ルル伯爵領の異変
「なに? ルル伯爵領が攻撃されているのか?」
「はい。そのようで……」
突如、その一報は届いた。
以前開通させたトンネルから多くの人間がこちらの領地に逃げ込んできているらしく、そこからリーンへと伝わったらしい。
「おかしいな……ここ最近は魔物の動きはなかったはずだが――」
そこでふと、例の出来事を思い出す。
ゴブリンたちや吸血鬼の件だ。
確か……『主』とか言っていたよな。
まさかそれ関連か……いや、ひとまずは状況を確認すべきだ。
「ひとまず逃げてきた人たちは騎士団が保護するよう指示を出してくれ。俺はルーシャを連れてルル伯爵領に行ってくる」
「分かりました! ……お気をつけて」
とにかくまずはルル伯爵領の現状を確認しなければ話にならない。
俺は寝ているルーシャを叩き起こして街へと繰り出す。
「お怪我はないですか?」
「ああ……だが、私たちの街が……」
逃げてきたであろう男の人に尋ねる。
するとルーシャが男の人の体をくんくんと嗅ぎ、こちらに向いた。
「アルン、かなり香ばしい魔力の匂いがする……!」
「香ばしい魔力の匂い? 一体どういうことだ?」
「なんだか分かんないけど、すっごく不穏なの!」
少し抽象的すぎるな。
しかし魔力に敏感なルーシャがそういうのだ。
不味いものが攻めてきているのは間違いないだろう。
「思い出させてしまって申し訳ないのですが、『何』が攻めてきたんですか?」
尋ねると、男の人は震えながら答える。
「分からない……でも、大群じゃあないんだ……」
「大群じゃない? 魔物の数のことですか?」
これほどの人間が逃げてきているということは、かなりの魔物が攻めきている――そう思っていたのだが。
違うとなるとどういうことだ?
男の人は変わらず震えながら、質問に答える。
「たった数人だ。数人しかいないのに、一瞬にして街が……! ……すまない、もう思い出したくない」
「分かりました。すみません、ありがとうございます」
他の人たちにも聞いてみたが、同じように『たった数人』で街が破壊されているらしい。
何人いるのかは定かではないが、ごく少数なのは間違いないだろう。
しかし……今の時代にそんな能力を持つ人間がいるのか?
いや、いないはずだ。
たった一つのスキルで――たった数人で街を破壊するなんて不可能だ。
それにそんな人物がいたら、すでに重要人物として保護されているだろう。
「ルーシャ。一応聞くが、人間の香りがしたか? それとも魔族の香りがしたか?」
彼女ならきっと判断できるだろう。
そう踏んでいたのだが、ルーシャはむむむと唸る。
「分からない……どっちの匂いもする……もう頭おかしくなりそうなのだぁ!」
どっちの香りもする……?
となると、両方がいるのか?
魔族は人間の形をした種族――例に上げれば吸血鬼などが該当するのだが。
ともあれ人型の魔物といえば簡単だ。
しかし、魔族と人間が手を組むなんて話聞いたことがない。
少なくとも、『今の時代』に転生してからは。
「まさか……な」
嫌な予感がする。
心当たりがあるのだ。今、やっと思い出した。
一人だけ、過去に魔族と手を組んだ男がいたことを。
「ルーシャ。急ぎでルル伯爵領に向かうぞ」
「分かった!」
さて、今後個人的にめっちゃ面白くなってきますよ!
お楽しみに!
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