「アルンは最強だな!」
「えー、領民の皆さん。フレイムドラゴンこと、ルーシャは俺がテイムしたので安心してくれ。立派な仲間だ」
「よろしくー!!」
ドラゴン状態のルーシャが人間の言葉を喋るのはなかなかに違和感があるな。
それよりも領民たちは受け入れてくれるかだが。
「す、すげぇ! 治癒スキルだけじゃなくSランクをテイムするスキルも持っているなんて! 新しい領主様はなんでもできるんだな!」
「俺、バート領に生まれて初めて良かったって思えたぜ! Sランクを服従させる領主様なんていねえだろ!」
「病気も治してくれたし! 最高だよ!」
どうやら受け入れてくれたらしい。
不安だったが安心である。
とりあえずルーシャには普段人間の姿でいてもらうことにした。
さすがに、こんなにも大きいドラゴンが彷徨いてたら恐ろしい。
人間の姿に戻ったルーシャが俺の手を握ってきた。
「ねね! 領主ってなんなの!?」
「えっとな、ここらへんで一番偉い人ってことだよ」
「うっわー! アルンってすごいんだ! 妾、すごい人好き!」
Sランクの魔物に好かれるってのはなんだか不思議な気分だな。
人間の姿をしてるし、本当に不思議な感覚だ。
「あの……少しいいですかい?」
「ん? どうした?」
一人の領民が申し訳なさそうな表情でこちらにやってきた。
「うちの娘も……よかったら治してくれませんか? どの医者に診てもらっても、もう手遅れだと言われまして……」
「ふむ、分かった。案内してくれ」
手遅れと言われるほどに難しい病気を抱えているのか。
可哀想に。さぞかし苦しんでいることだろう。
案内された家に入ると、ベッドの上で唸っている少女の姿があった。
胸を抑えて、苦しそうにしている。
「なるほど。大丈夫、すぐ終わる」
見たところ、呼吸器系の病気のようだ。
それもかなり悪化している。
医者に診てもらったと聞いたが、この領地を見る限りまともなお金はないはずだ。
ろくな医者に当たってこなかったことだろう。
「《ハイ・ヒール》」
治癒スキルを発動し、少女を癒やす。
かなり高度なスキルを使ったからこれで問題ないはずだ。
「う……」
苦しんでいた少女の表情が、次第に柔らかくなってくる。
すると、目を開いて俺の方を見てきた。
「あ、あなたは……」
「俺はアルン。ここの新たな領主だ。大丈夫、君の病気はさっき癒やしたから」
診たところ、病気になっていた箇所は完全に癒やした。
あとは体力が回復すれば、自由に動くことができるだろう。
「リーンです……ありがとうござ……」
「無理はするな。まだ治ったばかりなんだ」
とりあえず、俺は少女の親に完治したことを報告した。
「ありがとうございます! な、なんて感謝すれば……」
これも領主としての務めだ。
当たり前のことをしただけである。
「すごい! やっぱりアルンは最強だな!」
「ルーシャ。病人が寝ているんだ。あまり騒ぐなよ」
「だって、アルンがすごいんだもん!」
ルーシャは少し落ち着いた方がいいと思う。
「さて、とりあえず屋敷に向かうか」
アルンくん最強だな!
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