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プリンスの冒険  作者: テレパスたまちゃん
第一章 プリンをめぐる冒険
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3 違反

 たまちゃんと別れたあと、スーパーに向かった。


 牛乳や豆乳、ヨーグルトにゼリーと並んで、プリンがある。いろんなメーカーから出ている。


 僕は、少し古い言い方になるが、実は魔法使いである。


 たくさんのプリンから一つを取って、補助魔法【鑑定】を使用した。プリンと書かれた容器の反対側には、原材料が書かれている。


 糖類(砂糖・異性化液糖、ぶどう糖、水飴)、乳製品、植物油脂、でん粉、ゼラチン、寒天/ゲル化剤(増粘多糖類)、乳化剤、香料、着色料(カラメル、カロチノイド)


 もう一つ取って、【鑑定】を発動する。


 加糖練乳(国内製造)、砂糖、ローストシュガー、植物油脂、脱脂粉乳、生乳、バター、加糖卵黄、クリーム、濃縮にんじん汁、食塩、うるち米でん粉、こんにゃく粉、寒天/糊料(増粘多糖類)、香料、酸味料



 もう一つ取ってみた。【鑑定】を試みる。


 卵、砂糖、全粉乳、カラメルソース、クリーム、ミルクカルシウム/香料、乳化剤、増粘多糖類


 これは少ないかな。


 しかし、やはり添加物はある。これは姉に怒られるパターンだ。姉の指示は厳しい。

 あの姉のことだ、きっと世之介にコッソリ跡をつけさせているに違いない。世之介は姉が使役している式神、思業式である。姉が言うには、透明な人型で簡単な命令が可能なんだそうだ。私の力はここまで大きくなったと自慢して、世之介と名前をつけた。陰陽師でもないのに、姉はどこでその力を得たのか。しかし、命名力は大したことはない。もっとカッコいい名前がよかったと思うよ。


 僕はコンビニに向かうことにした。


 今、思いついたのだが、牛さんのチートは、そのまま、人語が理解できるで、いいんじゃないかな。でも人語が理解できるくらいじゃダメか。そもそも理解できていることが相手にはわからないだろう。言うことをよく聞くかしこい牛ぐらいの認識で終わりそうだ。

 却下だ。


 コンビニに着くと、いらっしゃませ、と少したどたどしい日本語が聞こえた。最近コンビニの店員さんは異国の人が多い。しかも支払いがよくわからないでいると親切に教えてくれる。

 デザート類が置いてあるところに行くと、プリンがあった。


 手にとって【鑑定】をかけると


 乳製品(国内製造)、液卵黄(卵を含む)、砂糖、水あめ、カラメルシロップ、小麦粉、豆乳(大豆を含む)、ゼラチン/グリシン、増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)


 うーん。



 隣にあるプリンを手に取ると、【鑑定】をかける前に、容器の横がすぐに見えてしまった。



 乳製品、砂糖、液全卵、液卵黄



 おお〜っ。これならいいじゃないか。きっと姉も許すだろう。


 僕はこのプリンを買って帰ることにした。






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