今から本気出す!
あれから一週間、俺はずっとアジトでうずくまっていた。隣にはマユとリータが同じようにうずくまっている。
マユとリータは涙も枯れて声を出す気力もなく、ずっと体育座りでうずくまっていた。
俺はというと、最初の時よりはだいぶ痛みがマシにはなったものの、まだ動くのもつらいし、腹の違和感はハンパない。
メリッサは無理せずゆっくり体が慣れるのが一番と言っていたが、俺は一日も早くlvを上げたい!
それに、あのすごい腹痛の時に帰還もせずに俺を助けてくれていたマユやリータ達を励ましてやりたい。
俺は剣先を床に突き刺して、杖に立ち上がった。堪え切れない痛みから逃げないよう大声を出すとまるで獣のような叫び声になった。
マユもリータもその声に驚いて久しぶりに顔を上げた。
「うっし!・・・逝ってくる。」
俺が膝をカクカクさせながら言うと、マユとリータは笑いながら痛い痛いと言っていた。
「バカじゃないのwさっさと氏んできなさいよwww」
「が・・・がんばってね・・・。」
リータは目に涙を浮かべながらも俺をバカにしつつ励ましてくれた。
マユも精一杯のか細い声で俺を励ましてくれた。
二人は俺をバカにしつつも、少しは元気を取り戻したようでクスクス笑い合っているのを見て俺はほっとした。
まだちょっとLvの高い狩場は行けないけど、回復薬多めにもってぬるめの狩場で痛みが引くまでか、慣れるまではやるしかないと心に決めた。
「それじゃ本気出してくるぜ!」
そう言った時、リータが帰還アイテムを渡してくれた。
「あたししばらく使わないからやるよ。」
「倍にして返してやるから待ってろよ!」
俺はリータの帰還アイテムをもらって、剣を杖代わりにアジトの扉を開いた。