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ママと冒険者と許可制と罠XIV


『――シャルル・レーツェルリーベ。(マイナス)28%。美。状態:普通』

「ま、いなす……!?」


 ――まいなすって、マイナスッ!? それに美ッ!?

 って何!? そしてなんでこんな無駄にリアルな数値……ッ!


「マイナス……」


 ちらっとシャルル美少女を見ると、わたしがブツブツ指輪に向かって喋ってるのを珍妙な生物でも見るように一歩引いて遠巻きにしていた。ドン引きじゃん。

 この反応を見るに、やっぱりネタ装備じゃなかった……? それはそれで普通にショック!!


「……登録は終わったのか?」

「……うん。ばっちり」


 心なし遠い距離からの問いかけに、なんとなく気まずくなってそっぽを向いて答えた。

 ……だって、明確な数値でわたしが嫌われてるって知った直後だよ? どんな顔すればいいかなんて分からないのが人情ってものでしょ。


「ならここの出口を確認してみろ」

「どうすればいいの?」

「――聖具は万智だと言い伝えられている。お前の名前に反応したように、聖姫が問いかければ答えるはずだ」

「――――」


 わたしはその話を聞いて、無言で指輪を壊れろとばかりに凝視した。

 ――やっぱりガッツリ無視してたんじゃんこの指輪ッ!


「どうした? 早く問いかけてみろ」

「く……」


 ――納得いかない。色々納得いかないけど!


 今はこの不良品に頼るしかないのも事実。もしかしたら聞き方とかが悪かったのかもしれない。スマホのAIだって問い方が悪いと頻繁に「すみません、よくわかりません」とか宣ってたし。

 異世界とはいえここでもそういうものなのかもしれない。仕方なしに指輪を穴が開くほど睨みつけるのを抑え、なるべく平常心で聞き方を変えてみた。


「Hey、聖具! ここからの出口はどこ!」

『すみません、よくわかりません』

「だあああああああ!!」


 今すぐどこかに投げつけたい衝動に駆られたけど、残念ながらこの不良品は取り外し不可だったから無駄に指を引っ張って痛めただけに終わった。

 なんでここだけ無駄に素早く答えられるの? 知らないならせめてさっきみたいに沈黙を貫いてよ! しかも何故わざわざその文言が……。


「出口! でーぐーちっ! 出口!」

『すみません、よくわかりません』

「ああああああああ!! もうなんなのこの不良品ッ! 使えない!」


 投げつけられない代わりに、ぶんぶんと手を振って苛々を発散させる。女神の一部らしいのに、あまりにも使え無さ過ぎて泣きそうだ。

 ……そういえば何も言ってないのに急に好感度とか開示し出したし、こんなところにずっと落ちて放置されてたならとっくに壊れてたとかじゃ……。


「――だめみたい。何回出口を聞いても分かりませんしか言わないよ。こんなところに落ちてたんだし、ずっと手入れされてないならきっともう壊れてたんだよ……」

「そうか。なら次はここがどこか聞いてみろ」

「ねえ、まさかあなたもわたしの声が聞こえてないの?」

「聞こえてるが。――いいから俺の言った通りに聞いてみろ」

「はあ、いいけど……」


 壊れてると訴えても何か確信でもあるらしいシャルル美少女の自信満々な態度を見て、もう一度深呼吸で平常心に戻す。

 繰り返す文言で色々思い出してあまりにイラッとしたせいで、ちょっと冷静さに欠けていたかもしれない。

 もう一度チャレンジだ!


「聖具。ここはどこなの」

『――現在地、シャレミイお手製ボーナスステージ。第七層休憩所』

「ぼ、ぼぼぼ」


 ボーナスステージ、ですとぉ――!?

‼($艸$)‼ ←ボーナスステージと聞いたミアの顔(※参考資料より抜粋)

ちゃりんちゃりん……。

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