街灯の設置
というわけで、案内してもらえることになった。
公爵領の広場に出て、薄暗い通路に入る。
しばらく歩いていると、かすかに窓から光が漏れている店が見えた。
どうやらここらしい。
「いらっしゃーい」
店に入ると、とてとてと幼女体型の店主が出てきた。
なんだか可愛らしいデフォルメされたキャラ感がある。
「あれ、リダー公爵様じゃん。それともう一人は……?」
「こいつはアルンだ。最強の親友だよ」
さすがに言いすぎだ。
しかし親友と言われて悪い気はしない。
「街を照らす街灯が欲しいんですけど、まとまった量作れたりしますかね?」
「もちろん作れるよー。でも、かなり大きなサイズになってくるし、それをまとまった量となると……運べる?」
当然の疑問だ。
街灯となると、普通に一本だけでゆうに高さは二メートルを超える。
重さもかなりのものだ。
それを聞いたリダー公爵はケラケラと笑う。
「僕の親友を舐めてもらっては困るな。な、あるんだろ? スキル」
「もちろんだ」
俺は《収納》スキルを使用し、虚空から魔剣を取り出す。
「こんな感じで持ち運べるんです」
それを見た店主は目をキラキラ輝かせ、俺の方をじっと見る。
「ええ!? すごい! あなたのスキルって《収納》なんだ!」
「いや、違うよ。な、アルン」
「まあな。一応補足するなら、俺が一番最初に手に入れたスキルは《大賢者》。そっから色々手に入れたんだ」
「え!? 《大賢者》!? それにこの感じだと複数スキル持ってるの!?」
店主があわあわとした様子で俺とリダー公爵の間で目を回す。
そりゃ驚くか。今の世界ではスキルは一人につき一つが当たり前だからな。
「そんなわけだから安心してください。持ち運べるんで」
「分かった……! 良いもの仕上げるよ!」
そう言って、工房の方へと行く店主。
一応俺も背中を追う。
街灯となると、やはり物は大きい。
一つ作るだけで工房はいっぱいいっぱいになるだろう。
そこで《縮小》スキルを使う。
すると、あら不思議。街頭が手のひらサイズに。
「す、すごい……」
「だろ? アルンはすごいんだ」
ここまで褒められると少し恥ずかしい。
そして、ひとまずは領地に十分なほどの街頭を集めることができた。
ミニチュアサイズの街頭には魔力が込められており、魔力の力で光を放っている。
定期的に魔力を補給する必要があるが、自動化すれば問題ない。
お金を支払い、リダー公爵に挨拶をしてからバート領に戻る。
「ただいま」
「あ、おかえりなさいです!」
リーンが部屋の掃除をしているところに俺が帰ってきたらしい。
あせあせとほうきで床を掃いている。
「街灯、買ってきたぞ。それじゃ、夜まで待とうか」
「わぁ! 楽しみです!」
それじゃ、夜になるまで俺は街灯の設置に励むとするか。
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