ビビリの報告(ビビリ視点・ざまあ)
ビビリは気がついたら、知らない街の路地裏にいた。
相変わらず痛む体を抑えながら、壁にもたれかかる。
どうにか意識をはっきりさせるために、唇を噛み締めた。
血を流しながら、痛みを更に与えながら、意識を保つ。
「ここは……どこだ……」
どこか人に出会うのは嫌で、バレないように路地から顔を出す。
大通りが見え、数多くの人々が往来していた。
――知っている。ここは僕の……王都だ。
戻ってきてしまったのか、とビビリは息を吐く。
父上のことが脳裏によぎったのだ。
これで会いに行ってしまったら何を言われるのだろうか。
いや……大丈夫だ。痛みは酷いが、それでも力は手に入った。
それに……主様はアルンと戦いにいった。
そして状況が悪化したから自分を転移させたんだ。
なら……自分は主様から解放されたのではないか?
道具かもしれないけど、主様が死んだ今なら自分に残るのは痛みのみ。
まだマシになったのかもしれない。
「と、とりあえず父上に挨拶を……」
きっと心配しているはずだ。
あんなことを言っているが、それでも自分の父親なのだ。
ビビリは人の目を避けながら、宮廷へと向かう。
久しぶりに戻る宮廷。
歩いていると、何人かの使用人とすれ違ったが誰もが口を押さえて驚いていた。
こんなにボロボロだと、当然だろう。
壁に背中を預けながら歩き、王の間へとやってきた。
扉を押し開くと、懐かしい顔が見える。
「ビビリか! なんだその傷は……!?」
驚いた表情を国王は浮かべる。
しかし、アルンがいないことに気がついてからは硬い表情になった。
冷静に、冷徹にビビりを見据える。
「……アルンはどうした。連れ帰ってくるのであろう。どこにいる」
「アルンは、無理でした。ですが、僕は強大な力を――」
「黙らんか!!」
「ひっ……」
国王が玉座を叩く。
立ち上がり、ビビリの胸ぐらを掴んだ。
「アルンがいないと意味がないのだ! この無能が!」
「え……? そんな、そんな……」
そうだ。忘れていた。
国王は自分を求めているんじゃない。アルンを求めているんだ。
どれだけ強くなろうと、意味がないのだ。
なんて馬鹿だったんだ。
「出て行け! アルンを連れ戻すまで絶対に帰ってくるな!」
ビビリは突き飛ばされ、床に転がる。
どうにか立ち上がり、王の間から立ち去る。
廊下の壁にもたれ、そして天井を見上げた。
「どうすればいいんだ……?」
「アルンを殺せばいい」
ふと声がした方を見てみると、一人の使用人がいた。
見たこともない、使用人である。
新しく雇ったのだろうか。
「我が道具よ」
その瞬間、ビビリの背筋は凍った。
これにて4章完結!ここまで書くことができたのも、皆様の応援があったからです!改めて、最大級の感謝を。
今回の章は「変化」をイメージして書きましたが、次章は何にしましょうかと悩んでおります。ただ、驚くような展開にしていきたいと思っております!
さて、4章完結ということでお祝いが欲しかったりします|´-`)チラッ
そこで、【読者の皆様へ大切なお願い】!!!!
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