第十五話 商人の話
第十五話 商人の話
リーフェン中央区。
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ハロルドに案内されながら歩く。
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昼時ということもあり。
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街は賑わっていた。
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冒険者。
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商人。
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職人。
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様々な人々が行き交う。
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「活気がありますね」
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リリスが呟く。
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「リーフェンは交易都市だからな」
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ハロルドが答える。
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「王都ほどではないが栄えている」
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なるほど。
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ゲーム時代には分からなかったことだ。
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そして。
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二人は目的地へ到着する。
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銀鹿亭
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リーフェンでも人気のレストランだった。
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店内へ入る。
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落ち着いた雰囲気。
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料理の良い香りが漂う。
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「好きな物を頼むといい」
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ハロルドが言う。
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「本当ですか?」
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「もちろんだ」
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リリスは遠慮なく注文した。
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しばらくして。
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料理が運ばれてくる。
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巨大なハンバーグ。
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スープ。
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サラダ。
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焼き立てのパン。
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「美味しそう……」
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目が輝く。
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「いただきます」
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早速食べる。
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美味しい。
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本当に美味しい。
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「幸せです」
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思わず漏れた。
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ハロルドが笑う。
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「それは良かった」
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食事を続けながら。
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ハロルドが話し始めた。
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「リリス」
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「はい?」
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「今後の予定はあるのか?」
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リリスは少し考える。
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「強くなりたいです」
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「ほう」
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「あと探索」
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「探索?」
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「ダンジョンとか宝箱とか大好きなので」
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正直に答えた。
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ハロルドは苦笑する。
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「君らしいな」
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その時だった。
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色欲
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発動条件成立
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「え?」
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突然の通知。
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慌てて確認する。
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対象
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ハロルド
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好意確認
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リリスが固まる。
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意味が分かった。
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そして。
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色欲
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発動可能
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さらに新しい通知。
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どうやら。
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ハロルドが好意を持っているらしい。
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「えぇ……」
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声には出さなかった。
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出せるわけがない。
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しかし。
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ハロルドは気付いていない。
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普通に食事を続けている。
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リリスは慌てて通知を閉じた。
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「どうした?」
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「な、何でもないです」
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全力で誤魔化す。
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その後も食事は続いた。
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だが。
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リリスの頭の中は。
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色欲のことでいっぱいだった。
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そして。
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まだ知らない。
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このスキルの本当の恐ろしさを。
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第十六話へ続く
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