第十七話 お決まりの朝
第十七話 お決まりの朝
翌朝。
◇◇◇
鳥のさえずりが聞こえる。
◇◇◇
窓から暖かな陽射しが差し込んでいた。
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「ん……」
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リリスはゆっくりと目を覚ます。
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「ここ……」
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見覚えのある木の天井。
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「まさか……」
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嫌な予感がした。
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毛布をめくる。
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「また下着姿ぁぁぁっ!」
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大部屋に元気な叫び声が響いた。
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部屋のあちこちでは。
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昨夜の宴会で疲れ果てた村人たちが毛布を掛けて眠っている。
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バンガも壁際で豪快ないびきをかいていた。
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「またここだぁ……」
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リリスは両手で顔を覆う。
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「今回は二杯までって決めてたのに……」
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記憶をたどる。
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乾杯。
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フォレストベアの串焼き。
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果実酒。
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そして――。
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「……思い出せない」
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そこだけ綺麗に記憶がなくなっていた。
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その時。
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部屋の扉が開く。
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マーサが朝食を持って入ってきた。
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「おはよう、リリスちゃん」
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「お、おはようございます……」
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マーサは笑顔で頷く。
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「昨日もよく眠ってたわよ」
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「また女性のみんなで着替えを手伝ったから安心してね」
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「ありがとうございます……」
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リリスは恥ずかしそうに頭を下げる。
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ちょうどその頃。
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「ふぁぁぁ……」
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バンガも目を覚ました。
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「おっ、リリス」
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「また先に起きてたか」
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「またって言わないでください……」
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バンガは豪快に笑う。
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「昨日は宴の最後まで『次はどんな素材が手に入るかな』って話してたぞ」
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リリスは耳まで真っ赤になった。
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「忘れてください!」
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部屋中に笑い声が広がる。
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朝食を食べ終えた後。
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リリスは自宅へ戻った。
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インベントリを開き、フォレストベアの素材を一つずつ眺める。
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「今日はこの素材で新しい装備を作ろう」
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新しい装備への期待で、昨夜の恥ずかしさはもうどこかへ飛んでいた。
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素材を前にすると。
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リリスの瞳は、いつも以上に輝くのだった。
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第十八話へ続く
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