渾身のスキルパワーでトンネル開通!
「アルン様よ! ほら、挨拶しなさい」
「アルン様おはようー!」
「ああ……アルン様。あなたのおかげで領土が潤いました……まさに神様のよう……」
「いやいや、もうアルン様は俺たちにとって神様だろ。だって公爵様と伯爵様からの支援も決定させたらしいぜ」
日課である毎日の散歩をしていると、このように最近は領民が挨拶をしてくれるようになった。
というか、神様とか言い始めた。
遂には俺もここまで神格化されたか……。
嬉しいより驚きがまさるな。
「モテモテですね!」
「モテモテ!」
「さすがは団長。領民からの支持も集めているのだな!」
「いやー、少し照れるな」
三人にヒューと囃し立てられる。
しかし、これだけ支持を集めることができたのは成功だ。
何をするにしても、まずは領民第一だ。
領民からの協力がないと、領土を豊かにすることなんてできない。
「貴族たちからの支援も近々行われるだろうし、温泉施設もできた。それに魔物の脅威もない。こうなってくると、後はすること……分かるかな?」
歩くのを止め、三人に尋ねる。
むむむと唸った後、リーンが手をあげた。
「観光地化!」
「正解! 半永久的に領土を豊かにする方法の一つがそれだ」
そう、俺はバート領の観光地化を狙っている。
他にはない旅館もあるし、温泉もある。
領土の街並みもナムたちゴブリンの手助けもあって、かなりよくなった。
後足りないのは観光客だ。
「だが、そうなると領地へのアクセスをよくしなければならないな。正直言えば、ここに来るまでかなり時間がかかった」
「そうだな。まずは隣の領地であるルル伯爵領へ繋がる通路を作る必要がある。そこさえ完成すれば、後はトントン拍子で進むと思う」
バート領はルル伯爵領に囲まれる形になっている。
なので、まずは第一歩から。
快適にバート領とルル伯爵領を行き来できる状態にしたい。
「ただ……知っていると思いますが険しい山々が……」
「ま、そこなんだよな」
バート領は山に囲まれている土地だ。
だからこそ、誰にも手を付けられず穴場な場所であったのだが。
ともあれ問題はそこだ。
しかし簡単な問題だ。
「俺に任せとけ」
というわけで、俺たちは転移スキルで山麓地帯にやってきた。
ここから険しい山道が始まるわけだ。
「ちなみに魔物とかいたよな?」
「ああ。多少いた」
ルインに尋ねると、まあ当然な答えが返ってきた。
となると、それもスキップしたい。
「……それで、どうするんです?」
「掘る」
そう返すと、三人がぽかんとした表情を浮かべる。
「そんなことできるんですか!?」
「なかなか無茶だと思うぞ!?」
「できるのー?」
もちろん、知識がないとできないわけだが。
生憎、前世ではたらふく知識を付けてきたからな。
といっても素人だから無理やりな形になるがっと。
「《鉄拳》」
すぅ、と息を吸い込み、そして吐きながら思い切り拳を山に叩きつける。
――ゴンッッ!!
思い切り穴が空いた瞬間に、俺は《補強》スキルで壁を作成する。
もちろん、山々が崩れないよう丁寧に……。
「うし、開通したな」
「「「へ……?」」」
◆
その頃、ルル伯爵領では――
「なんですか今の音!?」
「ルル伯爵様、バート領からです!」
「ああ……で、状況は?」
「どうやら、バート領と伯爵領を挟む山々が開通したと報告が……」
「何者なんだアルンとやらは……怖い怖い、とんでもない人を敵にしかけた……」
ルル伯爵は嘆息し、椅子に背中を預ける。
「きっと険しい山々を超えて支援をするのは難しい……そう判断して開通したんだろう。全く、助かるが事前に情報は欲しかった。しかし、面白い」
何故かアルンの思惑はルルへの優しさへと変換されていた。
3章開始となります!ここまで書くことができたのも、皆様のおかげです!そしてなんと、本作品がランキング【7位】にランクインしました!やったね!
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このまで来たら、目指せベスト5!
ということで、ベスト5に入るには11時までに300ptは欲しいところです。これはブックマークをしていただけている方30人が広告下の【☆☆☆☆☆を★★★★★】に染めていただけると達成できる数値です!
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