サーバールーム
グロ回です。ごめんなさい。
ネグレクト(幼児虐待系)です・・・。
タルタロス44階から49階まではサーバールームになっており、GMの証である片目の文様のない者以外は立ち入ることができない。
49階の無機質なサーバールームの片隅で、片目の文様の施された修道着の女アバターが体を壁に預けて、体育座りをしながら震えている。
『お願い、助けて。』
その言葉がメリッサの頭の中で生生しく響く。メリッサは親指の爪を噛みながら震えを堪える。
マユを責めた時、メリッサもまた、本当は自分の心が痛かった。それは、メリッサ自身も大人に汚されたからだった。ただメリッサの場合は、マユとは事情が違った。
メリッサ、もといい、苺花の家族は、誰からも羨まれるような優しい父と厳しい母と苺花の3人家族だった。
母親は躾に厳しく、父親は苺花を甘やかすばかりだった。
そのため、父と母はしばし苺花の躾で喧嘩をすることがあった。
苺花の母の喧嘩の時の口癖は、
「私ばかり悪者にして!」
というものだった。その母の言葉に対して、父は貝のように固く口を閉ざして嵐が過ぎ去るのを待つばかりだった。
父親というのは躾に関わりたくないから母親に躾を任せて放置する傾向にある場合もあるが、苺花の父の場合は本心は違っていた。
苺花の母は、塾の講師をしている。苺花が幼い頃はしばらくパートタイムで働いていたが、苺花が保育園高学年になると正社員として働きだした。
そうなると、夕飯の支度は母がするが、母が塾で夜いない間は苺花の父が面倒を見ていた。
当然苺花の風呂も父が面倒を見ていた。だがそれはそれは中学校まで続いた。
そして父と一緒にお風呂に入ることで、なぜかお小遣いを苺花は貰っていた。
「お父さんと一緒にお風呂に入ってること、秘密にするんだよ。」
苺花の父はいつもの優しい笑顔で微笑みながら、苺花の体の全てを自分の手で洗った。
やがて苺花も風呂場での父の手つきがだんだんと気持ち悪くなり、自分ひとりで風呂に入るようになった。
そして16歳の夜、母がいつもの塾の仕事でいない時のことだった。
苺花が風呂から上がると、珍しく苺花の父が酒を飲んでいた。それを見ていた苺花に父が、
「苺花も飲んでみるか?」
と誘ってきた。苺花は好奇心で父から差し出された甘い缶チューハイを渡されて飲んだ。風呂上がりと未成年ということもあり、苺花は酒がまわってそのまま眠ってしまった。
気がつけば、苺花は自室で実の父に汚されていた。いつも優しく笑顔を絶やさない父が、恐ろしい獣になり、苺花の両手首を掴んで抵抗できないようにしている。
「お願い、助けて。」
苺花は実の父に体を切り裂かれ、血を流す痛みに耐え切れずに懇願する。一瞬苺花の父の目が険しくなり、それから苺花の腹を殴った。呻く苺花の動きを止めるため、また苺花の手首を抑える。
「だめだよ。静かにしなきゃ。終わったらお小遣いあげるからね。」
苺花の父はいつのも様に優しく微笑んでいた。
その後、本懐を遂げた苺花の父は、苺花が過呼吸を起こしているのに気が付き、背中をさすって大丈夫かと聞いてくるが、詫びの一言もなかった。そして父が自室から去ったあと、苺花はずっと震えていた。
やがて母が帰ってきた時、苺花はパジャマを来てまだ酒でふらふらな状態で母居る玄関まで急いだ。
「ママ・・・、苺花、パパに変なことされた・・・。」
そう苺花に言われて母は苺花のパジャマを見る。パジャマのズボンが血で濡れている。
苺花は、母はきっと助けてくれる、そう思い、母にすがった。
「あら、生理じゃないの?そのパジャマ、ちゃんと自分で洗いなさいよ。」
苺花の母は予想外のものだった。結局苺花の母は、苺花を守るつもりもなく、ただ苺花の躾を自分ばかりが押し付けられて悪者にされるのが嫌だっただけなのだ。
苺花の母は素知らぬ顔で苺花の横を通り過ぎた。苺花はその場で崩れ落ち、そのまま意識を失ってPUCSになった。
誰にも言えない秘密を抱えた両親は、その罪悪感を日に日に感じ、苺花の担当医にサルベージを頼んだ。
そして、苺花は目覚めたものの、現実と幻が曖昧になってしまった。両親は辛い反面、これで苺花が本当のことを話したとしても誰も信じないだろうと安心していた。
苺花も、幸か不幸か、親元を離れて施設で暮らすことになり、苺花もまた実の父と暮らすことがなくなって安心していた。
こうして、メリッサとしての世界、そして苺花の居る所は汚されることはなくなった。
苺花に安心して暮らせる『メリッサ』としての居場所を与え、自分を救ってくれた『あの方』にメリッサは感謝していた。
そしてあの日、外からの連中を追い払う為にわざと自分で自分の首を絞めようとした時だった。
ジオサイドがメリッサの手首さえ掴まなければ、メリッサは苺花の思い出を思い出すこともなかっただろう。
「お願い、助けて、助けてっ!」
メリッサは頭を掻きむしりながら泣きむせび続け、震えている。
その時だった。
『メリッサ、おいで。』
メリッサの耳元に聞き慣れた男の声がした。メリッサは泣き止み、ゆっくりと立ち上がった。
そして、夢うつつのような状態で、その場所まで向かった。




