交渉成立
「うんうん。実に面白い。さすがはアルン殿だ」
そう言って、アルマは手を叩く。
彼の動作一つ一つが上品に見えるのは、さすがは王子といった感じだ。
俺が王家にいた頃は彼を参考にしていた節もある。
父上もそうだし、ビビリもあまり王族って感じじゃなかったもんな。
まあ……もとを辿れば建国したのは俺だからなんて言えばいいのか微妙だけど。
「転移装置の件は分かった。国の各所に設置するから、アルン殿の方にも設置してくれないかな?」
「もちろん。持ち運びに関しては心配しないでも大丈夫」
「あはは。そもそも君の実力を知っているから心配なんてしていないよ。なんせ、数多ものスキルを持っているんだからね」
「よせよせ。褒めても何も出ないぞ」
「別に褒めているわけじゃないよ。純粋に尊敬しているんだ」
そう言われると本当に恥ずかしくなってくる。
別に俺がすごく見えるのは転生している――つまり現代の人間じゃないからだ。
もちろん《大賢者》ってのはすごいものだと昔から言われていたけど、身の丈には合っていない気もする。
昔からすぐ照れるからな。自分で言うのもあれだけど。
「それじゃ、転移装置の設置の件は了解。それとバート領への観光を促すイベントみたいなものをしてみようか」
「イベント……そうだな。一応、ここらの大陸では絶対に味わえない旅館、そして温泉ってのがある」
「温泉……聞いたことあるな。お湯に浸かるだけで様々な効能が期待できる不思議なお湯のことでしょ?」
「まあそんな感じだ。それを売りにできるかな?」
「間違いなくできるよ。分かった、それじゃあ観光の方も了解」
「ありがとな。さて、長話もなんだし俺は帰るよ」
「そうだね。あ、転移装置も渡すよ」
◆
転移装置も受け取り、俺は帰路につくことにした。
「それじゃあな。今日はありがとう」
「ああ。そうだ、また一緒に剣をぶつけ合おうじゃないか。転移装置の設置が完了次第、遊びに行くから準備しておいて」
「もちろん。んじゃな」
◆
「アルンー! おかえりー!」
転移スキルで帰宅すると、突然ルーシャに抱きつかれた。
だからこの子は距離感がバグっている……。
色々と緊張するから勘弁してほしい……。
「ただいま。そうそう、ルーシャが絶対に面白いって思うもの持って帰ってきたぞ。リーンやルインも呼んでくれ」
「はーいなのだぁ!」
そうして、集合した三人に転移装置を見せる。
こんな貴重な代物、初めて見たのだろう。
めを輝かせてペタペタと触っている。
「この中に入れば、アルン様のスキルのように一瞬で移動できるんですか!?」
「すごいすごい!」
「おお……噂には聞いていたが、まさか本当に存在したとは……!」
ここまで喜んでくれると、俺も頑張ったかいがある。
「まあ、俺のスキルみたいに自由に移動できるわけじゃないけど、間違いなく万能だ」
さて、設置を進めていくか。
俺は領地の各所に設置をしていく。
通りがかる領民がちらりと見ては、これはなんですかと聞いてくる。
そして、転移装置だと答えると「神様が作りし物だ……!」と感銘を受けていた。
別に俺が作ったわけじゃないんだけどな。
「よし。これで完了だな――そうだ。ナムたちにも協力を求めるか」
ナムたちゴブリンのみんなにも協力してもらおう。
魔物とコミュニケーションを取れるなんて機会、まずないからな。
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