鬼人族の最期
「それじゃあ、俺は行ってくるよ」
俺はリーンたち三人の前で、そんなことを言う。
ガウルとの決着をつけなくてはならないからだ。
彼の反応位置はまだ変わっていない。
後はそこまで転移して殴るのみだ。
「お一人で……行かれるのですか?」
「大丈夫?」
「私は領地を護るのに専念する。が、少し心配だ」
やっぱり三人には心配されるか。
俺は苦笑しながら答える。
「これは俺がやらなくちゃいけないことなんだ」
相手は過去の人間。
それも、俺に影響されて出てきたのだ。
現代の人たちには無関係。
関係を持たせてはならない。
「……信じています」
「ああ。そう言ってくれると助かる。それじゃあ、領地はよろしくな」
そう言って、俺は転移スキルを発動した。
◆
転移した場所は森の中だった。
この辺りにガウルの野郎がいるはずなんだが……。
「来たんだ!」
そこには、一体の鬼人族がいた。
しかし――鬼人族しか見当たらない。
「おい……他はどうした」
「いるわけないでしょ? だって怪我してるんだもん!」
おかしい。確かに反応は――
いや、《生命把握》には鬼人族しか反応していない。
だが《マッピング》では四つの反応がある。
となると……やられたか。
「そうか。なら悪いが、他のやつらの場所を教えてくれないか」
「断ると言ったら?」
「無理やり吐かす」
俺は思い切り加速し、相手へと距離を詰める。
魔剣を取り出し、相手へと突きつけた。
しかし、その魔剣は空を切る。
いや、確かに魔剣は相手に当っていた。
すり抜けたのだ。
「効かないよ!」
鬼人族はケラケラと笑う。
なるほどな。そういうことをするか。
「もうどうすれば勝てるのかわからないでしょ?」
「ああそうだな。困ったよ」
俺も飄々として答える。
いや、本当に困ったよ。
ルーシャが優秀で困った。
「あれ……?」
俺は近づき、零距離で魔法弾を放った。
相手の胸はえぐれ、見事に空洞ができる。
ふらふらとよろめきながら、どうしてか分からないように俺を見ていた。
ルーシャは鬼人族との戦闘時、物理攻撃は使っていなかった。
つまりは、戦闘中に彼女の特性を見抜いていたわけだ。
物理攻撃不可の特性を。
「俺の戦い方、ちゃんと主様に聞いていなかったのか?」
「た、確かお前は物理戦闘を得意としていたはず……」
「ああそうだ。千年前は大賢者なのに、剣技にハマっていたからな。我ながら矛盾しているよ」
「でも……こんな高威力の魔法弾をどうして人間が……」
いや……それに関してはなぁ。
「だって、俺の第一のスキルは《大賢者》だからね」
さてと。
俺は鬼人族に近づき、視線をあわせる。
「他の仲間はどこにいった?」
聞くと、鬼人族は悔しそうに唇を噛む。
「リダー公爵領……だよ」
「は? リダー公爵だと?」
あいつなら大丈夫だろうが……また面倒なところに行きやがったな。
完全に俺の知人を当たりに行っている。
「仕方がない。行くか」
踵を返し、転移しようとすると後ろから俺の服を掴んできた。
「死ぬのか……僕は」
彼女の傷からして、直に死ぬのは間違いない。
魔族はある程度の傷なら問題ないが、彼女はコアである心臓部分が負傷している。
回復スキルを施してもいいが、彼女の罪は大きい。
「申し訳ないが……俺にはできない。だが、苦しまないように」
痛み、苦しみからの《解放》スキル。
それを彼女に発動し、俺は立ち上がる。
ちらりと鬼人族は俺の方を見て、
「大罪人によくそんなことできるね……」
「まあ……責任だから」
これは――俺の責任である。
彼女をガウルの手下にしてしまったのも、辿れば俺の責任になるだろう。
ならば、最期は俺が楽にしてやるべきだ。
「……それじゃあな」
「ああ……大罪人にしては楽な最期だ……」
第四章開幕!!さぁ、やっていきましょう!
【読者の皆様へ大切なお願い】
皆さまのおかげで今もランキングを戦えています!
これも皆様の応援のおかげです!ありがとうございます!
そこで皆様に大切なお願いがあります。
数秒で終わりますので、是非よろしくお願いします。
面白かった!
続きが気になる!
応援するぜ!
など、少しでも思ってくださった方は、
このページの下(広告の下)にある「☆☆☆☆☆」を押して評価をしてくださると嬉しいです!
(すでに評価、ブックマークしてくださっている読者様へ。励みになっております。大感謝!)
新章も盛り上げて参りますので、どうぞよろしくお願いします!




