いざ、教習所!
翌日から、大学の講義終了後に自動車教習所へ通い始めた優太。正門前に来る送迎バスに乗り込んだ。
「S字苦手〜後輪が縁石に乗っちゃう」
「私は縦列、どこでハンドル切って良いか分からなくて〜」
車内では色々な話が飛び交っていた。
送迎バスが到着し、学生たちが降りていく。優太も後に続いた。その時、スマートフォンが振動した。
[今日から教習所だね!自信持ってね!]
絵里からの連絡だった。
[ありがとう、頑張るよ!]
送信ボタンを押して返信した。優太は深呼吸して、自動車教習所の建物へ入っていった。
教習所内は学生だけでなく、主婦らしき人や、色々な世代が運転免許取得に挑戦している状況を目の当たりにした。
高齢者が数名ほど、まとまって教室へ入っていった。優太が近づいてドアを見た。
[高齢者教習実施教室]
「免許を取っても、終わりじゃないんだな」
[初回学科講習を受講の方は〇番教室へ…]
優太が受ける学科の案内が放送された。
『自動車は1トン以上の乗り物です。この様な危険な物を扱うからこそ…』
その後、自動車の構造と運転技法の解説に移った。
『シフトチェンジは、クラッチペダルを踏み込んで…』
『低速ギアでアクセルペダルを話すと、エンジンブレーキがかかります』
「エンジンブレーキ??」
事前に色々と読み込んでいたが、それでも分からない事は沢山あった。教習所からの帰り道、送迎バスの車内で優太は絵里に報告を送った。
[初日終わったよー明日はいよいよ技能!学科はわからないことがいっぱい]
[送信]
優太は帰ってから、今日一日で学んだことを復習していた。
スマートフォンが振動する。
[優太君初日お疲れさま!明日は技能かぁ。車の運転もきっと慣れたら楽しいよ!いつか、助手席に乗せてね!]
優太は絵里からのメッセージに表情を緩めていた。
[もちろん!!絵里ちゃんとドライブに行けるのを楽しみに、俺メチャクチャ頑張るよ!]
[送信]
絵里から、うさぎがハートマークで囲まれているスタンプが送られてきた。
翌日の昼、優太は学食で正樹、俊と話していた。
「今日から技能か。最初はまごつくかもしれないけど、慣れれば大丈夫だよ」
正樹が親指を立てた。
「まだクラッチペダルの使い方がよく分かってなくってさ…」
「そういやエンストしまくったなぁ。だけど、そうやって慣れていくもんじゃね?」
「俊の言うとおりだよ。それに、マニュアル車は良いぞ」
「え?どう良いの?」
優太が不思議そうに正樹に聞く。
「ちょっとコツがいる、ってとこじゃないのかな。それに、オートマチックと違って、暴走事故も起きにくいよな」
正樹の話に俊が頷く。
「オートマチックは簡単で便利だけどね。技術を要求されるマニュアル車も良いよ」
「そっかぁ、車って奥が深いんだなぁ…」
優太は考えを巡らせるような表情になった。
「そうだ、優太が免許取ったら、俺が最初に助手席に乗ろうかなぁ」
正樹がいたずらっぽく笑った。
「え!?それは…」
「ダメダメ、先約がいますから」
俊が正樹に笑いながら小声で話す




