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千年ぶりだな

「久しい魔力の気配を感じる……。そこにいるのだな、大賢者よ」


 バレるか……。

 ここは魔力隠蔽でも発動しておくべきだったな。


 過去はそんな芸当持ち合わせていなかったはずなんだけど。

 少し見誤ったか。


『どうするの?』

『バレたら仕方がない。隠れていても一緒だ』


 俺は《透明化》スキルを解除する。

 ルーシャから降りて、フードの男――ガウルを見据える。


「千年ぶりだな。ガウル」

「お前の転生を待っていた。我が友人よ」


「友人なんて言われる筋合いはねえよ。相変わらずお前は転生後もあれか。くだらないことをやっているのか」


 そういうと、後ろに控えていた三人の魔族が何か言い始めた。


「主様になんてことを!」

「これくらい気にすることでもないよぉ」

「別にいいじゃん! 主様の方が強いんだから!」


 竜人族は顔を真っ赤にし、ダークエルフと鬼人族は平気そうな顔を浮かべている。

 後ろの魔族からも、かなり強大な魔力を感じるが――やはり主と呼ばれているだけガウルは異質だ。


 飛び抜けて、魔力が発達している。

 転生前、ガウルと戦った際とは段違いだ。


 彼は間違いなく成長している。


「くだらないことではない。千年前の願いをもう一度叶えるために我は動いている」

「魔物の繁栄。別に否定はしないが、人類を皆殺しにするって考えには肯定できないな。それにわざわざ俺が転生してから動くってさ、お前もなかなか計画性がないな」


「計画性はある。お前に復讐ができ、尚且つ魔物を繁栄させるという願いが叶う」

「偏ってんな。相変わらずだから俺は気にしないけどよ」


 こんな会話をしているが、ガウル自体は狂気だ。

 控えている魔族はどうにでもなると思うが、彼は別格。


 俺はルーシャにドラゴンの姿でいるよう指示し、彼女の前に立つ。


「さて、どうする。一対一でもするか? それとも、お前の家来でも倒してから行こうか?」


 窺うような形でガウルに尋ねる。

 一対一なら速攻決着が付けられるからマシだが、いかんせんここだと場所が場所だ。


 間違いなく、戦闘する際に街が壊れていく。

 他の魔族と戦う場合は……大丈夫だと思う。


「言っただろう。我は計画的なのだ」


 そう言って、彼は腕を前に出す。

 なるほどな。つまり、そういうことか。


「我の計画はまだ序章にすぎない」

「分かったよ。それじゃあ、俺もその計画に乗ってやる」


「お前ら、行け」


 体がスキルの効果によって消えていくガウルの声とともに、魔族が攻撃を開始した。


「ルーシャ! 覚悟決めろよ!」

「うん!」

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