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あなたの婚約者と浮気なんてしてないんですが。

掲載日:2026/08/14

「ごきげんようライラ・ラピスロック様。

なぜ今日あなたが私に呼び出されたか、


お分かりになって?」


私は今日、学校の中庭でべリドット様に呼び出された。


呼び出したベリベット様の後ろにはたくさんの取り巻きがいて、

周りにも野次馬はたくさんいる。


何となく思い当たりはある。


だけど、サード様にはこないだちゃんとお断りはした。


大丈夫だろう。


「全く分かりませんわ」


「しらばっくれないで!

私の婚約者、サード様と浮気をしていること、知っているんですから!」


「浮気?なんの事ですか?」


「先々月も先月も今月、時の庭公園で会っていたでしょう!」


「ああ、たしかに会いましたね。でも会って挨拶した、それだけですよ」


私は確かな事実を言う。

だって本当にそうなのだ。


「あ、あなたがサード様に何度も微笑みかけていたという証言は、いくつもあったのよ!」


「それはですねーーー」


やっぱりそれか。

これは丁寧に説明しなければと思っていると、面倒な人が私の前に来た。


「待ってくれべリベット!ララを責めないでくれ!」


私の愛称を勝手に呼ばれた……


鳥肌がたつのを感じる。


「僕が悪いんだ!彼女の美しさに、惹かれてしまった……君という者がありながら……


僕らは互いに惹かれあってしまったんだ!」


「ちょっと待ってください。サード様。


私、愛称で呼ばないでくださいっていいましたよね?」


先日ちゃんとお断りしたのに。

愛称で勝手に呼ばないでって言ったのに。

この人には、何も伝わっていなかったんだ。


「ああ、照れているんだねララ」


「照れてなどいません。何度言っても聞いてくださらないんですね。


あなたに微笑みかけたのは、あなたの胸元で赤く輝くスピネルが、美しかったからです」


私は先日にもサード様にお伝えしたことを、もう一度、はっきりという。


周囲がざわつくのが聞こえてきた。


「ああそうか……ライラ様は''魔石姫''だもんな」

「魔石や宝石には目がない。さすがクリスティル家の血を引くものだ」

「え?じゃあサード様が勘違いして一方的に言い寄ったってこと?」


よし。

大勢の前でこの事実が伝われば、今度こそ大丈夫。


トドメの一言を私は発する。


「それに、その場には私の従兄のクォルツ兄様も一緒にいたと思いますが」


「う、嘘だ!僕達は愛し合って……」


「愛し合っていません。」


サード様に伝わっていなかったとはいえ、勘違いするような行動をしたことは、


さすがに、謝らないといけないわよね。


私は2人の前で深々と頭を下げる。


「誤解をまねく行動をしてしまい、申し訳ございませんでした。

サード様。べリドット様」


その後の私はさすがにラピスラック家の当主……クォルツ兄様のお父様に怒られた。


私のお父様はと言うと、


「いくら宝石が美しくても、男の前では微笑んじゃダメだよ!いやでも〜気持ちはわかるけど!!


男って単純な生き物だし……いやでも赤いスピネルって綺麗なんだよなぁ」


と言ってるところを、お母様に見つかり私と一緒に怒られた。



数年後、結婚したサード様とべリドット様は離縁したと聞いた。


サード様が公爵夫人に一方的に言い寄り、犯罪行為未遂をしたからとの事だった。


私は今、公爵夫人の身で、大好きな魔石や宝石に囲まれて生きている。


そのうちの一つを手に取り、思わず言ってしまった。


「スピネルって、幸せな結婚って意味、あったんだけどな」

現在連載中の魔石狂いのサーシャの主人公サーシャの親戚の話です。


魔石狂いのサーシャを読んでなくても分かる話ではあります。

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