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アダッシュ王国へ

 というわけで、俺はアダッシュ王国の王都までやってきていた。

 やはりこの国の技術力は発展していて、スキルが覚醒していない小さな子供も簡単な魔導具で遊んだりしていた。


「やっぱ、アルマの国はすげえな」


 俺の領地も目標としては、こんな感じにしたいな。

 難しい話にはなってくると思うが、諦めなければ可能性は無限大。


 期待を込めて心の内で宣言しておこう。

 アルマみたいな領地を目指す!


 アルマが待つ宮廷の入り口を顔パスで通り、使用人に挨拶してアルマのもとまで案内してもらった。


「こちらがアルマ王子の部屋になります」

「ありがとうございます」


 ドアの前に立ち、ノックをすると。


「ん、この魔力はアルン殿かい?」

「さすがだな」


「君にずっと会いたかったんだ! 待っていたよ!」


 扉を嬉々として開き、俺の手を握る。

 やはり彼も変わらないな。


 やっぱり昔からの友人を前にすると緊張感も弛緩する。


「もしかして手紙を読んでくれたのかな?}

「ああ。それでせっかくだから挨拶でもしようかなって」


「いやはや。判断が早いのは君のいいところだ。さすがは我が友」

「大袈裟だな」


「それで、君のことだから何をしに来たのかは分かっているよ。そういうところ、大好きだ」

「話が早くて助かる。ま、交渉をしに来たってわけだ」


 彼とはこんな感じで、王子時代からやり取りをしていた。

 俺がよく父上やビビリの尻拭いをしていたっけ……。


 考えると悲しくなってきた。

 今は関係ないから興味なんてないけど。


「にしても、俺の領地を支持だなんて面白いことするな。まるで俺の領地を国として見ているみたいじゃないか」


 冗談半分でそんなことを言うと、アルマは真面目な表情を浮かべる。


「いや、僕は国として見ているよ。だってルルガ王国自体には貿易や支援なんてやめたしね」

「え……? マジで?」


「大マジだよ」


 それってかなりの大事じゃないか?

 なるほど、だからビビリのやつは俺に戻ってこいと焦っていたのか。


 考え込んでいると、アルマが苦笑する。


「君が考えていることは大抵分かるよ。ちょっとだけ王家のことが気になったね?」

「まあな。さすがに驚いたから」


 そして、一応だがビビリから手紙が来たことも伝えた。

 するとアルマは首を横に振って否定する。


「絶対に戻っちゃだめだよ。もうあそこは信用できない」

「もちろんだよ。もう興味もないしね」


「それが正解だと思う。それで、交渉だったね」

「そうそれ。支持してくれるのも超ありがたい……というか、本当に俺の領地が国になりかねないんだけど。ともあれ、それよりも領地を活性化させたくてね」


「領地の活性化か……となると、金銭面の支援が必要かな?」

「それもありがたい。でも、観光客がほしいんだ」


「観光客か……なるほど。面白いね、君の考えていることが分かってきたよ」


 彼はうんうんと頷き、指をピンと立てる。


「アダッシュ王国とルルガ王国は隣国だけど、バート領と考えるとその距離は長い。だというのに、君が観光客を欲しているということは、あれの出番なんだね?」


「そう、あれだ。転移装置だよ」


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