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1話

初投稿です。

よろしくお願いします!

「ねぇキース。とっても面白い話があるんだけど」

「却下だ」

「……」


 朝の陽気さが差し込む執務室で、手に持った書類から目を離すことなく、無愛想な声で返すキースの頭を私は睨みつける。


「まだ何も言ってないじゃない」

「ルアナがそんな切り出し方をするときは絶対に良いことがない」

「何よその言い方。というか顔上げなさいよ、私客人よ?」

「朝の9時に知らせもなく執務室に突撃してくる奴を俺は客人とは呼ばない」


 キースは頭が痛いと言わんばかりに目頭を抑えながらそう言うが、私からすれば知ったこっちゃない。

 グイッと彼の両頬を抑えて頭を上げさせるとキースの薄紫色の瞳が僅かに見開かれた。


「おい」

「こっちを見ないからよ。……それにしてもキース……」


 キースは抗議の声をあげるが私は軽くあしらい、キースの顔をまじまじと見つめる。

 剣の訓練を屋外で行っているくせに真っ白でシミ一つない肌。毛穴すら見つからない。鼻筋はシュッとしていて高さもあり、切れ長の目の中にある瞳は綺麗な薄紫色。紺色の睫毛は「つけまつげかそれは?」と問いたくなるほどバッサバサ。形の良い眉に薄い唇。全てが完璧な場所に配置されている。極めつけはサラッサラでツヤツヤな紺色の髪。

 まさしく絶世の美男子である。


「……ほんとイケメンに育ったよね」

「はぁ? 訳が分からないこと抜かしてないで放せ」

「はいはい」


 傲岸不遜に訴えるキースの両頬からぱっと手を離し、くるりと踵を返した私は執務室に置かれている客人用のソファに腰掛ける。

 2つのソファに挟まれるようにして置かれたローテーブルには、温かい紅茶と私が大好きなクッキーが乗っていた。


 美味しい美味しいガーランド家特製のクッキーを頬張りながら、ちらりとキースを見る。書類に意識を戻した彼は仕事用の眼鏡をかけていて集中しているように見えた。


(ほんとイケメンに育ったよね……悪役令息らしく……)


 そんな彼を見ながら私は心のなかでそう呟き、小さくため息をついた。


お読みいただき、ありがとうございました。

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