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ママと召喚と聖姫と異世界Ⅱ


「――ひとまずのご説明は以上となります。御質問御用命がございましたら何でも承りますので気軽にお申しつけ下さい」

「は、はあ……」


 混乱のあまりママに抱き着いたまま動かないわたしをそのままに、やたらと装飾華美なのに見劣りしない美貌の神父っぽい人が説明をしてくれた。

 なんと、ここは異世界でわたしは聖姫という聖女っぽいポジションとして召喚されたらしい。


 説明途中でまさかファンタジー定番の魔王退治とかをやらされるんだろうか、と青褪めたわたしの顔色をどう思ったのか、神父様は安心させるように親切丁寧に教えてくれた。

 どうやらわたしは居るだけでいい存在らしい。というか、ママの視線が気になったのかめちゃくちゃ遠回しに言われたことをぶっちゃけると、この国で複数人と恋愛、出来れば結婚して幸せに過ごすだけで良いらしい。

 なにそれ、なんて乙女げー……?


 たぶん、見るからにこのキラキラしい美形集団はわたしの為に用意されたとかじゃなかろうか。……だからだったのか。さっきから明らかにわたしを気にしてますってぐさぐさ視線を送ってて落ち着かない。

 とはいえまさかの母同伴は想定外だったのか、ママが気になって視線だけ送って全く近付いてこないが。


「あ、あの……」

「――とりあえず、倒れていた娘を早く休ませたいので部屋を用意して貰えますか」

「かしこまりました」


 神父っぽい人の説明から妙に気まずい沈黙と視線の集中が続いたのに耐えきれず声を掛けようとすると、はきはきとした有無を言わさぬママの声がわたしの声を遮って要望を圧強めで突き付けた。

 色々いきなり過ぎて反応に困ってたわたしにとって、この時だけは普段の所業を忘れてママに後光が差して見えていたのは言うまでもない。

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