安否確認
ルル伯爵邸に来た俺は、ひとまず安心した。
予想通り、この辺りには被害は及んでいないらしい。
ただ、別の領地に移動しようとしている領民の姿が多く見えた。
それもそうだ。近くの街であれほどの騒動が起これば誰だって避難する。
ノックをして入るのが常識的だが、事態は緊急だ。
俺は使用人たちを横切りながらルル伯爵の部屋に向かう。
使用人たちも事態のことを分かっているのだろう。
誰も俺たちを止めようとはしなかった。
「ルル伯爵……よかった。無事だったんですね」
「ああ……アルン、いやアルン様。話はすぐに届いた……本当にありがとう……」
ルル伯爵は泣きながら頭を下げた。
俺は慌ててルル伯爵の頭をあげようとするが。
「いや、私は君に悪いことをした。なのに救ってくれるなんて……私は罪深き男だ」
「いいんです。今は仲間だと思っていますから」
「アルン様……ありがとう」
やっとルル伯爵が顔を上げたので、俺は本題に入る。
「いつ頃から彼らの襲撃は始まったんですか?」
聞くと、ルル伯爵はなんとも言えない表情を浮かべる。
「それが、今日の朝方。急になんだ。なんの前触れもなく攻撃は始まった。しかし奇妙なんだ」
「奇妙?」
尋ねると、ルル伯爵は頷く。
「被害はバート領付近に留まっていた。それでも大打撃には変わりないが……」
「……なるほど」
となると、ガウルは俺が来るのを狙って襲撃したのか?
いや、そうとしか考えられないな。
確かに俺が見た時も、バート領近くの街しか攻撃されていなかった。
まるで、俺を呼び寄せるかのような動きとも捉えられる。
「分かりました。多分、ここら辺は狙われることはないと思いますので、ひとまず安心してください」
「そうなのか……? 魔族が私を狙っているのだと思っていたが……」
「まあ、普通ならそうでしょうが。相手は多分俺を狙ってます」
「アルン様を……?」
「はい。そうなると、バート領を狙うと思うのですが相手は危険だと踏んだのでしょう。なにより、こちらには強力な結界を張っていますから。魔族は関与することはできないはずです。なので、俺を呼び寄せるためにルル伯爵領を狙ったのかと」
「そうか……難しい話は分からないが、とにかく万が一に備えてこちらは領民の避難を優先しよう」
「念のためを考えると、それが一番です。それでは、俺は一度バート領に戻って態勢を整えてきます」
「私に……何かできることはあるか?」
俺は踵を返し、顔だけちらりと見る。
「大丈夫です。まずは領民の安全を第一にお願いします」
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