アルマ王子との一幕②完
というわけで、屋敷の裏庭でアルマと一対一をすることになった。
あまりにも久しぶりに木剣を握るので、少し馴染まない。
「本当に久しぶりだね! ずっとアルン殿と戦いたかったからウズウズするよ!」
「俺もだ。お前とは毎回いい勝負していたからな」
剣技に関しては、アルマの方が才能があったりする。
《剣心》というスキル自体はそれほど能力が高いわけではないのだが、アルマの精神力と魔力量で効果が底上げされているのだ。
「アルン様頑張ってくださーい!」
リーンがぶんぶんと手を振って俺を応援してくれている。
誰かに応援されながらやるなんてこと、確かなかったな。
今までは勉強の視線というか、ルインが熱い視線を送ってきていただけだからな。
なかなかに新鮮だ。
「それじゃあ、行くよ! 《剣心》!」
刹那、一気に場に緊張感が走る。
おおお……さすがはアルマのスキルだ。
体の動きが鈍くなった。
まるで何者かに抑え込まれているようである。
だが……俺には無意味だ。
それくらいじゃあ、俺は負けない。
「はぁ!」
アルマが剣を振るってくるが、俺はそれを軽く受け流す。
受け止めてもいいのだが、多分もろに喰らうと木剣が折れるからな。
いつもこうやって、攻撃は受け流すようにしている。
「おいおい。少し鈍ってきたんじゃないのか?」
「しばらく戦ってなかったからね……! でもアルン殿と戦っていると、昔のセンスを思い出せそうだよ」
もう一度一閃。
俺はさらにそれを受け流す。
「な、なんだかお二人の空間だけ歪んで見えます……!」
リーンが不思議そうに言う。
「それはな、アルマの《剣心》がやべえんだ。これ、普通に空間すら捻じ曲げて動き封じてくるタイプの厄介なスキルだからな」
「厄介なんて嬉しいこと言ってくれるじゃないか……!」
《剣心》スキル。文字通り、心が強く影響してくるスキル。
鈍っていると言ったが彼の心はさらに成長しているように思える。
「厄介だ――でも甘いな」
「うわっ……」
俺は相手の剣の持ちてを狙って、軽くすくい上げる。
すると、アルマから木剣が離れて地面に転がった。
木剣をアルマに向けて、笑みを浮かべる。
「少し照れただろ。隙だらけだ」
「ああ……ハメられたなこれは」
勝負ありだな。
アルマに手を伸ばし、立ち上がらせる。
そして、改めて握手をした。
「やっぱりアルン殿との試合は勉強になるよ。ありがとう」
「いやいや。俺も楽しかったぜ」
さて、と。
もう少しアルマと話でもして解散かな。
なんて考えていると、リーンが興奮した様子で話しかけてきた。
「今の試合すごかったです! もう一般人にはたどり着けない領域でしたよ!」
苦笑しながらアルマの方を向き、
「だってよ」
「ありがたい言葉だよ」
しかし、確かに楽しい試合だった。
やっぱり心理戦が一番肌に合うな。
俺もなんやかんやで改めて勉強になった。
アルマには感謝しないと。
あと少し更新します!
【読者の皆様へ大切なお願い】
皆さまのおかげで今もランキングを戦えています!
これも皆様の応援のおかげです!ありがとうございます!
そこで皆様に大切なお願いがあります。
数秒で終わりますので、是非よろしくお願いします。
面白かった!
続きが気になる!
応援するぜ!
など、少しでも思ってくださった方は、
このページの下(広告の下)にある「☆☆☆☆☆」を押して評価をしてくださると嬉しいです!
(すでに評価、ブックマークしてくださっている読者様へ。励みになっております。大感謝!)
ランキングを上げるには約【50人】の力が必要です。
今現在、ブックマークをしていただけている方が約900名。評価していただけてる方が200名います。
残りの【700人】の皆様にお願いです!
めんどくせえなぁとは思いますが、「仕方ないなぁ」と入れていただけると嬉しいです!
作者の元気になりますので、よろしくお願いします!




