盗賊団をぶっ飛ばす(ぷちざまぁ)
「ヒャッハー!!!! ここにある資材、全部もらいに来たぜー!!」
馬に乗った盗賊団が、俺の眼の前まで来て止まる。
「全部寄越しやがれ――ってあれ? ここの領地ってこんなに豊かだったか?」
「団長、明らかになにか変わってますぜ……」
「ここまで豊かじゃなかったはずですぜ――って、正面に見慣れない顔のやつが!」
一人の盗賊が俺の方を指さしてくる。
すると、団長らしき人物が俺の方に視線を向けてきた。
「なんだぁてめぇ!! 俺様を見てビビらねえなんてこの領地の者じゃねえな?」
団長、もといスキンヘッドがツバを撒き散らしながら叫ぶ。
「ああ。俺は新しくここの領主になったアルンだ。歓迎は嬉しいが、領民が怖がっているのだが」
「はっ! お前が領主だぁ!? 笑わせんな、ここがどうしてこうなってるかは知らねえがお前みたいなへなちょこが領主なんて、俺様たちにとっては都合がいいぜ!」
そう言って、スキンヘッドが剣を引き抜いて空に掲げる。
「殺されたくなかったら、今すぐにここにある資材を全部よこせ!」
思わず嘆息してしまう。
ちらりとリーンの方を見て、
「いつもこんな感じで資材を持ってかれているのか?」
「はい……そのせいで貧しい領民の生活がさらに厳しくなって……」
「ふむ。おい、スキンヘッド」
「誰がスキンヘッドだ!! 俺様は盗賊団の団長だぞ? せめて様をつけろ様を!」
「ならスキンヘッド様。今すぐに出ていかないと大変なことになるが構わないのか?」
「はぁ? 大変なことになるってどうするつもりだよ!! まったく、笑わせるな!!」
スキンヘッドが笑いだすと、その他盗賊たちもゲラゲラと笑い出した。
まったく、無知なのもいいところだ。
「ちなみに質問するが、ここの領主の屋敷にはSランクのドラゴンが住み着いてるのを知っているか?」
「もちろんだ! そいつのせいで国家からは見放され、新しい領主も来ない。そんな都合のいい領地が完成しているおかげで盗賊団も儲かっているんだからな!」
「ならもう一度質問するが、俺が何者なのかってのは覚えているのか?」
「そりゃもう! ここの新しい領主だろ? そんなの決まって――」
刹那、スキンヘッドの顔面が真っ青になる。
ガタガタと体を震わせ、俺に化け物でも見るかのような視線を送ってきた。
「あの……団長? どうされたんですかい?」
「て、てめえら……気が付かねえのか?」
スキンヘッドが言うが、盗賊たちは小首を傾げるばかりである。
すると、団長が続けて喋る。
「ここに領主がいるってことはよぉ……そのSランクのドラゴンがどうなったって思わねえか……?」
やっと周りも理解したのか、俺の方を見て震え始めた。
「だ、団長様直々に聞いてやる! ドラゴンはどうなったんだ……!」
「そりゃあ――」
ルーシャの肩を叩き、ニヤリと笑う。
彼女も意味を理解したのか、俺の方を見てニヤリと笑った。
瞬間、ルーシャは人間の姿から本来のフレイムドラゴンの姿になる。
「こういうことだよ」
――ギシャァァァァァァァァァァァ!!!!
ルーシャの咆哮が領地に轟く。
それはもう鼓膜がはち切れんばかりの音量だ。
「えーと、そっちは数十人。んで、こっちはSランクの魔物がいるわけだけどさ。どうする?」
「も、もし退かなかったらどうするつもりなんだ……?」
「そうだな。せっかくだ、彼女の能力も見たいし試しに焼き払ってもらおうかな」
状況を理解したのか、ずっと黙って呆けていたリーンも俺の隣でニヤニヤし始めた。
「あのー、盗賊団の皆さん。今までのお礼、わたしたちたっぷり致しますね♡」
「て、てめえら!! 今すぐ逃げるぞ!!」
瞬時に危険だと判断したのか、スキンヘッドが指示を送って踵を返して逃げ始めた。
まあ、それだけでいいのだが念には念のためだ。
「ルーシャ。しばらく追い回してやれ」
「分かった!」
ルーシャが翼を広げ、逃げていく盗賊団に向かって飛び立つ。
「「「「「うわぁぁぁぁぁぁ!! ドラゴンがこっち来たぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」」」
もちろんルーシャも考えているのか、スレスレの距離をキープしながら追い回していた。
ま、これでもうこの領地には来ないだろうな。
「ぐへへへへ。いい気味です」
「リーン、お前今すっげえ悪い顔してるぞ」
「はわっ!? お恥ずかしいところを……!」
「いいんだ。あいつらには復讐したかっただろ? 存分に笑ってやれ」
「いいんですか? 笑いますよ? ぐへへへへへへへへへへ!」
笑い方が明らかに悪役なのはツッコまないでやることにした。
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