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プリンスの冒険  作者: テレパスたまちゃん
第二章 プリンスの冒険
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3 占いと噂

 階段を上がると再び同じ景色が広がる。


 ソードマンとウィザードが前を歩き、その後ろを俺とプリエステスが続く。時折現れる魔獣は前の二人が即座に切り捨てたり、小さな竜巻きで意識を刈りとる。魔石は溜まっていくが、いずれも小さいので荷物にはならなかった。


 プリエステスが前を見ながら、声を低くして話しかけてくる。

「そういえば、先日、信仰者共同体エクレシアでプリンセスにお会いしましたが、プリンスのことを心配していました。特に今回の試練の塔のことを」


 プリンセスとは王位継承権第二位の、一つ下の妹だ。妹と俺は仲がいい。妹は王位には興味がなく、カッコいい探索者と結婚して、国々を旅行、探索しながらおいしいものをたくさん食べたいそうだ。早く俺に王位を継いでもらって自分は自由の身になりたいと、いつも言っている。


「心配? なんの心配だろう?」


「どうも占いではよくない兆候が出たとか。よくない噂もあるとか。プリンスは耳にしていませんか」


「占いの話は聞いているよ。妹は心配症だからね。占いはあくまでも占いさ。ソードマン、ウィザード、それにあなたもいる。対策はしっかりしてるつもりだ」


「噂は……聞いていますか」


「いや、聞いてない。よくない話は俺の耳に入れないように、周りの人間が配慮していたのだろう。どんな噂だ?」


「プリンスを失脚させて、プリンセスが王位を継ぎ、他国から婿を取らせようという話です……」


「なるほど、そんな噂だったら、プリンセスはさぞかし心配だろう。あいつは早く俺に王位を継がせようとしているからね。さては、もうカッコいい探索者を見つけたのかな」


「それはまだのようです」


「……なぜわかる?」


「同じ女どうしですから。そんな話もよくしてるので」


「えっ? プリンセスとそんな話までしてるのか?」


「……ええ、実は、仲がいいんです。目立たないようにしているので、気づいている人は少ないですが。私の相談もいろいろしてるんです」


「それは驚きだ。人の繋がりってわからないな」


 プリエステスは、ええ、ほんとうに、誰がどこで繋がっているかはわからないですね、と微笑みながら答えた。



 話に夢中になっていたが、三階層への階段が見つかったようだ。前を歩いていた二人が、こっちだと声をかけてきた。








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