ビビリ、泣きそうになる(ビビリ視点・ざまあ)
「これで王国騎士団は僕の物だ!」
ビビリは宮廷を楽しそうにスキップしながら歩いていた。
彼は今、これから自分が管理する王国騎士団の様子を見に行こうとしている。
そりゃあ、新しく団長になるのだ。
挨拶の一つや二つしておかないとな。
王国騎士団は今頃、訓練場で訓練をしているはずだ。
ビビリは庭に出て訓練場へと向かう。
――お。やってるやってる。
そこには、黄金の装備を身に着けた騎士団の姿があった。
「おほぉ! あの子が王国騎士団で一番強くて超可愛いって噂の副団長ルインちゃんだなぁ? 兄さんのやつ、あの子を独占してたなんて羨ましいぜ」
ビビリの視線は、剣を振るっている美少女に向かっていた。
金色の髪が剣を振るのと同時になびいている。
よし、早速挨拶してやろう。
そして――ガハハハ!
想像するだけで笑えてしまう。
きっと、《剣聖》を持つ自分を見たら彼女はすぐさま忠誠を誓うだろう。
そうなったらもう自分のものだ。
なんて思いながら、ビビリはウキウキで騎士団に挨拶をする。
「お前ら、《剣聖》持ちの僕が来てやったぞ!!」
さぞかし喜び、はしゃぎまわるだろう。
そう考えていたのだが、誰もビビりの方には振り向かない。
「お、おい! 《剣聖》の僕が来たんだぞ!」
もっと声を張って叫んでみる。
が、反応は変わらない。
「おい! おい――」
何度も叫んでいると、突然頭の上をなにかが超スピードで通り抜けていった。
な、なんだ……?
恐る恐る振り返ってみると、宮廷の壁には訓練用の木剣が砕け散っていた。
「貴様、我らが騎士団長をどこにやった」
「え……?」
思わず変な声が漏れてしまう。
そりゃそうだ。
後ろを見て、前に視線を戻してみたら目の前にルインの姿があったのだ。
ルインの手には木剣ではなく、真剣が握られており、少しでも動けば命を持っていかれそうだ。
ビビリは混乱しながらも、咳払いをして自身を落ち着かせる。
大丈夫。大丈夫だ。
「アルンは宮廷から追放された……だから《剣聖》の僕が新しい騎士団長に――ひっ!?」
首筋に剣が当たる。
「アルン団長だ。我らが騎士団長を呼び捨てにするな。第二王子風情が」
「え、え……?」
おかしい。
どうして《剣聖》の自分がこんなにも責められているのだろうか。
どうして敵意を向けられているのだろうか。
他の騎士たちもそうだ。
自分を明らかに敵として認識している。
「一応聞いてやる。どうしてアルン団長を追放した」
「あいつがスキル無しの無能だから――」
瞬間、足蹴りを食らった。
ビビリが耐えきれるわけもなく、地面に転がる。
見上げると、蔑むような瞳をルインが向けていた。
「立ち上がれ。せっかくだ、試してやろう。この木剣を握れ」
そう言って、ルインは木剣を投げ渡してきた。
ビビリは恐る恐る受け取り、震えながら立ち上がる。
「お前が私に勝つことができたら認めてやろう。だが、もし負ければ私はここを出ていく」
「な、なんだって!?」
ルインが出ていけば、王国騎士団の戦力はガタ落ち。
父上にもきっと怒られてしまう。
「……分かった。《剣聖》の力、見せてやる!」
ざまぁ視点入ります。ビビリさん、どんどん没落して行きますよー!
さて、評価が欲しいです(切実)ランキング入りたいです(お願い)
少しでも面白いと思ってくださった方で、まだ広告下の☆☆☆☆☆を★★★★★にしていない方はぜひしていってください!
本当に励みになります、泣きます!!
よろしくお願いします!




