着々と計画は進行中……
ゴブリンたちが住まう森に移動し、すぅと息を吸い込む。
うーん、いい空気だ。やはり森の空気は新鮮でいいな。
それにしても、ゴブリンの森に来るのは久しぶりだな。
基本、ナムたちがこっちまで来てくれていたし。
そう考えるとなんだか申し訳ないことをしてしまっていたな。
俺は《収納》を発動し、手土産になるような何かがないか探す。
「これがいいな」
俺は異空間からランプを取り出す。
これはリダー公爵が送ってくれた支援物資の一つだ。
この前街灯を買いに行ってから「魔道具もほしいなら」とくれたのだ。
ゴブリンたちの住処は基本、松明を光源にしているから革命的な物になると思う。
そして、俺はナムたちが住まうダンジョンまでやってきた。
以前とは違い、農作物が多く育っていてかなり発展しているようだった。
畑の中に一人のゴブリンの姿が見える。
「ナムー! 元気してるかー!」
「あ! アルン様だゴブ! 元気しているゴブよー!」
全く、彼はまだゴブが抜けていないらしい。
謙虚なのはいいが、もう少し自信を持ってもいいと思うんだけど。
だが、彼らしいといえばそうだ。
彼の良い性格が出ていて、俺はなんやかんやで素敵だと思っている。
「作物、いい感じに育ってるじゃないか!」
「そうゴブね! これもアルン様のおかげゴブよ!」
「いーや、これはナムたちゴブリンがやったことだ。誇りに思った方がいいぞ」
「そ、そうゴブかね……!」
照れるナムの頭を撫でる。
するとまた照れて体をくねくねし始めた。
ゴブリン……可愛い!
「そうそう。これお土産」
俺はもう一度《収納》を発動し、ランプを取り出す。
もちろん一つだけじゃ足りないだろうから、五十個くらい取り出した。
「す、すごい! これが魔道具ゴブか!」
「魔道具を見るのは初めてか?」
「初めてゴブ! みんなも呼んでくるゴブね!」
「おうー」
とてとてと駆けていき、ナムたちが他のゴブリンも連れてきた。
そして、ランプを持っては感激していた。
「すごいぞこれ! 勝手に光っている!」
「なんだこの光……! 不思議だ……」
「でも綺麗じゃないか! アルン様ありがとう!」
「全然構わないよ。ぜひ使ってくれ。あ、でも十年おきに明かりが暗くなると思うから、その時は魔力を注いでくれ」
「「「分かった!」」」
さて。
ゴブリン全員が集まったのはちょうどいいな。
早速相談するか。
「少しお願いがあるんだけど、いいかな?」
すると、ナムがこちらに向いてこくりと頷く。
「もちろんゴブ! アルン様のためならなんでもするゴブよ!」
「ありがたい。で、相談ってのが街の観光地化を進めるのを手伝ってほしいんだ」
「観光地化ゴブ……?」
「ああ。街を盛り上げたくてな。そこで、魔物と人間。手を取り合う環境を作りたいと思っているんだ。なかなか魅力的だと思うんだけど、どうかな?」
すると、ナムは目を輝かせて頷く。
「人間と話すのは楽しいから、僕は賛成ゴブ! みんなはどうゴブか?」
「俺も賛成! というか、アルン様のお願いは絶対に答えるって決めているんだ!」
「僕も僕も!」
「楽しみだ!」
「らしいゴブ!」
「みんなありがとう! と言っても変わったことはしない。いつも通り、気が向いたら遊びに来てくれるだけでいいから」
「分かったゴブ! みんなと会うの楽しみだから全然大丈夫ゴブよ!」
やっぱり持つべきものは仲間だな。
「それじゃあ、よろしくな」
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