安平総理の案に賛同し、領土問題に一旦決着がついた。

 そして、その領土問題に対する平和的な解決に敬意を評して、20年ぶりにローマ法皇が来日し、記念に総理官邸にマリア像を送った。そのマリア像は、以前悪魔と伊東刑事が共に地に沈んだ場所に置かれた。マリア像の中には聖水と魔法陣の書かれた石版が埋め込まれており、これで完全に悪魔は封じられた。


 PUCSに関しても全国の患者が次々と目を覚まし、目を覚ました患者達はその後、精神的な障害も見られず、通常の生活を送っていた。そして、PUCSが収束し始めた頃には自衛隊の志願徴兵に応募するものはほとんどいなくなった。

 結局PUCSに関して何もわからないままではあったが、WHOは数年後にPUCSの収束を宣言した。それからというもの、日本の企業は賃金の安い国へ工場を建設し、外資は日本に再び拠点を置いた。


 また有名な建築デザイナーで、ボランティアで福祉施設のデザインにも携わっていた、中島啓介が家族へのDVや自分の子供への性的ネグレクトなどを日常的に行なっていたとして刑事事件へ発展し、世間にも広く伝わった。

 中島啓介は一貫して容疑を否認し、黙秘を続けたが、ある日拘置所で自殺し、遺書にこう記していた。


 『幼い頃、母が男を作って蒸発し、DVをする父の元で育った。人を愛することがわからず、愛する人に逃げられるのが怖かった。だから妻が自分を見捨てないか試しているうちに、その行為がエスカレートし、妻や子供を支配下に置くことの快感と、妻や子供に酷い仕打ちをする自分を止めて欲しいと思う気持ちの間で揺れていた。』


 そして、世間を騒がせたPUCSも9条改正も中島啓介事件もやがて人々の間で風化していった。

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